井澤です
■問題1
擁壁の転倒に対する検討においては、安定モーメントが常時作用する土圧による転倒モーメントに1.5を乗じた値を上回ることを確認する必要がある。(一級構造:平成27年No.21)
■問題2
擁壁の安定モーメント(円弧滑りに対する抵抗力)は、土圧等による滑動モーメントの1.5倍を上回るように設計する。(一級構造:平成19年No.19)
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■解答
問題1 正。
問題2 正。
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擁壁の設計では、主に、次図のような、転倒、円弧すべり、滑動、地盤の支持力に対する検討を行います。
転倒による破壊に対しても、円弧すべりによる破壊に対しても、滑動(水平すべり)による破壊に対しても、すべて1.5倍の抵抗力を持つように設計します。
すなわち、5割増で余裕を見ます。
なお、円弧すべりとは、円弧状にすべり面を形成し、えぐり取られるような斜面破壊を言います。
――――――ポイント:擁壁の設計――――――
■滑動に対する基礎底面の摩擦力 > 水平力(主働土圧+水圧)×1.5
摩擦係数は、粘性土地盤よりも砂質土地盤のほうが大きい。
(砂質土のほうが粒径が大きく、ザラザラで摩擦力が大きい。)
■転倒に対する安定モーメント > 転倒モーメント×1.5
L型擁壁のフーチング上の土の重量は、擁壁の転倒に対する抵抗として考慮することができる。
■円弧滑りに対する安定モーメント > 滑動モーメント×1.5
円弧状にすべり面のせん断抵抗は、砂の内部摩擦角と粘土の粘着力による。
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