TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

井澤ですいざわ

[テーマ問題] (景観法)
■問題1(法規R06-30)
景観計画区域内において、建築物の外観を変更することとなる模様替をしようとする者は、原則として、あらかじめ、行為の種類、場所、設計又は施行方法等について、景観行政団体の長に届け出なければならない。
■問題2(法規H30-27)
景観地区内において建築物の建築等をしようとする者は、原則として、あらかじめ、その計画が、所定の規定に適合するものであることについて、市町村長の認定を受けなければならない。


景観計画区域は、物理的な範囲が広く、包括的で届出・勧告による緩やかな規制誘導がなされます。
景観地区は、物理的な範囲が狭く、積極的で強制力のある規制誘導がなされます。
・それらのイメージを次の国交省のホームページのイメージ図で確認しましょう。

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[比較暗記法]  景観法「景観計画区域・景観地区」
景観計画区域
景観行政団体(都道府県など)の長に届出(景観法16条1項)
景観地区
市町村長の認定が必要(景観法63条1項)
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・TAC法令集では、上記の内容がすぐに確認できるように、景観法16条には「届出」、同法63条には「認定」のインデックスシールを付けています。フル活用してください。

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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。景観法16条1項一号。
■問題2 正。景観法63条1項。






井澤ですいざわ
受験テクニックが満載です!

[テーマ問題] (耐震改修法)
■問題1(法規R01-27)
要安全確認計画記載建築物の所有者は、当該建築物について耐震診断の結果、地震に対する安全性の向上を図る必要があると認められるときは、耐震改修を行うよう努めなければならない。
■問題2(法規H28-27)
都道府県耐震改修促進計画に記載された建築物集合地域通過道路等に敷地が接する通行障害既存耐震不適格建築物の所有者は、所定の期限までに耐震改修を行わなければならない。
■問題3(法規H28-27)
床面積の合計が3,000㎡、地上3階建ての賃貸住宅(共同住宅に限る。)で既存耐震不適格建築物(要安全確認計画記載建築物でないもの)の所有者は、当該建築物について耐震診断を行い、その結果、地震に対する安全性の向上を図る必要があると認められるときは、耐震改修を行うよう努めなければならない。


はじめに、どの法律にも共通する内容として、「義務」と「努力義務」では条文の表現が違います。誤肢の定番ですので注意深く設問を確認しましょう。
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[比較暗記法]  「義務と努力義務」
義務:「行わなければならない
努力義務:「行うよう努めなければならない
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次に、耐震改修法の最重要ポイントを比較整理しましょう。
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[比較暗記法]  耐震改修法「耐震診断・耐震改修と義務・努力義務」 

 

耐震診断

耐震改修

要安全確認計画記載建築物

義務

(耐震改修法7条)

努力義務

(耐震改修法11)

特定既存耐震不適格建築物

努力義務

(耐震改修法14)

既存耐震不適格建築物

努力義務

(耐震改修法16)

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いかなる場合も耐震改修は「努力義務」です。
・耐震改修の工事には億単位の金額が必要になったりしますので、それを義務化することはできません。
義務なのは、要安全確認計画記載建築物の「耐震診断」のみです。
・耐震改修法9条により耐震診断の報告の内容が公表されることで、耐震性に問題がある場合には、反強制的に耐震改修が促される仕組みです。

<要安全確認計画記載建築物とは>
・要安全確認計画記載建築物とは、「安全確認」が必「」であり、耐震改修法5条の都道府県耐震改修促進「計画」等に耐震診断の報告期限が「記載」された「建築物」という意味です。
リトリーバル(自分の頭だけを使って思い出し、繰り返す、最強の暗記法)で10回ほど口に出すのを繰り返せば、つっかえずに言えるようになります。
これから一級建築士になって顧客等から信頼を勝ち得ようと思っている方が「要安全なんちゃら建築物」なんて言っていてはいけません!

