井澤です
■問題
SD345のD29の鉄筋に180度フックを設けるための折曲げ加工を行う場合、その余長は4d以上(dは異形鉄筋の呼び名に用いた数値)とする。(一級施工:平成25年No.8改)
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■解答 正
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フックは、鉄筋をかぎ状に曲げたもので、鉄筋が抜けないように、「直交する鉄筋」や「コンクリート」にひっかけるものです。
dは「異形鉄筋の呼び名に用いた数値」で、「鉄筋径」と思って下さい。
設問は「D29」です。「異形鉄筋の呼び名に用いた数値」とは、この「29」です。
すなわち、d=29です。
ちなみに「SD345」は、異形鉄筋(SD)で、降伏点の下限値が345N/㎟であることを示しています。
――――ポイント:鉄筋の折曲げ形状――――
折曲げ角度が大きくなるほど、余長を短くすることができる。
180度フック・・・余長4d以上
135度フック・・・余長6d以上
90度フック・・・余長8d以上
(Dは鉄筋の折曲げ内法直径)
―――――――――覚え方―――――――――
この中で基本は「135度フック・・・6d以上」です。
【語呂合わせ】
(美人とすれ違って)「135度振り返るのはロクデなし(6d)!」
この値をしっかり覚え、180度フックは短い、90度フックは長い、と覚えましょう。
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井澤式 建築士試験 比較暗記法 No.266(スペーサーの材質)
ワンパンマン井澤です
(ワンパンマン、ご存知ですか? 佐藤先生にもたまにはググってもらいましょう)
■問題1
鉄筋の組立てに用いるスペーサーの材質は、スラブ及び梁の底部では鋼製とし、柱、梁及び壁の側面ではプラスチック製とした。(一級施工:平成20年No.8)
■問題2
片持ち庇のスラブ筋に用いるスペーサーについて、材質を施工に伴う荷重に対して耐えられる鋼製とし、型枠に接する部分には、プラスチックコーティングの防錆処理を行ったものを使用した。(一級施工:平成26年No.8)
■問題3
基礎ばりの下端における鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さを確保するために、モルタル製のサイコロ型スペーサーを1.5m間隔で使用した。(一級施工:平成15年No.9)
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■解答
問題1 正
問題2 正
問題3 誤。モルタル製は強度が不足するため不可。1.5m間隔は適当。No.264参照。
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No.264で説明したとおり、スラブ等の水平鉄筋の位置を保持するものはサポートと呼ばれるのが一般的ですが、水平鉄筋の下端筋のサポートは、かぶり厚さの寸法の保持するのが目的のため、スペーサーとも呼ばれます。
結局、サポートもスペーサーもほとんど同じと考えて良いです。
――――ポイント:スペーサーの材質――――
■スラブ・梁の底部のスペーサー
→原則として鋼製とする。
→型枠に接する部分には、プラスチックコーティングの防錆処理。
→モルタル製は強度が不足するため不可。
■柱・梁・基礎梁・壁などの側面のスペーサー
→プラスチック製のスペーサーとしてもよい。
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