井澤です
■問題1
基礎部材の設計において、接地圧を求める場合に考慮すべき荷重には、「上部構造から伝達される軸方向力・水平力・曲げモーメント」、「基礎の自重」及び「基礎直上の埋戻し土の重量」がある。(一級構造:平成15年No.18)
■問題2
基礎に作用する固定荷重については、上部構造に作用する場合に準じて求めるほか、基礎スラブ上部の土被り重量も考慮する。(一級構造:平成17年No.18)
■問題3
直接基礎の基礎スラブの構造強度を検討するときには、一般に、基礎スラブの自重及びその上部の埋戻し土の重量は含めない。(一級構造:平成23年No.21)
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■解答
問題1、2、3とも正。
問題2の「土被り重量」は「埋戻し土の重量」と同じです。
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問題1と問題2は、接地圧すなわち反力を求める場合に考慮すべき荷重です。
下向きの荷重をすべて考慮します。
「基礎の自重」及び「基礎直上の埋戻し土の重量」を考慮したほうが、接地圧が大きくなり、安全側の検討になります。
問題2の「基礎に作用する固定荷重」が下向きの荷重です。それとつり合うのが上向きの反力である接地圧になります。
一方、問題3は、基礎スラブの応力を求める場合に考慮すべき荷重です。
次図のとおり、基礎スラブは、上向きに接地圧が作用する片持ちスラブとして設計します。
その際、「基礎の自重」及び「基礎直上の埋戻し土の重量」は、接地圧と逆向きの力ですから、含めないほうが安全側の検討になります。したがって、含めないのが一般的です。
―――――ポイント:基礎部材の設計―――――
■接地圧を求める場合
→「基礎の自重」及び「基礎直上の埋戻し土の重量」を含める。
■基礎スラブの応力を求める場合
→ 一般に、「基礎の自重」及び「基礎直上の埋戻し土の重量」を含めない。
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