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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。耐震改修法11条。耐震改修は努力義務です。
■問題2 誤。設問の前半の内容が分からなかったとしても、いかなる場合も「耐震改修」は努力義務ですから「耐震改修を行わなければならない」という設問は誤りです。
設問の前半について、耐震改修法7条二号により「その敷地が第5条第3項第二号の規定により都道府県耐震改修促進計画に記載された道路(設問の「建築物集合地域通過道路等」)に接する通行障害既存耐震不適格建築物」は「要安全確認計画記載建築物」です。
■問題3 正。設問の建築物が「特定既存耐震不適格建築物」に該当すれば耐震改修法14条を見て、該当しなければ同法16条を見るのが正攻法ですが、受験テクニックとしては「耐震改修」はいかなる場合も努力義務なので、文末の「耐震改修を行うよう努めなければならない」という部分だけを見て「正しい」と理解してよいです。
・一応確認しておくと、耐震改修法14条一号及び同法令6条1項七号、同条2項三号により、階数3以上及び床面積の合計1,000㎡以上の賃貸住宅(共同住宅に限る。)は、「特定既存耐震不適格建築物」に該当します。
・耐震改修法14条本文かっこ書で「要安全確認計画記載建築物であるものを除く。」となっているのは努力義務がないという意味ではなく、7条、11条に別に定められているからという意味です。





井澤ですいざわ
バリアフリー法の中で最も差が付く論点です。
ぼーっとしていると誤りに気が付きません。

[テーマ問題] (バリアフリー法)
■問題1(法規H25-30)
既存の建築物で不特定かつ多数の者が利用する建築物の所有者は、階段のけあげ及び踏面を所定の基準に適合する寸法とするよう努めなければならない。
■問題2(法規H25-26)
床面積の合計が2,000㎡の図書館に設ける階段のうち、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用するものは、踊場を除き、手すりを設けなければならない。
■問題3(オリジナル)
床面積の合計が2,000㎡の図書館における移動等円滑化経路上には、傾斜路又はエレベーターその他の昇降機を併設する場合を除き、階段又は段を設けてはならない。
■問題4(法規R05-26)
「建築物移動等円滑化誘導基準」においては、多数の者が利用する主たる階段は、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、回り階段とすることができる。

バリアフリー法には、大きく3つの数値基準があります。
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[比較暗記法]  バリアフリー法「3つの数値基準」

①建築物移動等円滑化基準

バリアフリー法14条1項に基づき同法令10条から25条までに規定。
2,000㎡以上の特別特定建築物に適合義務、それ以外の特定建築物に努力義務が課される。

【例】階段の「円滑化基準」は同法令12条に規定。
「主たる階段は、回り階段でないこと。ただし、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、この限りでない。」(同法令12条六号)
【注意】ただし書があるところが下記③の【例】とは異なります。

移動等円滑化経路の基準

上記①の基準のうちの一つで、同法令19条に規定。
同法令19条1項各号に定める経路のうち1以上に適合義務又は努力義務が課される。
つまり、最低1の経路は②の基準、それ以外の経路は①の基準でよい。

【例】階段の「移動等円滑化経路の基準」は同法令19条2項一号に規定。
「当該移動等円滑化経路上に階段又は段を設けないこと。ただし、傾斜路又はエレベーターその他の昇降機を併設する場合は、この限りでない。」

③建築物移動等円滑化誘導基準

この基準は〔No.32〕(バリアフリー法と耐震改修法の「認定の申請」)で説明した「認定」を受けるための基準。
バリアフリー法17条3項一号に基づき「建築物移動等円滑化誘導基準を定める省令(※)」に規定。

【例】階段の「誘導基準」は「建築物移動等円滑化誘導基準を定める省令」4条に規定。
「主たる階段は、回り階段でないこと。」(同省令4条九号)
【注意】上記①の【例】のただし書(ただし、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、この限りでない。)がありません。
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※正式名称は「高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために誘導すべき建築物特定施設の構造及び配置に関する基準を定める省令」(H18国土交通省令114号)

<③の「誘導基準」について>
認定は自主的に申請するものであり、認定を受けるための基準である「誘導基準」は、義務でも努力義務でもありません
したがって、「誘導基準」は試験問題として出題しにくく、近年12年までさかのぼってもテーマ問題4しか出題されていません。

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[テーマ問題の解答]
■問題1 誤。設問の建築物は用途が不明であり、特定建築物又は特別特定建築物に該当するか不明ですが、適合義務又は努力義務の対象となる「円滑化基準」には階段のけあげ及び踏面の規定はないので誤りです。なお、階段のけあげ及び踏面の規定は、誘導基準を定める省令」4条に定められており、この基準は法17条3項一号に基づく認定を受けるための基準であり、義務でも努力義務でもありません。
■問題2 正。バリアフリー法令12条一号。
■問題3 正。バリアフリー法令19条2項一号。
■問題4 誤。バリアフリー法17条3項一号及び建築物移動等円滑化誘導基準を定める省令4条九号により、「誘導基準」では、多数の者が利用する主たる階段は、回り階段とすることはできません。なお、「円滑化基準」では、同法令12条六号ただし書により、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、回り階段とすることができます。





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