井澤ですいざわ

■問題1
初期凍害のおそれのある寒中コンクリートにおいては、AE剤、AE減水剤又は高性能AE減水剤を使用し、空気量を3%以下とする。(一級施工:平成18No.10
■問題2
プレキャスト部材に用いるコンクリートの空気量については、特記がなく、凍結融解作用を受けるおそれがなかったので、3%以下とした。(一級施工:平成21No.12
■問題3
プレキャスト部材に用いるコンクリートの空気量については、特記がなく、凍結融解作用を受けるおそれがあるので、目標値を3.0%とした。(一級施工:平成26No.12

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■解答
 問題1 誤。標準4.5%よりも増やし、4.55.5%とする。
 問題2 正。
 問題3 誤。凍害のおそれのあるプレキャストコンクリートは、4.5%を目標値とする。
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はじめに、凍害(凍結融解作用)とは、建築材料中の水分の凍結に伴う体積膨張によって表面剥離などの被害が生じる現象です。

―――――――――考え方――――――――――
凍害(凍結融解作用)のおそれのある場合
凍結融解によるコンクリート中の水分の体積変化を吸収するため、空気量を増やす
プレキャストコンクリート
加熱養生時に空気の熱膨張によるひび割れを少なくするため、空気量を減らす

―――――――ポイント:空気量
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■一般の現場打ちコンクリート
① 空気量は4.5%が標準
② 凍害のおそれのある場合は、AE剤等を使用し、空気量を4.5~5.5%とする(寒中コンクリートの条件)。
■プレキャストコンクリート
① 凍害のおそれのないプレキャストコンクリートは、3.0%以下を目標値とする。
② 凍害のおそれのあるプレキャストコンクリートは、4.5%を目標値とする。

air content

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上記ポイントの最後の「凍害のおそれのあるプレキャストコンクリート」を例に考え方を説明すると、標準4.5%に対して、プレキャストなので空気量を減らし、凍害のおそれがあるので空気量を増やし、ということで最終的に元に戻って4.5%となるのです。