井澤ですいざわ

■問題1
風圧力における平均風速の高さ方向の分布を表す係数は、一般に、「極めて平坦で障害物がない区域」より「都市化が極めて著しい区域」のほうが小さい。(一級構造:平成24No.7)
■問題2
ガスト影響係数Gfは、一般に、建築物の高さと軒の高さとの平均Hに比例して大きくなり、「都市化が極めて著しい区域」より「極めて平坦で障害物がない区域」のほうが大きくなる。(一級構造:平成18No.8)

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■解答
 問題1 正。
 問題2 誤。ガスト影響係数は、「都市化が極めて著しい区域(市街地)」のほうが大きい。
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ポイント

 

都市化が極めて著しい区域
市街地

極めて平坦で障害物がない区域
平坦地

平均風速の高さ方向の分布を表す係数r

ガスト影響係数f


風圧力は、平均風速と突風を考慮します。

(1)平均風速の高さ方向の分布を表す係数E
r
風は上空ほど強いので、それを表したものが「平均風速の高さ方向の分布を表す係数Er」です。
平均風速は、市街地か平坦地かによっても異なります。
市街地では建築物が風を遮るので、市街地のほうが、平均風速は小さくなります

(2)ガスト影響係数G
f
ガストとは「突風」すなわち「ビル風」です。
したがって、市街地のほうが、ガスト影響係数は大きくなります

(補足)
なお、風圧力について、上空ほど風が強くなるのを表したものが「平均風速の高さ方向の分布を表す係数Er」です。
地震力について、上階ほど地震力が強くなるのを表したものが「地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiです。
どちらも上のほうが大きくなります。