今回から計画の最後として積算を扱います。
■問題1 山留め壁(地中連続壁)における鉄筋の所要数量を求める場合、設計数量に3%の割増をすることを標準とする。
(一級計画:平成16年No.23)
■問題2 鉄骨材料のうち鋼板(切板)の所要数量は、設計数量に3%の割増をすることを標準とする。
(一級計画:平成17年No.22)
■問題3 鉄骨材料のうち、アンカーボルト類の所要数量については、その設計数量の割増しを行わないことを標準とする。
(一級計画:平成19年No.23)
■問題4 デッキプレートの数量は、設計図書により計測・計算する。
(一級計画:平成21年No.19改)
「所要数量」とは、鉄筋、鉄骨、木材等の数量のように、市場に出回っている規格寸法があって、それを切って使うものの数量を数えるときに使う、切り無駄を含んだ数量です。切り無駄が割増率になります。
所要数量について、次の表の数値を必ず覚えてください。
鉄筋、鋼材、ボルトの3つに分けたとき、図中の赤で囲んだほうが「原則」の数値、そうでないほうが「例外」の数値です。
(1)まずは「原則」から
・「原則」は4%か、5%です。
・5%なのは、形鋼(H形鋼など)、鋼管などの3次元部材です。
・棒状の2次元部材(鉄筋、ボルト)に比べて切り無駄が多いイメージがしませんか?
(2)次は「例外」について
・鉄筋と鋼材の「例外」のほうは、どちらも3%です。
・鉄筋では、山留め壁(地中連続壁)、杭に用いる鉄筋は長いものをそのまま切らずに使えることが多いので、切り無駄が少なくなります。
・鋼材では、広幅平鋼、鋼板(切板)のように幅の広いものは、鉄骨工事専門業者が設計寸法に合わせた切板材として購入することが多く、切り無駄が少なくなります。
・ボルトでは、アンカーボルトは、ボルト、ナット、座金のセットを1本単位で購入することが多いため、ロスが生じないと考えられます。したがって、割増率はゼロ。
以上のように考えれば完璧に覚えられますよね。
このように必ず出題されると分かっている数値をしっかりと覚えた人が合格します!
(3)デッキプレートは「設計数量」とする
・デッキプレートの数量は、平成29年以前は「所要数量5%割増し」だったのですが、「建築数量積算基準」が改定され、「デッキプレートの数量は、設計図書により計測・計算する。」すなわち、「設計数量」とすることになりました。
・デッキプレートには切り無駄等が生じるわけですが、それは単価のほうで調整することになりました。
―――――――――――――――――――――――
■解答
問題1、2、3ともに正。
いずれも「例外」のほうの数値です。
問題4も正です。
コメント