TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

satoこんにちは、サトーです

平成29年 一級建築士学科試験の講評を公開いたします。

昨日の一級建築士学科試験を受験された皆様、本当にお疲れ様でした

 

まず試験の難易度は、次のとおりです。

●計画    →やや難しい

●環境・設備 →易しい

●法規    →易しい

●構造    →例年並み

●施工    →難しい

全体としては、概ね例年並みと言えます。

 

では、科目ごとに少し詳しく見ていきます。

■計画■

 初出題の論点(用語)が比較的多いうえ、実例の出題も目立ったため、高得点をとりにくい構成でした。しかし、既出の論点を手堅く得点することができれば、14点は確保できた構成でもありました。

 

●№1は、技術者の倫理等に関する問題でした。新しい問題でしたので、面食らった方も多いと思います。しかし、落ち着いて枝を読んでいけば、枝2のリスクマネジメントは危機事態が発生する前にしなければなりません。

●№8と9はバリアフリー設計のガイドラインである「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」からの出題でした。

●№14は防災計画、№15は災害関連についての出題で、今後も防災・災害に関連した出題は続くと思います。

●建築史、実例建築物からの出題が今年も7問ありました。決して易しくはありませんが、№3と№17以外の問題は、過去問の応用で対応できる内容でした。


■環境・設備■

既出の問題が大勢を占めていたため、過去問学習で高得点を狙える構成になっていました。

 

●№5は、火災時の排煙に関して、やや詳細な内容が出題されました。

●№15の給排水設備は、枝1と2で迷った方も多いと思います。設備設計の専門的な知識を問う問題でした。

●全体的に、省エネルギーを実現するための基礎となる考え方の理解を問う問題が散見されました。今後も、この流れは変わらないと思います。

 

■法規■

近年の傾向に即し、長文の問題が多く時間との勝負になった受験生も多かったと思いますが、内容的には例年通りといえます。

 

●建築基準法は標準的な問題でした。

●№12は木造軸組長さの計算問題で、2級で頻出していた問題ですが、1級では久々の出題となりました。しかも、斜線部分の面積から1.35m以下の部分を引かなければならない点で、引っかかった方も多かったと思います。

●№17の斜線制限は、二面道路の緩和にかかる見落としやすい点(他の前面道路の中心線から10mを超える区域)をポイントにした問題でした。

●関係法令では、建築士法関連が5問、都市計画法、消防法、バリアフリー法が各1問、混合問題が2問という構成でした。一部細かい条文知識を問うものもありましたが、正解を導くのに戸惑うようなものは見られませんでした。 

 

■構造■

 概ね既出の問題で構成されていたため、過去問学習で高得点を獲得することができた内容といえます。ただし、一部に高難度の新規問題も見られました。

 

●力学6問は、過去問で十分に対応できる、全般的に易しい問題であったといえます。

●中盤の№14.16.17は、いずれも難易度が高い問題でした。ここに時間を掛けず、後半の問題を解くことができれば、高得点を目指すことができる内容になっていました。

 

■施工■

 近年の傾向どおり、施工は新規問題の割合が多く、難しい問題であったということができます。

 

●新規問題の7問(2.11.15.19.20.21.24)はいずれも難易度が高く、過去問学習では枝を絞り込むことが難しかったようです。

●№3の技術者の配置に関する問題は、まさに合否を分けるレベルといえます。このレベルの問題を得点することが合格に直結します。

●上記の7問以外は過去問学習で手堅く得点できた問題のため、ここで数問取りこぼすと合格は難しいといえるでしょう。

■合格推定点■

さて、TACの合格推定点を公表いたします。


TAC合格推定点  90点以上

TAC各科目基準点 計画、環境・設備各11点以上、法規16点以上、構造16点以上、施工13点以上

※施工の基準点は1点引き下げられる可能性があります。


この推定点はTACが独自に算出したものです。実際の合格点と異なる場合がありますことをあらかじめご了承ください。なお、試験実施機関による正式な合格発表は9月5日(火曜日)が予定されています。

 

さて、いよいよ次は設計製図試験です

最終合格に向けて一緒に頑張りましょう
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【お知らせ】
◆一級建築士 設計製図試験対策
 「課題の概要説明会」を下記のとおり開催いたします。
7/27(木)19時~ TAC渋谷校
7/29(土)11時~ TAC横浜校
7/30(日)14時~ TAC札幌校、新宿校、池袋校、八重洲校、町田校、名古屋校、梅田校
予約不要、参加無料です。
参加者にはTACオリジナルプランを進呈するほか、10,000円の入会金免除券をプレゼントします。
なお、ご都合がつかない方に向けて、7/31(月)よりTAC動画チャンネルでも配信を予定していますので、こちらもご覧ください。

一級建築士 奨学生試験
2018年 一級、二級学科試験をぇ指す方に向けて、TACは今年も奨学生試験を実施いたします。成績上位者は対象コースの受講料が80%OFFになります! 
  日時 8月2日(水)19時~20時10分
 場所 TAC新宿校・TAC梅田校
    予約不要・参加無料です。奮ってご参加ください!


