井澤です
■問題1
建方作業において、高力ボルト継手の仮ボルトについては、中ボルトを用い、ボルト一群に対して1/3程度、かつ、2本以上とし、ウェブとフランジにバランスよく配置して締め付けた。(一級施工:平成17年No.13)
■問題2
建方作業における混用接合の仮ボルトについては、中ボルトを用い、ボルト一群に対して1/2程度、かつ、2本以上をバランスよく配置して締め付けた。(一級施工:平成20年No.13)
■問題3
鉄骨の建方に当たって、柱の溶接継手におけるエレクションピースに使用する仮ボルトについては、高力ボルトを使用して、全数締め付ける計画とした。(一級施工:平成18年No.1)
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■解答
問題1、2、3ともに正。
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仮ボルトは、高力ボルトの本締め前に仮止めするボルトです。
建入れ直し(精度調整)でねじ山が痛みますので、本締めの際は本締め用の高力ボルトに交換します。
――――ポイント:仮ボルトの締付け本数―――
継手の種類 |
仮ボルトの種類 |
本数 |
高力ボルト継手 |
普通ボルト |
1/3程度かつ2本以上 |
混用接合・併用継手 |
1/2程度かつ2本以上 |
|
エレクションピース |
高力ボルト |
全数 |
この表の最大のポイントは、
高力ボルト継手では、ボルト1群に対して1/3程度、
混用接合・併用継手では、ボルト1群に対して1/2程度、
の部分です。
なぜか?
高力ボルト6本の「高力ボルト継手」と同じ力を伝えるために、「混用接合・併用継手」では溶接も用いるため高力ボルトは4本必要と考えてください。
仮ボルトは部材の回転を防ぐために最低2本は必要ですから、「高力ボルト継手」ではボルト1群6本に対して1/3程度で2本、「混用接合・併用継手」ではボルト1群4本に対して1/2程度で2本、となります。
エレクションピースは、最初の目的からして溶接前の仮止めですので、最初から高力ボルトを全数締め付けます。なお、溶接後は切断して取り除きます。
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混用接合(混用継手)と併用継手の違いを正確に覚える必要はありませんが、以下、参考までに。
■混用接合(混用継手)
柱梁接合部において、ウェブを高力ボルト接合、フランジを溶接接合とするなど、異なる接合面に異なる接合方法を用いる接合(継手)を混用接合(混用継手)という。
■併用継手
高力ボルト接合のスプライスプレート(添え板)の周囲を隅肉溶接するなど、一つの接合面に異なる接合方法を用いる継手を併用継手という。
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