TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

ほんだこんにちは、ホンダです。

近年、建設技術者の高齢化が進み、建設産業の将来の担い手となる若手技術者の確保が急務となっています。
こういった状況を踏まえ、優秀な若手技術者の確保の観点から、法改正により、建築施工管理技士等の施工管理技士の受験資格について緩和することが決まりました。

この改正に基づく受験資格は、平成26年度の試験から適用されます。
改正された緩和措置はいくつかありますが、従来2級検定試験に合格してから1級を受験するために必要な実務経験年数が5年から3年に短縮された点が最も大きなポイントです。
つまり、最短26歳で1級の受験が可能となったため、高卒者も、大卒の指定学科卒業者と同じ年齢で1級の受験が可能となったのです。
詳細はこちらをご覧ください。
国土交通省

そもそも、国家試験の受験資格については、全体的に緩和の方向にあります。
法律系の資格試験においては、基本的に受験資格自体を排除し、誰でも受験して合格できるようになってきています。
一方で、建築士も含め、建設関連資格は実務的色彩が強いため、受験資格が存在するのはやむを得ないという考え方もあります。確かにその点は一理あるのでしょう。

ただ、それを言ったら他の国家資格者はどうなんだ、と感じるのではないでしょうか。
現在の建築施工管理技士や建築士の合格者であっても、実態は合格がスタートラインという方が多いように思われますし、単なるハク付けに受験される方も多いと思います。

それでいいんです。
資格試験はすべからく、スペシャリストの証ではなく、スペシャリストの登竜門でいいと思っています。
本当のスペシャリストかどうかをペーパー試験で認定することなんてできるはずがないからです。

ということで、建設関連資格の受験資格は、さらなる検討が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

ほんだこんにちは、ホンダです。

以前、とある英会話学校が入会金や受講料を受け取りながら経営破綻し、社会問題になったことがありました。
その事件以来、しばらく「英会話学校」と言うだけでなんだか胡散臭い雰囲気があり、他のまじめに運営しているスクールも受講生が一時減少したという話を聞いたことがあります。

一般に、ある産業が伸びていく時は業界全体が伸びていくし、衰退するときは業界全体が衰退します。
だからこそ様々な業界では業界団体を設けて、業界の統一基準というルールの中で競争することによって、社会的信頼を確保しているんですよね。

そこから見ると、資格試験の受験業界、とりわけ建築士試験の受験業界はまだまだ発展途上です。
本来、資格試験の受験業界は、教材などの教育コンテンツや講師力などで競い合っていくことが健全な姿だと思います。そのうえで、合格者を一人でも多く輩出することに存在意義があるわけです。

しかし、建築士の受験業界では、驚異的な合格率の数値を堂々とホームページで公表し、この数値は模擬試験で正答率が7割以上の受講生の合格率、というような信じがたい注釈をしているスクールがあったりします。模擬試験はスクールが作っているのですから、正答率はお手盛りでどうにでもなることは理解できると思います。

もっとも、そのスクールに行って正答率7割以上を取れば、かなりの確率で合格できるんだ、という目安になることはあるでしょう。ただ、そこのスクールの模擬試験で7割を取ることが本試験で合格するより厳しいとすれば、それはいかがなものかと思います。

受講生の皆さんは賢明ですから、そんな数値だけでスクール選びをしているわけではないのでしょう。ただ、受験生以外の一般社会人から見れば、「なんか胡散臭いね」と言われてもやむを得ない気がします。
そして、「同じ穴の・・・」と思われるのは、とっても残念に思うのです。




ほんだこんにちは、ホンダです。

平成25年度の二級建築士の設計製図試験の合格発表がありました。
合格率は、ほぼ例年並みの53%でしたが、学科試験の合格率が低かったため、結局、学科試験を含めた総合合格率は19.5%と2割を切る結果となりました。これは最近5年間で最も低いものです。
詳細なデータは、建築技術教育普及センターのデータのページをご覧ください。

また、設計製図試験の問題と標準解答例も公開されています。
この標準解答例は、合格水準の標準的な解答例としていますので、模範答案という趣旨ではありません。
内容は、こちらをご覧ください。

少し気になるのは、最終合格者の数が5,000名を切ったことです。
現在、建設業界では復興関連事業のほか、老朽化が著しいインフラの再構築にかかる事業(いわゆる国土強靭化関連)、さらにはオリンピック関連等で技術者不足が叫ばれています。

学科の受験者数は昨年度と大きく変わらないにもかかわらず、合格者数で1,000名以上減少したのは、時代のニーズにそぐわないなぁと思わずにいられません。

ただし、技術者の質の維持という観点からすれば、試験の合格者をいたずらに増加させるわけにはいかないでしょうから、やむを得ない面もあるのでしょう。

いずれにしても、次年度以降の受験生にとっては、20%を切る難関試験である、という認識を持って早め早めに学習を進めていかれることをお勧めします。
次年度の合格を目指して、明日からスタートです。

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