いざわこんばんは、井澤です。

平成26年 1級建築士学科試験 総評です。

 

はじめに、受験された皆様、本当にお疲れ様でした。

持っている力を存分に発揮することができたでしょうか。

 
1.今年の試験は易しかったか、難しかったか 

今年の試験の難易度は、計画はほぼ例年どおりでした。環境・設備は非常に易しく、法規、構造も昨年に比べ、易しかったといえます。施工は例年に比べてやや難しい出題でした。全体的には例年に比べてやや易しいといえます。

 

合格基準点は、各科目は過半の得点、総得点は概ね90点が原則とされています。しかし、平成21年からの新試験制度においては、科目基準点は補正されていないものの、総得点は毎年補正されていますので、今年も総得点が引き上げられる可能性があります。 

内容的には、近年は過去の出題の記述そのままではなく、内容的に一歩踏み込んだ出題や、表現を変えた出題が多く見受けられる傾向にあったのですが、今年については、過去の出題で十分に対応できる問題が多く、特に解答枝が頻出ポイントで容易にわかるという問題が多かったといえます。「努力した人が報われる」という、資格試験のあるべき姿に近づいた感じを受けます。
 

科目別に見ると、

■計画:昨年同様、新規テーマも数多く見られましたが、解答枝は容易にわかるという問題が多かったようです。No.3では、藤井厚二による「日本の住宅」、槇文彦による「見えがくれする都市」、芦原義信による「街並みの美学」、クリスチャン・ノルベルグ・シュルツによる「実存・空間・建築」などの著書、No.10では、ニューアーバニズム、フリンジパーキングなど都市計画及びまちづくりの手法、No.12では、りえんと多摩平、求道学舎などの実例が新しく出題され、解けない受験生も多かったと思われます。No.7は昨年の応用で、「ソシオフーガル」⇔「ソシオペタル=親近性」から判断することができました。

■環境・設備:非常に易しい出題でした。総得点の平均にもよりますが、科目基準点が上がる可能性もあります。特に環境工学は新規テーマがほとんどなく、過去問の理解で18点は取れる問題でした。しかも、過去問の中でも易しいものからの出題が多かったといえるでしょう。

■法規:近年の中では、比較的易しい出題でした。建築基準法は、長文で難解な出題もなかったため、高得点を取られた方も多かったと予想されます。関係法令は例年と同様に10問出題されました。建築士法からは、建築基準法融合を含め4問、その他は、都市計画法、消防法、バリアフリー法、耐震改修法、省エネ法、融合問題からの順当な出題構成で、内容も基準法同様、昨年のような細部からの出題もなかったため、全体的な得点は上がるものと思われます。

■構造:近年の中では、比較的易しい出題でした。力学計算の中では、No.4の山形ラーメンの問題は、解答枝は消去法で見つけられる内容でした。No.7の固有周期の問題は、質量、曲げ剛性、柱の高さの3要素が同時に変化するという点で難しい問題でした。記述問題では新しいテーマがほとんど見受けられず、過去問題をしっかり理解していれば得点できる問題が多かったといえます。近年の傾向として顕著なのは、靭性確保、塑性変形能力の向上に関する出題が非常に多いことで、No.11No.12No.15No.16No.17No.19No.20No.24No.25など、ほとんどの問題に関わる最重要テーマとなっています。

■施工:例年に比べてやや難しい出題でした。新しいテーマは少ないものの、過去問をしっかり理解していないと判断できない問題が多く、得点しにくかったと思われます。逆を言えば、材料や工法の特徴を理解していれば解ける問題もあり、この部分で差が出たと思われます。また、№4届出、№8鉄筋工事、№15木工事などは新規問題が解答枝となっており、得点が難しかったと思われます。

 
2.今年の試験は何が変わったか

今年出題された主な新しいテーマとして次のようなものが挙げられます。 

主な新規問題のテーマ

今年の試験では、次のような新しいテーマの問題が出題されました。

■計画:藤井厚二、日本の住宅、見えがくれする都市、芦原義信、クリスチャン・ノルベルグ・シュルツ、実存・空間・建築、ニューアーバニズム、フリンジパーキング、りえんと多摩平、求道学舎

■環境・設備:平衡含湿率、送風機の羽根車の回転数と軸動力の関係、全熱交換器と外気冷房、耐震ストッパ

■法規:昨年末に改正された耐震改修法からの出題がありました。特に新しいテーマはないものの、時間との勝負という点で法規は最重要科目と言っても過言ではありません。

■構造:山形ラーメンの崩壊機構、ボーリング調査の箇所数、孔内水平載荷試験の対象深さ、応答変位法

■施工:宅地造成に関する工事の許可申請書、サンドコンパクションパイル工法、機械式継手のカップラー、高炉セメントC種、鉄骨製作工場のグレード、Nくぎ・FNくぎ、JASの防虫処理、帯電防止、泡消火設備格納箱、

3.製図試験対策

学科試験合格見込みの方は、さっそく設計製図対策をはじめましょう! 

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4.来年の学科試験対策

① 構造力学と法規の克服

特に苦手とする方が多い「構造力学」と「法規」については、早い段階で基礎を理解しておくことが大事です。また、今年残念な結果だった方は、試験後、あまりブランクを設けずに学習を継続することが大事です。

② 最新の出題傾向に対応した学習

TACでは、最新の出題傾向に対応し、特に次の内容を充実させた教材を作成しています。イラストを豊富に用いながら試験の出題ポイントをわかりやすく講義していきます。

■計画:建築史、実例建築物は写真を豊富に掲載しています。

■環境・設備:省エネルギー

■法規:建築士法、関係法令の充実

■構造:耐震設計、技術の進歩・高度化

■施工:廃棄物の処理・改修工事

③ 法改正への対応

法令の改正等についての最新の情報にも注意が必要です。

例えば、建築基準法の天井脱落防止措置、エレベーター・エスカレーターの落下防止措置の義務化や、建設業法の人材育成義務、消防法の統括防火管理者などが要注意です。
 

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以 上