井澤ですいざわ

■問題1
鉄骨構造の引張力を負担する筋かいの設計において、筋かいが塑性変形することにより地震のエネルギーを吸収できるように、接合部の破断強度は、軸部の降伏強度に比べて十分に大きくする。(一級構造:平成22No.16
■問題2
木製の筋かいを有する木質構造の靭性を確保するため、筋かいに座屈や引張破断が生じる前に、筋かい端部の接合部が破壊しないように設計した。(一級構造:平成14No.22

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■解答
 問題1 正。
 問題2 誤。木造と鉄骨造は逆になります。
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問題1は基本です。問題2はひっかけ問題です。平成14年当時はほとんどの人が間違えました。

これは鉄骨と木材の破壊特性の違いによります。

鉄骨造の筋かい軸部は粘り強く伸びます。その塑性変形能力に期待します。
鉄骨造の接合部の破壊は、脆性破壊になります。
したがって、鉄骨造では筋かい軸部の降伏を先行させたほうが靱性を確保できます。

一方、木造の筋かい軸部は伸びないので、塑性変形能力が期待できません。
逆に、木造の接合部の破壊は、圧縮では木材のめり込み、引張ではボルトのめり込みにより、急激に耐力が低下せず、靱性破壊になります。
したがって、木造では接合部の破壊を先行させたほうが靱性を確保できます。

――ポイント:筋かい軸部と接合部の強度――
■鉄骨造の筋かい
 筋かい軸部の降伏強度 ≦ 接合部の破断強度
(筋かい軸部は靱性破壊)(接合部は脆性破壊)
(伸びる)       (ぶちぎれる)
■木造の筋かい
 筋かい軸部の破断強度 ≧ 接合部の降伏強度
(筋かい軸部は脆性破壊)(接合部は靱性破壊)
(伸びない)      (めり込み)
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