■問題
暖房時において、蒸気加湿器によって加湿すると、絶対湿度は上昇するが、乾球温度はほとんど変化しない。(一級環境・設備:平成20年No.18改)
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加湿器には、次のような種類があります。
・蒸気吹出し式
気体である水蒸気を吹き出して加湿する。
・水噴霧式
微粒子の水を噴霧して加湿する。
・気化式
常温の水に風をあて気化させて加湿する。
―――――――――ポイント―――――――――――
ポイントは、加湿に伴う温度変化です。
・蒸気吹出し式
すでに気体となっている水蒸気を吹き出すため、
加湿しても空気の温度が変化しない。
・水噴霧式と気化式
水が蒸発して水蒸気になる際に周囲から気化熱を奪うため、
加湿すると空気の温度が低下する。
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■解答
正
ペアで覚える建築士 No.50(SHF)
■問題
SHFとは、空調機により空気に加えられ又は除去される熱量のうち、潜熱量の占める割合をいう。(一級環境・設備:平成19年No.18)
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SHFとは、顕熱比のことです。したがって、設問は「潜熱量」ではなく「顕熱量」の誤りです。
「潜熱比」という指標はありません。
ですから、分かっている人はこの問題を見て「なめてんのか?」と思われるかもしれませんね。
潜熱(センネツ)のSと混乱させているつもりか?と。
SHFは、Sensible Heat Factor の略です。
「Sensible」は、センサーから連想できるように、「知覚できる」という意味です。
したがって、「Sensible Heat」は、知覚できる熱、すなわち顕熱です。
なお、顕熱とは顕わ(あらわ)な熱であり、温度変化を伴う熱です。
一方、潜熱とは潜む(ひそむ)熱であり、空調では、熱としては知覚できない、湿度変化を伴う熱です。
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■解答
誤
ペアで覚える建築士 No.49(APF)
井澤です
■問題
APF(通年エネルギー消費効率)は、パッケージエアコンの運転効率を示す指標として、定められた温度条件下での定格能力に対する運転効率を示す。(オリジナル)
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COPとAPFは、ともにパッケージエアコンの運転効率を示す指標で、「出力/入力」すなわち、消費エネルギーに対する冷凍能力の効率を示します。
違いは次のとおりです。
―――――――ポイント―――――――――
・COP(成績係数:Coefficient Of Performance)
定められた温度条件下での運転効率
・APF(通年エネルギー消費効率:Annual Performance Factor)
外気温度の変化による冷暖房能力や消費電力の変化を加味した運転効率。
したがって、APFは、COPよりも実際の使用実態に近い、年間を通しての平均的なエネルギー消費効率を算出することができます。
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■解答
誤。設問はCOPについての記述です。