ほんだこんにちは、ホンダです。

受験生の皆様、大変お疲れさまでした。
平成29年の一級建築士学科試験の解答速報第2弾 全125問を実施します。

計画と施工は難、環境・設備と法規は易、構造は普通という印象です。
では、推定正解番号をご覧ください。

計画

№01  №02  №03  №04  №05 

№06  №07  №08  №09  №10 

№11  №12  №13  №14  №15 

№16  №17  №18  №19  №20 

環境・設備
№01  №02  №03  №04  №05 

№06  №07  №08  №09  №10 

№11  №12  №13  №14  №15 

№16  №17  №18  №19  №20 

法規
№01  №02  №03  №04  №05 

№06  №07  №08  №09  №10 

№11  №12  №13  №14  №15 

№16  №17  №18  №19  №20 

№21
  №22  №23  №24  №25 

№26
  №27  №28  №29  №30 

構造
№01  №02  №03  №04  №05 

№06  №07  №08  №09  №10 

№11  №12  №13  №14  №15 

№16 
 №17
  №18  №19  №20 

№21
  №22  №23  №24  №25 

№26
  №27  №28  №29  №30 

施工
№01  №02  №03  №04  №05 

№06  №07  №08  №09  №10 

№11  №12  №13  №14  №15 

№16  №17  №18  №19  №20 

№21
  №22  №23  №24  №25 


※ 計画の№1の解答を2に修正しています(18時31分)。

 ※この推定正解番号は、TACが独自に公表しているもので、試験実施機関とは何ら関係ありません。また、複製・転載等は固く禁じます(推定正解番号は、変更等をする場合がありますことを予めご了承ください)。

合格推定点と講評は、明日の13時ごろに公表いたします。
皆様の合格を心よりお祈りしています。

本日は、大変お疲れさまでした。

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【お知らせ】
◆一級建築士 設計製図試験対策
 「課題の概要説明会」を下記のとおり開催いたします。
7/27(木)19時~ TAC渋谷校
7/29(土)11時~ TAC横浜校
7/30(日)14時~ TAC札幌校、新宿校、池袋校、八重洲校、町田校、名古屋校、梅田校
予約不要、参加無料です。
参加者にはTACオリジナルプランを進呈するほか、10,000円の入会金免除券をプレゼントします。
なお、ご都合がつかない方に向けて、7/31(月)よりTAC動画チャンネルでも配信を予定していますので、こちらもご覧ください。

一級建築士 奨学生試験
2018年 一級、二級学科試験をぇ指す方に向けて、TACは今年も奨学生試験を実施いたします。成績上位者は対象コースの受講料が80%OFFになります! 
  日時 8月2日(水)19時~20時10分
 場所 TAC新宿校・TAC梅田校
    予約不要・参加無料です。奮ってご参加ください!

かんべこんにちは、カンベです。

 今年度の一級の設計製図課題は、「小規模なリゾートホテル」と発表されました。
 複合施設以外のホテルの出題は、平成3年の「シティホテル」、昭和63年の「リゾートホテル」以来です。昭和63年は、地上3階建て、延べ面積が約3,000㎡の計画でしたが、敷地が大きく作図が1階及び2階平面図(3階省略)だけでしたので、今年度はそれよりも小規模な2、000㎡~3、000㎡の規模と考えられます。
 また、昨年及び一昨年同様、平面図が三面出題されました。平成21年から6年間出題されていた「梁伏図」の出題がありません。答案用紙のスペースから、敷地面積は、東西45m~52m、南北35m~40m程度と考えられます。

課題の特色について、いくつかのテーマに分けて、分析してみます。
1.「リゾートホテル」とは。立地条件は。
 リゾートは行楽地全般を指し、リゾートホテルの大多数は、風光明媚で、余暇活動を楽しめる海岸・高原・山間などの景勝地に立地しています。 今年度の課題は、小規模であるが長期滞在が可能で、高齢者・障害者等の利用にも配慮した施設となることが予想されます。建築士試験では、良好な景観を活用した計画を要求するのが一般的で、今年度も、宿泊室や浴室及びレストラン・ラウンジなどの共用諸室は、できるだけ眺望に配慮した配置計画が求められます。また、環境と景観配慮の観点から、屋根は、勾配屋根となる可能性が高いと思われます。したがって、屋内又は敷地内の設備スペースの計画が限定されます。
 リゾートホテルの宿泊部門の延べ面積に対する比(収益部分の比)は、一般的に45~50%といわれており、建築士試験の限られた延べ面積の中で、どのように効率よく宿泊室を配置するかが、試験のポイントになると思われます。
 出題の背景としては、外国人旅行者の宿泊施設として、都市部でのホテル建設が進んでいますが、さらにリゾート地への観光客誘致がこれからの課題であり、「統合型リゾート施設」の法制化も検討されています。一方、日本人の国内宿泊旅行者数が低迷しており、従来からの家族旅行に加え、新たな顧客層の開拓のため、小グループ旅行や企業研修のほか、定年後のシニア世代などを対象とした長期滞在型のリゾートホテルも求められています。

