ほんだこんにちは、ホンダです。

昨日の本試験、大変お疲れさまでした。
さっそくですが、お約束の講評と合格推定点についてTACの見解を公表します。


―――――――――講評
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まず試験の難易度は、次のとおりです。

計画   →やや難しい
環境・設備易しい
法規   →例年並み
構造   →例年並み
施工   →やや難しい

全体としては、例年並み(昨年よりやや難しい)と言えます。

科目ごとに少し詳しく見ていきます。

■計画
の特徴

●№2枝3は、今年1月末に惜しまれつつ一般公開を終了した神奈川県立近代美術館鎌倉館(坂倉準三設計)と、世界遺産に登録されたばかりの国立西洋美術館本館(ル・コルビュジエ設計)とを混同させた誤りの枝でした。
№6は、今年の設計製図課題でも重要なテーマに挙げられているパッシブデザインについての出題でした。
建築史、実例建築物からの出題が今年も5問ありました。決して易しくはありませんが、№12以外の4問は、過去問の応用で対応できる内容でした。
19(積算)では図の問題が出題されました。小数点以下を切り上げた整数に1を加えることがポイントです(いわゆる植木算)。

■環境・設備
の特徴

過去問で十分に対応できる問題でした。
15(給排水設備)の緊急給水遮断弁、給湯設備の転倒防止措置、災害応急対策のための受水槽容量の増量や、№19(建築設備)の火災時管制運転制御など、災害対策を意識した問題が散見されました。
 

■法規の特徴

建築基準法は標準的な問題でしたが、法令集を見ないで解答できる問題が少なく、時間が掛かったかもしれません。
関係法令のNo.24(建築士法)、No.25(都市計画法)、No.30(関係法令)は、細かい点からの出題で、難しい問題でした。
№7枝4は、地上3階建ての学校について、耐火建築物としなくてもよい、という法27条、法別表1の法改正に関わる内容でした。
21枝3は、延べ面積300㎡超の場合の書面による契約締結の義務についての、士法22条の3の3の法改正に関わる内容でした。
上記のような、建築基準法、建築士法の改正からの出題がありましたが、量的には多くありませんでした。来年以降、出題が増えることは間違いないでしょう。

■構造
の特徴

力学の№1(全塑性状態のPとQ)、№5(静定トラス)は、過去問にひねりが加えられており、やや難しい問題でした。
文章問題は、1問につき1枝程度の新規問題が入っており、さらに解答枝が過去問と表現を変えたものが多く、過去問の正確な理解と応用力が試される内容でした。
ただし、手も足も出ない難問はほとんどありませんでした。
構造では、特に、過去問を字面で覚えるのではなく、内容を理解することが大事であることが再認識された出題でした。

■施工
の特徴

近年の傾向どおり、施工はやや難しい問題でした。
図を使った№23(RC造の耐震改修工事)が特に難しい問題でした。
新規問題も多く、残りの過去問をしっかり理解・暗記できていたかが合否を分けます。つまり、新規問題に惑わされないだけの過去問の正確な理解が問われています。
25の工事請負契約約款では、設問の前文で、平成28年3月改正ではなく、平成23年5月改正からの出題と明記されました。ただし、平成28年3月改正に関係する内容からの出題はありませんでした。


一級建築士学科試験の総評は以上です。
さて、合格推定点ですが、計画と施工が難しかった点を考慮しても、全体の難易度としては例年を大きく超えるものではなく、現時点では90点以上と推定します。

ただ、科目ごとの基準点については、計画・施工で1点下がる余地がありますので、89点以上の方は設計製図試験の準備を開始すべきでしょう。

ということで、いよいよ次は設計製図試験です!
つかの間の休息をとった後、最終合格に向けて一緒に頑張りましょう!


(注)TAC(株)が独自の見解に基づき、サービスとして情報を提供するもので、試験機関による本試験の結果等(合格基準点・合否)について保証するものではございません。

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