井澤ですいざわ

■問題1
鉄骨鉄筋コンクリート構造において、梁にH形鋼を用いた場合、最小あばら筋比は0.1%とすることができる。(一級構造:平成18No.14
■問題2
鉄骨鉄筋コンクリート構造において、柱断面を被覆型鋼管コンクリートとしたので、帯筋比が0.2%以上となるように設計した。(一級構造:平成20No.15

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■解答
問題1 正。SRC造(充腹型≒H形鋼)のせん断補強筋比は0.1%以上とする。
問題2 正。鋼管コンクリート構造(被覆および充填被覆)では、鋼管の外側の被覆部分はRC造とみなし、せん断補強筋比は0.2%以上とする。
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RC造、SRC造、鋼管コンクリート構造のせん断補強筋比を次表にまとめましたので、しっかり比較整理しておきましょう!

ポイント:RC造、SRC造、鋼管コンクリート構造のせん断補強筋比

 

せん断補強筋比

(帯筋比)

(あばら筋比)

補足

RC造

柱・梁

0.2%以上

これが基本!

耐力壁

0.25%以上

耐力壁は強度依存のため鉄筋は多め

SRC造

充腹型
(H形鋼)

0.1%以上※

鉄骨があるから鉄筋は少なめ

鋼管コンクリート構造

・被覆型
・充填被覆

0.2%以上

被覆部分はRC造とみなす


SRC造の非充腹(格子・ラチス形)の場合は、0.2%以上と規定されていますが、靱性確保の点から非充腹は望ましくないので、充腹の規定だけ覚えておけばよいです。


なお、鋼管コンクリート構造はSRC造の分類の一つです。そして鋼管コンクリート構造の「
0.2%以上」の規定は、被覆と充填被覆の場合だけです。充填(=コンクリート充填鋼管=CFT)は該当しません。これはあたり前ですよね、CFTには鉄筋は無いんですから。この辺りの話は次回お話しましょう。

RC造について、主筋量など、他の鉄筋比については、
No.348(鉄筋比)を参照してください。

http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/47997857.html