2.斜面地を考慮した建築物の計画と地下1階平面図の要求から
 過去に「斜面地に建つ建築物」の出題例は平成8年の「景勝地に建つ研修所」があります。北側前面道路から10mが平坦で、敷地の中央付近が、水平距離25mで高低差4mという南下がりの傾斜地になっていました。高低差4mは、一般的な断面計画では1層分の階高に相当し、地下1 階・地上2階建ての建築物の地階部分の階高をこれに合わせるのが適切でした。つまり、地面に接地する階が2層あり、常識的な計画をすれば最下階は、天井高さの1/3以上は地面に埋まった計画となります。今年度は、建築物が何階建てなのかは明示されていませんが、要求図面が地下1階平面図、1階平面図、2階平面図となっていることから、この課題に近い敷地条件が設定されるものと思われます。
 なお、平成12年「世代間の交流ができるコミュニティ施設」では、水平距離40mで高低差1.5mという緩勾配の斜面地の条件でしたが、このような構成では、通常は地階にならないので、今年度の課題には該当しないと考えられます。
 また、建築物内部の1階の床に段差を設けて、階段やスロープで動線処理をする解答が一般的でしたが、どのような場合にも、施設内の床に段差を設けることは、バリアフリーの原則に相反するため、避けるのが賢明です。

3.「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に規定する特別特定建築物の計画
 バリアフリー法により、ホテルは特別特定建築物に指定されており、床面積の合計が面積が2,000㎡以上のものは「建築物移動等円滑化基準」に適合させなければなりません。また、建築士試験では、この最低基準を順守するに留まらず、さらに上位の「建築物移動等円滑化誘導基準」をも満たす計画が望ましいと考えられており、共用スペースだけでなく、客室のプランにも十分なゆとりのある計画が求められます。さらに、バリアフリーに関するガイドラインとして、「高齢者等の円滑な移動に配慮した建築設計標準」が平成29年に改正され、東京オリンピックを契機とした国際的な取り組みとして、一層のバリアフリー化が求められ、ホテルの車いす使用者用の客室の整備促進が望まれています。したがって、車いす使用者に配慮した客室の要求は考えておくべきです。

4. パッシブデザインを積極的に取り入れた建築物の計画
 昨年度の課題発表でも同様の注記がありました。パッシブデザインとは、「地域の気候風土に合わせた建物自体のデザインで、熱や光や空気などの流れを制御して、地球環境への負荷を極力すくなくするとともに、快適な室内環境を得る設計手法」と定義され、その不足分を機械的な手法(建築設備)で補うことです。したがって、自然採光、自然通風を十分に活用し、建築物の断熱性を向上し、開口部等の日射遮蔽に留意することがテーマの1つになります。
 昨年の問題文の主文では、「環境負荷低減のため、自然エネルギーを利用し、快適な室内環境が得られるような設計手法(パッシブデザイン)を積極的に取り入れるものとする」とし、設備計画について、「太陽熱、地中熱、井水、植栽等を利用するなどし、環境負荷低減に配慮する」ことや、「自然採光及び自然換気を積極的に取り入れる計画とするとともに、日射の遮蔽にも配慮する」という要求が示され、「計画の要点等」で、具体的に行った計画内容の説明が求められました。 
 したがって、今年度も、暖房・給湯への太陽熱利用、基礎ピットを利用したヒートチューブ・クールチューブ(アースチューブ)による暖冷房、井水利用、植栽、自然採光・自然換気 、日射遮蔽について、計画や記述に必要な知識を準備しておかなければなりません。

5.車両動線(車回し、車寄せ等)を考慮した外部空間の計画
 ホテルのアプローチには、送迎車両が1方向に進行して通り抜けられる「車回し」や、屋根・庇の付いた乗降スペースである「車寄せ」を設けるのが一般的です。ただし、建築士試験では、敷地の大きさが限定されるため、アプローチ部分に余裕のあるスペースを割り当てることのむずかしい場合が多いので、歩行者の安全を確保したコンパクトな計画が求められます。

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