井澤ですいざわ

■問題1
鉄骨構造において、一つの継手に高力ボルト摩擦接合と溶接接合とを併用する場合、高力ボルトの締め付けを溶接に先立って行うことにより、両方の許容耐力を加算した。(一級構造:平成24No.16
■問題2
鉄骨構造において、一つの継手の中に高力ボルト摩擦接合と溶接接合とを併用する場合、先に溶接を行うと溶接熱によって板が曲がり、高力ボルトを締め付けても接合面が密着しないことがあるため、両方の耐力を加算することはできない。(一級構造:平成27No.18

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■解答
 問題1、2ともに正。
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さっそくポイントです。
問題2は、それ自体がとても分かりやすい解説になっていますね。

ポイント:溶接接合と高力ボルト摩擦接合の併用
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■先に高力ボルトを締め付けた場合
 →両方の耐力を加算できる
■先に溶接を行う場合
 →両方の耐力を加算できない
 →先に溶接を行うと溶接熱によって板が曲がり、高力ボルトを締め付けても接合面が密着しないため。
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と、ここまでの話は、どんなテキストにも載っているかと思います。
似たような話として、木造の釘接合とボルト接合の併用まで一緒に整理しておくのが比較暗記法の真骨頂です。
この場合は、どっちの接合が先か、ではありません。

■問題3
木造軸組工法において、1か所の接合部に釘とボルトを併用したときの接合部の耐力は、それぞれの許容耐力を加算することができる。(一級構造:平成22年No.

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■解答
 問題3 誤。
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ポイント:木造における釘接合とボルト接合の併用
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■木造における釘接合とボルト接合の併用
 →両方の耐力を加算できない
 →釘は変形はじめの耐力が大きいが、ボルトは変形が進んだ後半の耐力が大きく、両者が最大耐力を発揮するタイミングが異なるため。
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