井澤ですいざわ

■問題1
降伏比の小さい鋼材を用いた鉄骨部材は、一般に、塑性変形能力が小さい。(一級構造:平成26年No.29
■問題2
鉄骨構造のラーメン構造において、靱性を高めるために、塑性化が予想される柱又は梁については、幅厚比の大きい部材を用いる。(一級構造:平成25年No.16
■問題3
有効細長比λが小さい筋かい(λ=20程度)は、有効細長比λが中程度の筋かい(λ=80程度)に比べて変形性能が高い。(一級構造:平成22年No.16

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■解答
 問題1 誤。
 問題2 誤。
 問題3 正。
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さっそくポイントを確認しましょう。

―――――――――ポイント―――――――――
鉄骨構造で出てくる次の3つの「比」は、
すべて小さいほど塑性変形能力が高い。
降伏比
幅厚比
細長比
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3つの「比」を覚える語呂合わせ
「幸   福  は細く長く」
 降伏比 幅厚比 細長比
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それでは、それぞれ少しだけ詳しく説明しましょう。

■降伏比
降伏比(降伏強度/引張強度)が小さいほど、降伏してから最大強度(=引張強度)までの余裕があり、塑性変形能力が大きくなります。
■幅厚比
幅厚比(幅/厚)が小さいほど、薄っぺらくなくなり(ピンと来なかったら絵を描いて!)、局部座屈が生じにくくなり、塑性変形能力が大きくなります。
■細長比
細長比(座屈長さ/断面二次半径)は、文字通り、細長さを表すので、細長比が小さいほど、細長くなくなります。すると、座屈が生じにくくなり、塑性変形能力が大きくなります。(座屈は抵抗力が急激に低減します。
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塑性変形能力についても確認しておきましょう。
―――――――――ポイント―――――――――
「靱性が高い」=「粘り強い」=「塑性変形能力が高い」=「変形能力が高い」
すべて、同じ意味です。
すべて、降伏後に抵抗力が急激に低減することなく、塑性域でも変形し続ける能力が高い、という意味です。
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ついでに次のことも確認しておきましょう。
―――――――――ポイント―――――――――
一般に、AB比と言えば、A/Bです。
・幅厚比は、幅/厚
・径厚比は、径/厚(鋼管の場合)
・水セメント比は、水/セメント(質量比)
・セメント水比は、セメント/水(質量比)
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