井澤ですいざわ

今日から構造です。
「荷重・外力の組合せ」からです。
結構間違えやすい部分です。
最重要ポイントは「多雪区域で、積雪荷重を長期荷重、風圧力、地震力にどのように組み合わせるか」です。

■問題1
保有水平耐力計算に用いる荷重及び外力の組合せにおいては、地震力と風圧力が同時に作用することは想定していない。(一級構造:平成18No.8)
■問題2
多雪区域ではない地域において、暴風時又は地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせる必要はない。(一級構造:平成21No.7)
■問題3
多雪区域内において、長期積雪荷重は、短期積雪荷重の0.7倍の数値とする。(一級構造:平成21No.7)
■問題4
多雪区域においては、暴風時又は地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせる必要がある。(一級構造:平成26No.8)
■問題5
多雪区域において、暴風時に考慮すべき積雪荷重は、短期の積雪荷重を低減して用いることができる。(一級構造:平成27No.8)
■問題6
多雪区域においては、暴風時においても積雪荷重がある場合と積雪荷重がない場合とを考慮する。(一級構造:平成19No.8)
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■解答
 問題1 正。保有水平耐力計算でも許容応力度計算でも、地震力と風圧力が同時に作用することは想定していない。
 問題2 正。
 問題3 正。長期積雪荷重=0.7S。
 問題4 正。(+0.35S)している。
 問題5 正。短期の積雪荷重Sを0.35倍に低減して用いる。
 問題6 正。
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荷重・外力の組合せ

力の種類

状態

一般区域

多雪区域

長期に
生ずる力

常時

(G+P)

(G+P)

積雪時

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(G+P)0.7

短期に
生ずる力

積雪時

(G+P)+S

(G+P)+S

暴風時

(G+P)+W

(G+P)+W

(G+P)+W0.35

地震時

(G+P)+K

(G+P)+K0.35

G+P:固定荷重+積載荷重
S:積雪荷重
W:風圧力
K:地震力

一見複雑そうですが、
一般区域(=多雪区域ではない区域)は単純ですね。また、多雪区域と一般区域との違いは、赤で示した積雪荷重Sの扱いだけです。

――――ポイント:荷重・外力の組合せ――――
① 一般区域、多雪区域とも、風圧力Wと地震力Kを組み合わせない。(暴風と地震は同時に来ないと想定している)
② 一般区域では、風圧力W、地震力Kだけでなく積雪荷重Sも組み合わせない。
③ 多雪区域では、積雪荷重Sを長期荷重、風圧力W、地震力Kにどのように組み合わせるかがポイント。
 →長期荷重には0.7(短期積雪荷重の0.7倍)を加える。
 →短期の風圧力W、地震力Kには0.35を加える。
④ 多雪区域で風圧力Wを計算する場合、0.35Sを加える場合と加えない場合の両方を検討する。(風により吹上力が生じるときは0.35Sを加えない場合のほうが危険だから。)
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