本日、平成30年の二級建築士設計製図試験の課題が発表されました。
課題から読み取れることを、どこよりも早く、速報としてお伝えします!
■平成30年二級建築士「設計製図の試験」の発表課題
---------------------------------------------------------------------------------「地域住民が交流できるカフェを併設する二世帯住宅」
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建て
◆要求図面
1階平面図兼配置図[縮尺1/100]
- 2階平面図[縮尺1/100]
- 3階平面図[縮尺1/100]
- 立面図[縮尺1/100]
- 断面図[縮尺1/100]
- 部分詳細図(断面)[縮尺1/20]
- 面積表
- 主要構造部材表
- 計画の要点等
(注)答案用紙には、1目盛が5ミリメートル(部分詳細図(断面)については10ミリメートル)の方眼が与えられている。
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■課題の分析■
1.「鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建て」について
予想どおり今年はRC造でした。
なお3階建ての要求は、前回のRC課題(平成27年)に続いて2回連続の出題となります。
この文末に類似課題である平成21年本試験のTACオリジナル答案例を掲載しましたので、RC造3階建ての作図内容等の参考にしてください。
2.「二世帯住宅」
二世帯住宅(親世帯、子世帯(夫婦、子供)が共に住まう住宅)で、居間・食事室・台所、浴室、洗面などを共用するのか、あるいは別に設けるのか、で計画は大きく変わります。いろいろなパターンを学習する必要がありそうです。
3.「地域住民が交流できるカフェ」
地域住民が気軽に集い、コミュニケーションがとれる「コミュニティカフェ」と呼ばれるカフェがあります。カフェとして飲み物や軽食を食べられるだけでなく、地域社会の中での「たまり場」として、地域の人が作った作品を展示するための「展示スペース」や作った商品を「販売するスペース」があったり、あるいは地域交流のためのイベントやワークショップを行ったりなど、そのためのスペースも大いに考えられます。つまり、カフェ機能+地域コミュニティの核としての機能が求められるでしょう。
そして、これまでの試験でよく出題されてきた、店舗などの「併用住宅」ではなく、「併設」というキーワードがポイントです。「併用住宅」では、店舗を経営する人は、主に建物の住人ですが、今回は「併設」とあるので、カフェを経営するのは建物の住人ではない可能性が高いと考えられます。
その場合、住宅とカフェの管理区分を考慮した、ゾーニングや動線計画が求められるのではないでしょうか。
4.計画のポイント
上記のキーワード「二世帯住宅」、「地域住民が交流できるカフェ」において、計画上の大きなポイントは次の3点が考えられます。
●二世帯の共用と分離
・二世帯が共用する空間・分離する空間のパターンに応じた、ゾーニングと動線計画
●バリアフリー
・親世帯に配慮し、段差や通路幅員、エレベーターなどのバリアフリーに配慮した計画
・カフェを利用する幅広い年齢層の客(高齢者~妊婦、乳幼児など)にも使い易い、バリアフリーに配慮した計画(ユニバーサルデザイン)
●カフェと住宅の動線計画
・カフェと住宅について、敷地外から玄関までのアプローチをどう計画するのか
・建築物内では、カフェと住宅について1~3階までの縦動線(階段およびエレベーター)をどう計画するか
5.要求図面について
要求図面について注目すべきは、「部分詳細図(断面)〔縮尺1/20〕」です。木造課題では、近年の定番として出題されていますが、RC造で部分詳細図が求められたのは、今回が初めてでしょう。なお、だいぶ前の試験ですが、平成10年以前においては「矩計図(かなばかりず)」の要求があったことがあります。
「部分詳細図(断面)」とは、「部分的な矩計図」です。次の3つの部分の部分詳細図のどこが出題されるのか試験当日まで分かりませんので、全ての練習が不可欠です。
●基礎部分
●2・3階床部分
●屋根部分
なお、これまでのRC課題で要求されていた「仕上げ表」については要求図面からは外れましたが、部分詳細図内に仕上げ名称を記入することになるので、主な仕上げ材料名は覚える必要があります。
6.近年の出題傾向を踏まえた受験対策を
近年はサプライズがなくオーソドックスな出題となっています。
消化しきれないほど多くの課題を解くことははっきり言って遠回りです
厳選された良問をしっかり消化すること。これが合格の秘訣です
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以上、課題から読み取れることを速報としてお伝えしました。
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■参考図面■
以下は、平成21年本試験「商店街に建つ陶芸作家のための工房のある店舗併用住宅〔鉄筋コンクリート構造(ラーメン構造)3階建て〕」
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