井澤式 建築士試験 比較暗記法 No.255(特定天井:本試験ズバリ的中!)
井澤です
今回は比較暗記法とはちょっとズレますが、平成27年一級建築士学科本試験で初めて出題され、注目された「特定天井」について、TACテキストの「ズバリ的中!」をアピールさせていただこうと思いましたので、ぜひ見てみてください。
まずは、平成27年一級建築士学科本試験から。
■問題1
宴会場に新設する天井について、床からの高さが10mでその天井水平投影面積が600㎡であったが、天井(天井面構成部材等)を単位面積質量が1.5kg/㎡の膜天井とし、特定天井としなかった。(一級施工:平成27年No.19枝2)
■問題2
仕様ルートの適用による検証を行った特定天井においては、天井面構成部材と壁及び柱との隙間を6㎝以上とした。(一級施工:平成27年No.19枝3)
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■解答
問題1 正。特定天井の要件の一つである「天井面構成部材等の単位面積質量が2kgを超える」に該当しないため、特定天井に該当しない。詳しくは下記添付のテキストp305を確認してください。
問題2 正。
特定天井に関する法改正は、東日本大震災の被害を教訓として平成26年4月1日に施行されたものです。
本試験はその年の1月1日の法律に基づいて出題されますから、特定天井が本試験で出題されるのは平成27年からという状況でした。
TACのテキストは、適所に「Check Point」という理解度チェック問題を入れていることが特徴の一つですが、平成27年合格目標のTACテキストの「Check Point」がまさに特定天井の新規問題の「ズバリ的中!」でした。その部分をまるまる添付しましたので、ご覧ください。
text p305.jpg
text p306.jpg
どうですか?
上記テキストp306の「Check Point」は本試験とまったく一緒でしょう?
「Check Point」①のポイントは「特定天井の要件は、テキストp305の一番下にある(1)から(3)のすべての条件に該当することで、1つでも欠けていたら特定天井には該当しない」ということです。それはまさに上記問題1の本試験のポイントと一緒です。
「Check Point」②は、そのまんまですね。
試験勉強の鉄則は過去問の理解ですので、TACでは新規問題は過度に取り上げないようにしていますが、ご覧のとおり、ズバリ的中で中てるべきときには中てます!
井澤式 建築士試験 比較暗記法 No.254(余掘り・余盛り)
井澤です
■問題1
セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、余掘り量(掘削孔底深さと杭の設置深さとの差)の許容値については、50㎝とした。(一級施工:平成18年No.8)
■問題2
場所打ちコンクリート杭工事において、コンクリートの打込みに際し、杭頭部に余盛りを行い、コンクリート硬化後、余盛り部分を斫り取った。(一級施工:平成21年No.7)
■問題3
完全溶込み溶接の突合せ継手の余盛り高さについては、1㎜であったので、許容差の範囲内とした。(一級施工:平成23年No.14)
問題3は杭工事ではありませんが、「余盛り」つながりで。
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■問題1、2、3ともに正。
余掘りと余盛りは、文字は似ていますがまったく別物です。
余掘りは「既製杭」、余盛りは「場所打ちコンクリート杭」で登場する用語です。
また、余盛りは鉄骨工事の溶接でも登場します。
まずは図でイメージをしっかり持ちましょう。3連ちゃんです。
―――――――――ポイント―――――――――
■余掘り(既製杭)
・掘削孔底深さと杭の設置深さとの差を「余掘り」という。
・余掘り量は0.5m以下とする。
■余盛り(場所打ちコンクリート杭)
・杭頭部は泥水やスライムなどにより強度が低下しやすいため、杭頭部を余分に打ち上げ、コンクリート硬化後、斫り取る部分を「余盛り」という。
・場所打ちコンクリート杭の余盛り高さは、孔内水がない場合50㎝以上、孔内水がある場合80~100㎝程度
■余盛り(鉄骨工事の溶接)
・完全溶込み溶接または隅肉溶接で、必要な寸法以上に表面から盛り上げた溶着金属部分を「余盛り」という。
・余盛りは母材表面から滑らかに連続する形状が良く、余盛り高さは、過大なものは欠陥となるため、できるだけ小さくする。完全溶込み溶接の管理許容差は開先寸法によって変わるが、最も厳しいもので0<余盛り高さ≦3㎜である。したがって、余盛りを1㎜とした、3㎜とした、という設問は正しい。
―――――――――補 足―――――――――
■余掘り
支持層への杭の「設置深さ」は1m以上としなければなりません。
孔底にはどうしてもレキ等がゴロゴロしますので、支持層の「掘削深さ」をちょうど1mとすると、レキ等が邪魔して、支持層への杭の「設置深さ」が1m確保できません。
そこで、レキ等の分を見込んで余分に掘っておく分が「余掘り」です。
余掘り量は0.5m以下とします。
例えば、余掘り量を0.5mとしたとき、実際の孔底のレキ等が0.2mだったとすると、0.5m-0.2m=0.3mの隙間はどうなっているのか?と疑問に思う方がいるかもしれませんが、そこには根固め液が充填されており、ある程度硬化するまで地上から杭をワイヤロープで吊って「設置深さ」を保持します。