TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

講師の清田ですせいた

一級建築士設計製図試験の受験された皆さま、本当にお疲れ様でした

本試験課題を私なりに解いてみたのでご紹介したいと思います。
(完璧なプランではないのでご了承ください


(1)アプローチの計画
駅や店舗付き集合住宅の並ぶ東道路をメインアプローチと考え、
①住宅、②自転車(住宅用)、③学習塾、④自転車(学習塾用)、⑤カフェの5つのアプローチを東道路から確保しました。
住宅のアプローチは、西道路にサブエントランスを設け、東西に抜けられる動線を確保しました。
駐車場は西側に計画し(一部ピロティ駐車場)、車椅子使用者用はサブエントランスに近接させました。

(2)学習塾・カフェの計画
学習塾の各室は、法的な採光が不要なので外壁に面して計画することは割り切りました
カフェは東道路に面して設け、厨房からのサービス動線も南側に確保しました。

(3)設備スペースの計画
受水槽室、消火ポンプ室、電気室などの設備スペースは北西側にまとめて計画し、屋内・屋外の両方からの動線を確保しました。
ゴミ保管庫も北西の一角にまとめ、入居者・管理人ともに使いやすい位置としました。

(4)住戸の配置
2階の南側に屋上庭園および屋根(屋上緑化)を設け、住棟を1スパンセットバックさせることで十分な南側の日照を確保しました。
住戸は南側に優先して配置し、納まらない住戸は採光に配慮して東・西の道路側へ向けました。
各住戸の要求面積は、バルコニー・共用廊下の奥行寸法による調整だけでなく、アルコーブや光庭を用いました。

2021_1級建築士設計製図本試験 オリジナル答案例


※なお1/400の手描きなので、歩行経路、延焼ライン、防火区画などの法的な内容は見た目が煩雑になるので図示を省略しています。あくまでプランだけ参考に見てください。
また、共用廊下も安全側で全て床面積に入れているので、延べ面積がデカくなっています




井澤&清田です。
いざわ せいた
昨日、一級建築士設計製図試験を受験された皆様、本当にお疲れ様でした。
まずは昨日21時にUPしたものを一
部修正したプランAと、屋上庭園を北側に設けたもう一つのプランBをUPします。
2021_1Q_plan1_101113
2021_1Q_plan2_101113

続いて講評です。
「床面積の合計の上限と下限の指定がない」「住戸数が○戸以上」を筆頭に、条件の指定が緩いため、逆に計画の拠り所が少なく、自分の計画が適切なのか迷いが生じる課題でした。
コロナ禍での新しい生活様式を踏まえ、「在宅勤務を考慮した計画」、「入居者同士が交流できる共用室、屋上庭園の計画」が特色でした。

今年の課題の主な特徴は次のとおりです。

1.アプローチ
テナント部門(学習塾、カフェ等)は、集客、利便性を考慮して東側からアプローチするのが適切です。
住宅部門のアプローチは、東側、西側の両方が考えられます。
住宅部門を東側アプローチとすれば、歩道付きで駅へのアクセスが容易と考えられますが、狭い間口からテナント部門と住宅部門のアプローチを計画するのは難易度が高くなります。
住宅部門を西側アプローチとすれば、住宅部門のプライバシーに配慮してテナント部門と明確に分離でき、入居者用駐車場、入居者用駐輪場も西側まとめて計画できます。幅員4mの道路は、沿道の一戸建て住宅へのアプローチにも使われる、いわゆる「生活道路」です。「幹線道路」に比べて交通量は少ないので、集合住宅のアプローチは可能です。

2.テナント部門と住宅部門を建築物内部で行き来できる必要があるか
「テナント部門は外部から利用しやすい計画とするとともに、住宅部門との動線やプライバシーに配慮した計画とする。」という指定です。
建築物内部で行き来する計画でも、屋外で行き来する計画でもどちらでも構いません。
建築物内部で行き来する計画では、直接学習塾、カフェそれぞれに行き来できる計画と、両者の共用の廊下等を設けてそこに行き来できる計画が考えられますが、難易度は高くなります。オートロックでセキュリティに配慮し、異種用途区画を行う必要があります。
屋外で行き来する計画では、有効幅員1.8m確保できる通路の計画が望ましいと言えます。

3.屋上庭園の配置
平成27年と同様に集合住宅で屋上庭園が出題され、その年の標準解答例①を考慮すると、屋上庭園の位置は、北側でも南側でもどちらでも構いません

4.道路高さ制限への適合は絶対条件
道路高さ制限への適合は絶対条件です。
断面図の特記事項に「道路高さ制限への適合が確認できる情報」の図示が求められました。

5.住戸数は多いほど良いのか
住戸数が「○戸以上」と指定され、戸惑った受験生も多かったと思います。
住戸数が多いほど評価が高いということはないと思います。
指定された最低限の住戸を計画した場合に無駄な空間ができてしまうときには住戸数を増やして良いという条件だったと考えられます。

6.住戸Aと住戸Bの在宅勤務スペース
住戸Aと住戸Bには「在宅勤務を考慮したスペース」が要求されました。
執務環境として独立した空間とするのが適切です。「書斎」のイメージです。
書斎も住宅の居室であり、採光を確保すべき空間です。2室1室採光での対応は可能です。

7.学習塾の採光
学習塾の教室、放課後学習室等には建築基準法上の採光の義務はありません。もちろん採光を確保するほうが理想的です。

8.床面積の算定
「この課題の床面積の算定においては、ピロティ、塔屋、バルコニー、屋外廊下(外気に有効に開放されているものに限る。)、屋外階段及び屋上設備スペースは、床面積に算入しないものとする。」と指定されました。
したがって、エントランスホール、中廊下等の共用の廊下、階段、エレベーターシャフト、エレベーターホール等は床面積に算入するという指定でした。

9.傾斜した支持層
N値30以上の支持層が傾斜していましたが、プランに示したとおり、地盤改良で対応することが可能です。

10.計画の要点等の住戸内平面図(縮尺1/100程度)
驚いた受験生も多かったと思いますが、縮尺1/100「程度」、「イラストでも可」からも分かるように、縮尺1/200以上の精度が求められるものではありませんでした。記述で求められた「採光」「在宅勤務」「給排水」「給排気」を示すに当たって煩雑にならないように「縮尺1/100程度」と示されたと思われます。

11.天空率、避難上の安全の検証等を適用する場合
「留意事項」(6)では、天空率、避難上の安全の検証等の規定を適用する場合には、「答案用紙Ⅱの裏面にその計算過程及び結果を記入する。」と記載されていました。
今年も今後も、天空率、検証法を適用する受験生は皆無だと思われますが。。


講評は以上になります。
長時間にわたる試験、及び、長きにわたる受験勉強、本当にお疲れ様でした。
果報は寝て待て、です。
皆様の努力が実り、合格されることを祈っています。
しばらくはゆっくりと休んで下さい。
本当にお疲れ様でした。


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本試験を受験された皆様、本当にお疲れ様でした。

TACの参考答案プラン 第一報をお届けします!

2021_1Q_plan_101021

明日13時に講評をUPする予定です。

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