井澤です
■問題1
開口部を有する鉄筋コンクリート造の壁部材において、開口周比が0.4以下であるものは、開口のある耐力壁とみなす。(一級構造:平成21年No.11)
■問題2
鉄筋コンクリート構造の許容応力度計算において、開口部を設けた耐力壁について、剛性及び耐力の低減を考慮して構造計算を行った。(一級構造:平成23年No.14)
■問題3
開口部を設けた鉄筋コンクリート造の耐力壁について、開口周比r0が0.4以下であることから無開口耐力壁のせん断剛性及びせん断耐力に、開口周比r0を乗じて低減を行った。(一級構造:平成20年No.12)
■問題4
開口を有する鉄筋コンクリート造の耐力壁の耐力計算において、開口面積の影響を考慮したので、開口部の幅及び高さの影響を無視した。(一級構造:平成22年No.24改)
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■解答
■問題1 正。
■問題2 正。
■問題3 誤。無開口耐力壁のせん断剛性及びせん断耐力を低減するが、開口周比r0を乗じて低減するのではない。
■問題4 誤。せん断耐力について、開口周比により開口面積の影響を考慮するが、それだけではなく、開口部の幅及び高さも考慮する。
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開口周比r0は、(開口面積/耐力壁の面積)の平方根です。
開口周比は、開口部を設けた壁を耐力壁として扱えるかどうかの判断基準です。
―――――――――ポイント―――――――――
■開口周比が0.4以下の場合は、耐力壁として扱える。(問題1)
単純に考えれば、開口部が耐力壁の縦横0.4倍以下の小さい開口部であれば、耐力壁として扱える。
ただし、耐力壁として扱える場合であっても、開口部があることにより、無開口の耐力壁と比べてせん断剛性、せん断耐力ともに低下するので、次式の低減率により低減する。(問題2)
・せん断剛性の低減率、せん断耐力の低減率ともに、開口周比r0が影響する。
・せん断耐力の低減率は、開口周比r0、開口部の幅の比、高さの比の3つのうちの最大値(max)が影響する。(問題3、4)
■開口周比が0.4を超える場合は、耐力壁として扱えない。
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