井澤です
■問題1
プレキャストコンクリート柱・梁部材は、国土交通大臣が定めた構造方法による場合、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さを3㎝未満とすることができる。(一級構造:平成23年No.30)
■問題2
鉄骨鉄筋コンクリート構造において、鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐火性、耐久性等を確保するとともに、鉄骨と鉄筋の納まりやコンクリートの充填性に配慮して決定する。(一級構造:平成18年No.14)
■問題3
鉄骨鉄筋コンクリート構造において、梁鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さを、主筋やあばら筋の納まりを考慮して150㎜とした。(一級構造:平成19年No.14)
――――――――――――――――――――――
■解答
問題1、2、3ともに正。
――――――――――――――――――――――
■プレキャストコンクリート造(PCa造)のかぶり厚さ
PCa造のかぶり厚さは、原則としてRC造と一緒ですが、国土交通大臣が定めた構造方法による場合、最小かぶり厚さ3㎝未満とすることができます。
■SRC造のかぶり厚さ
問題2と3は同じ内容です。
「鉄筋」ではなく、「鉄骨」に対するかぶり厚さであることに注意してください!
「鉄骨」に対するかぶり厚さは、「耐火性、耐久性等を確保する」ためには、建築基準法施行令79条の3で定められた最低50㎜でよいのですが、「鉄骨と鉄筋の納まりやコンクリートの充填性に配慮」すると、一般に150㎜程度は必要になります。
――――――――――――――――――――――
それではポイントです。
RC造とともに比較整理しました。
ポイント:かぶり厚さ
構造種別 |
最小かぶり厚さ |
|
RC造 |
柱・梁・耐力壁 |
30㎜以上 |
床スラブ・屋根スラブ |
20㎜以上 |
|
PCa造の柱・梁 |
原則はRC造と一緒だが、国土交通大臣が定めた構造方法による場合、最小かぶり厚さ3㎝未満とすることができる |
|
SRC造 |
令79条の3では最低50㎜だが、「鉄骨と鉄筋の納まりやコンクリートの充填性に配慮」すると、一般に150㎜程度は必要。 |
■RC造の最小かぶり厚さについての詳細は、No.263(最小かぶり厚さ)を参照してください。
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/46423138.html
■最小かぶり厚さと設計かぶり厚さについての詳細は、No.262(設計かぶり厚さ)を参照してください。
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/46404775.html
・RC造 → 設計かぶり厚さ=最小かぶり厚さ+10㎜以上
・PCa造 → 設計かぶり厚さ=最小かぶり厚さ+5㎜以上
コメント