TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

井澤ですいざわ

■問題1
ポストテンション工法において、シース内に充填するグラウトは、PC鋼材を腐食から防護し、シースとPC鋼材との付着を確保すること等を目的とする。(一級構造:平成18No.15
■問題2
ポストテンション方式によるプレストレストコンクリート構造の床版において、防錆材により被覆された緊張材を使用する場合、緊張材が配置されたシース内にグラウトを注入しなくてもよい。(一級構造:平成27No.22

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■解答
 問題1、2ともに正。
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さっそくポイントを確認しましょう。

ポイント:PRC造 シース内のグラウト――
防錆材で被覆されていないPC鋼材(緊張材)を使用する場合
 →シース内にグラウトを注入する
 →目的はPC鋼材の腐食防止・シースとPC鋼材との付着確保
防錆材で被覆されたPC鋼材(緊張材)を使用する場合
 →シース内にグラウトを注入しないでもよい。
 →「アンボンドポストテンション方式」という。
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なお、シースとは、PC鋼材(緊張材)を通す管のことです。
グラウトとは、充填という意味で、一般にセメントペーストを充填します。

プレストレストコンクリートについては、プレテンションとポストテンションとで、設計基準強度、塩化物イオン量、スランプの値が違いますので、
No.296(プレストレストコンクリート構造)で確認しておきましょう。

http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/47165412.html

ほんだこんにちは、ホンダです。

7/16,17日と、2級設計製図コースが開講いたしました。
八重洲校と渋谷校は定員に達しましたので、大変申し訳ありませんが締切とさせていただきます。

明日、20日は新宿校の開講となりますが、こちらも残席はわずかです。
無料体験は可能ですが、定員に達した場合、お申込みは締切となる場合がございますので、ご容赦ください。

熱い御支持をいただいた皆様のご期待に応えるよう、全員合格を目指して今後の講座運営をして参ります。
 

井澤ですいざわ

■問題1
鉄筋コンクリート構造において、大梁主筋の柱への必要定着長さは、大梁主筋の強度が高いほど短くなる。(一級構造:平成27No.12
■問題2
鉄筋コンクリート構造において、大梁主筋の柱への必要定着長さは、柱のコンクリート強度が高いほど短くなる。(一級構造:平成27No.12


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■解答
 問題1 誤。鉄筋の強度が高くなると、必要定着長さは長くなります。
 問題2 正。
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はじめに、「
定着長さ」とは、鉄筋コンクリート構造において、①梁の鉄筋を柱に定着するときの長さ、②小梁の鉄筋を大梁に定着するときの長さ、③アンカーボルトをコンクリートに定着するときの長さ などをさします。
そして、「必要定着長さ」は、鉄筋がコンクリートから抜けないようにするために必要な定着長さです。

―――――ポイント:必要定着長さ――――――
■鉄筋の強度が高くなると、必要定着長さは長くなる。
 ↑鉄筋に大きな引張力が働き、抜けやすくなるから。
■コンクリートの強度が高くなると、必要定着長さは短くできる。
 ↑鉄筋がコンクリートから抜けにくくなるから。
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それでは、次の問題でおさらいしましょう。

■問題3
柱に定着する梁の引張り鉄筋の定着長さにおいて、SD295Aの鉄筋を同一径のSD390の鉄筋に変更したので、定着長さを長くした。(一級構造:平成23No.13
■問題4
SD345の鉄筋の一般定着の長さは、コンクリートの設計基準強度を24/㎟から36/㎟に変更したので短くした。(一級構造:平成20No.14


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■解答
 問題3 正。SD390のほうが鉄筋の強度が高いので、必要定着長さは長くなります。
 問題4 正。36/㎟のほうがコンクリート強度が高いので、必要定着長さは短くなります。
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「必要定着長さ」は、鉄筋の強度、コンクリートの強度のほか、フックの有無によっても変わります。例えば、SD
345、コンクリートの設計基準強度が24/㎟であれば、フックなしで35d(dは異形鉄筋の呼び名に用いた数値)、フック付きで25dです。

なお、「フック付き」の必要定着長さは、「フックなし」の「-
10d」ですが、フックの角度に関わらず一定です。つまり、何度のフックであろうと「-10d」です!
No.268(鉄筋の折曲げ形状2)も参照してください。
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/2016-01-18.html

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