井澤ですいざわ

■問題1
木材の繊維方向の短期許容応力度は、積雪時の構造計算以外の場合、基準強度の2/3である。(一級構造:平成22No.27
■問題2
コンクリートの設計基準強度とは、構造計算において基準とするコンクリートの圧縮強度のことである。(一級構造:平成19No.24

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■解答
問題1、2ともに正
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基準強度とは何か?
設計基準強度とは何か?
答えられますか?
試験勉強は、すべからく用語の理解に始まり、用語の理解に終わるものです。

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■基準強度
「基準強度」とは、許容応力度を定めるための基準となる強度です。
許容応力度には、長期許容応力度と短期許容応力度があり、さらに、それぞれに圧縮、引張、曲げ、せん断など、たくさんあります。
それらを一つずつバラバラに決めなくても、基準となる強度を一つ定めて「基準強度」と呼び、それぞれの許容応力度はその何倍か、で表します。
例えば、鋼材の長期許容圧縮応力度は、基準強度の2/3、木材の繊維方向の短期許容応力度は、積雪時の構造計算以外の場合、基準強度の2/3などと決められます。
建築基準法施行令90条の「鋼材等の許容応力度」を見てください。この表に出てくるFが基準強度です。

■設計基準強度
コンクリートの場合に限って「基準強度」ではなく「設計基準強度」と呼びます。
コンクリートだけが特別な理由は、鋼材などと違ってコンクリートは調合によって強度が変わるからです。
設計基準強度とは「構造設計において基準とするコンクリートの圧縮強度」です。
わかりやすく言えば、コンクリートを何N/㎟の強度と考えて構造設計をしたか、という値です。
そもそも、構造設計者は、法令に反しなければ、24/㎟として構造設計しても、27/㎟として構造設計しても良いのです。その代わり、施工時、その強度が確保されるようにコンクリートの調合をしなければなりません。
つまり、先に設計基準強度を決めて構造設計し、施工時にその強度を確保するのです。
「基準強度」と同様に、設計基準強度を一つ定めて、それぞれの許容応力度はその何倍か、で表します。
例えば、コンクリートの長期許容圧縮応力度は、設計基準強度の1/3などと決められます。
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