TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

井澤ですいざわ

■問題
空調設備における変水量方式(VWV方式)とは、端末の空調機などにかかる負荷に応じて、空調配管系を流れる水量を変化させる方式である。(一級環境・設備:平成11No.18

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■解答


まず、基本事項の確認です。 一般の空調では、
①熱源設備(冷凍機・ボイラー)と空調機の間に冷温水を循環させます。
②そして空調機の冷温水コイルにおいて、冷温水で冷温風を作り、室へ送風します。
前回のVAV・CAVは、②の冷温風の風量の話、
今回のVWV・CWVは、①の冷温水の水量の話です。 空調負荷が小さくなれば冷温水コイルへ送る冷温水の水量を少なくします。その方法にVWVとCWVがあります。

――――――――ポイント1――――――――
・VWV(変水量方式:Variable Water Volume
  →冷温水の「全体の水量」を変化させる方式。
・CWV(定水量方式:Constant Water Volume
  →冷温水の「全体の水量」は一定で、一部をバイパスさせることにより、
    空調機の「冷却コイルの水量」を変化させる方式。

――――――――ポイント2――――――――
冷温風の風量でも、冷温水の水量でも、V(Variable)のほうが省エネ!
つまり、CAVよりVAVのほうが省エネであり、
CWVよりVWVのほうが省エネです。
風量にしても水量にしても、少なくてよいときは量を変化させる制御したほうが、ファン動力、ポンプ動力が小さくてすみます。
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井澤ですいざわ

■問題
空気調和設備におけるVAV方式は、室内の冷暖房負荷に応じて、主として、吹出し空気の温度を変化させる方式である。(一級環境・設備:平成17No.18

――――――――ポイント――――――――
・VAV(変風量単一ダクト方式:Variable Air Volume
  →吹出し空気の「風量」を変化させる方式。
    例えば冷房時に室温が設定温度に近づいてきたら、風量を減らす。
・CAV(定風量単一ダクト方式:Constant Air Volume
  →吹出し空気の「温度」を変化させる方式。
    例えば冷房時に室温が設定温度に近づいてきたら、
  16℃で吹き出していた冷風の温度を21℃に上げるなど。
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■解答
誤。
VAVは、Variable(可変)Air Volume(風量)ですから、「風量」を変化させます。

井澤ですいざわ


■問題

同風量用の外気取入れガラリと排気ガラリでは、一般に、通過風速を高くできることから、外気取入れガラリのほうが必要な正面面積は小さくなる。(一級環境・設備:平成23No.13

――――――――ポイント――――――――
ガラリの通過風速
・外気取入れガラリ…2~3m/
・排気ガラリ…2.53.5/
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ガラリの通過風速が早いと風切り音が鳴ります。逆に、遅いと不経済ですね。
上記のどっちの風速のほうが高いかについては、風切り音の室内への伝搬の影響を考えてください。
外気取入れガラリのほうが風切り音が室内に伝わりやすいので、風切り音が小さくなるように通過風速を低くします。

ポイントの2つの数値については、ガラリ面積の計算問題を解く際に必要になりますので、大小関係だけでなく、数値も覚えてくださいね。
(計算問題の出題例:平成19No.19枝5、平成21No.12枝2)
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■解答
誤。外気取入れガラリのほうが、通過風速を低くしなければならず、必要な正面面積(ガラリ面積)は大きくなります。

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