井澤ですいざわ

■問題1
鉄筋コンクリート構造の柱部材の曲げ剛性の算定において、断面二次モーメントはコンクリート断面を用い、ヤング係数はコンクリートと鉄筋の平均値を用いた。(一級構造:平成21No.13
■問題2
鉄筋コンクリート構造の柱及び梁の剛性の算出において、ヤング係数の小さなコンクリートを無視し、ヤング係数の大きな鉄筋の剛性を用いた。(一級構造:平成24No.14
■問題3
鉄骨鉄筋コンクリート構造の架構応力の計算に当たって、鋼材の影響が小さかったので、コンクリートの全断面について、コンクリートのヤング係数を用いて部材剛性を評価した。(一級構造:平成23No.19

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■解答
 問題1 誤。断面二次モーメント、ヤング係数ともにコンクリートのみを用いる。
 問題2 誤。問題1の類題。ヤング係数は鉄筋のほうが大きいが、断面二次モーメントが非常に小さな鉄筋を無視し、断面二次モーメントの大きなコンクリートの剛性を用いる。
 問題3 正。
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――ポイント:RC造・SRC造の剛性評価――
剛性は、RC造でも、SRC造でも、コンクリートだけで評価する。
つまり、鉄筋、鉄骨を無視して、コンクリートの(ヤング係数×断面二次モーメント)で求める。
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1.そもそも剛性評価とは?
そもそも剛性評価は、部材に生じる応力を求めるために行います。
曲げモーメントは、節点に集まる部材の剛比(=剛度の比≒剛性の比)に応じて分配されます。(分配モーメント)
硬い部材には大きな力が分配されるのです。

2.剛性とは
剛性とは硬さです。
剛性には、軸方向剛性、せん断剛性、曲げ剛性などがありますが、応力計算上、特に重要なのが曲げ剛性です。
曲げ剛性はEI(ヤング係数×断面二次モーメント)です。
・ヤング係数は、材料で決まる硬さです。「ヤングは硬い」(No.342参照)
・断面二次モーメントは、形で決まる硬さ(曲げ変形のしにくさ)です。

3.剛性は、RC造でも、SRC造でも、コンクリートだけで評価する。
①RC造
鉄筋のヤング係数は、2.05×(10の5乗)で、コンクリートのヤング係数の約10倍ですが、コンクリートに比べて断面積が非常に小さく、それにより断面二次モーメントIが非常に小さいので、鉄筋を無視し、コンクリートの(ヤング係数×断面二次モーメント)だけで評価します(=剛比を求めます)。
②SRC造
鉄骨の断面は比較的大きいですが、柱・梁の架構全体について、鉄骨がほぼ均等に入っているので、剛比に与える鉄骨の影響は小さいことから、コンクリートの(ヤング係数×断面二次モーメント)だけで評価します(=剛比を求めます)。