井澤です
■問題1
建築構造用ステンレス鋼(SUS304)のヤング係数は、アルミニウム合金に比べて小さい。(一級構造:平成21年No.29)
■問題2
炭素鋼、ステンレス鋼(SUS304材)、アルミニウム合金の線膨張係数の大小関係は、炭素鋼
> ステンレス鋼 > アルミニウム合金である。(一級構造:平成24年No.29)
■問題3
アルミニウム合金のヤング係数は、鋼材の1/3程度である。(一級構造:平成20年No.25)
■問題4
アルミニウム合金の線膨張係数は、鋼の線膨張係数の約2倍であり、アルミニウム部材の取り付けに当たっては十分な逃げ代が必要である。(一級構造:平成22年No.29)
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■解答
問題1 誤。ヤング係数は、鋼材>ステンレス鋼>アルミ
問題2 誤。線膨張係数は、鋼材<ステンレス鋼<アルミ
問題3 正。
問題4 正。
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まずは、ヤング係数と線膨張係数の意味を理解しましょう。
線膨張係数は、熱膨張係数とも言います。
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イメージ |
概要 |
ヤング係数 |
力/変形 |
1のひずみ度(変形)を生じさせるのに必要な応力度(力) |
線膨張係数 |
変形/温度 |
温度が1℃上昇したときのひずみ度(変形) |
ヤング係数が大きいということは、1のひずみ度(変形)を生じさせるのに必要な応力度(力)が大きいのですから、硬いということです。
これは必ず覚えてください。
―――― ヤング係数 必殺の覚え方 ――――
ヤング係数が大きいほど硬い
『ヤング(若い)は硬い』
・・・下ネタです・・・
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鋼材が硬く、アルミが柔らかいことは常識ですね。
ステンレスは真ん中です。
したがって、ヤング係数の大小関係は、
鋼材>ステンレス鋼>アルミ となります。
また、上表の「イメージ」の中で、ヤング係数では「変形」が分母、線膨張係数では「変形」が分子になっていることから分かるように、ヤング係数と線膨張係数では大小関係が逆になります。
したがって、次のようになります。
ポイント
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大小関係 |
ヤング係数 |
鋼材>ステンレス鋼>アルミ |
線膨張係数 |
鋼材<ステンレス鋼<アルミ |
鋼材とアルミについては、その比率も覚えましょう。
ポイント
――アルミと鋼材のヤング係数・線膨張係数――
① アルミのヤング係数は、鋼材の約1/3
② アルミの線膨張係数は、鋼材の約2倍
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