いざわ 井澤です。

昨日実施の平成30年一級建築士学科試験について
TAC合格推定点と総評をお送りします。
まずは、合計6時間30分という非常に長時間の試験、本当にお疲れ様でした。
また、それまでの受験勉強、誠にお疲れ様でした。

(1)TAC合格推定点

さっそくですが、まずはTACの合格推定点は、次のとおりです。

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■科目基準点
 計画11点、環境・設備11点、法規16点、構造16点、施工13点
■総得点
 90点

難易度が高い計画の基準点は1点下がる可能性がありますが、環境・設備、法規、構造で得点を稼いでいる受験生が多いため、全体の総合点は90点と推定しました。
ただ、自己採点等による誤差を考慮し、89点以上の方は速やかに設計製図の受験対策を進めるべきでしょう。また、TACの設計製図講座における特別返金制度は、87点以上の方が対象になります。――――――――――――――――――――

(2)総評

続いて、総評です。
難易度は、次のとおりです。
・計画    → 難しい
・環境・設備 → 易しい
・法規    → 例年並み
・構造    → 易しい
・施工    → やや難しい
・全体    → 例年並み(昨年より易しい)

全体的な傾向として、暗記要素が多い計画と施工については、近年、新規問題が多く出題されており、この傾向は今後も続くかもしれません。
計画と施工は、過去問を出題すると受験生の多くが正答でき、実力の差が表れないためです。
ただし、新規問題が増えているとは言っても、試験問題をよく分析してみると、多くの場合は2肢ぐらいまでは絞り込めるような構成になっており、実力の差が表れるように配慮されているように思えます。

科目ごとに少し詳しく見ていきます。

■計画の特徴
・新規問題が数多く出題され、難しい問題でした。ただし、上記のとおり、なんとか2肢ぐらいには絞ることができるような出題構成になっているように思われます。No.2(日本建築史)は肢1か4、No.3(住宅実例)は肢3か4といった具合です。実際に思ったよりは点数が下がっていなかったと感じている受験生も多いのではないかと思います。
・特徴としては、実例建築物、建築史から4問出題されました。
・No.4は、今年の設計製図課題のスポーツ施設についての出題でした。

■環境・設備の特徴
・過去問で十分に対応できる問題でした。
・No.12(空気調和設備)とNo.17(発電設備)は難しい問題ですが、消去法も含めて2肢ぐらいまでの絞り込みはできたのではないかと思います。

■法規の特徴
・難易度は例年並みです。
・建築基準法は比較的易しい問題が多い一方、関係法令は一見では正答肢が絞りにくく、解答に時間がかかる問題が多かったと思います。
・特徴的な出題としては、土砂災害特別警戒区域に関する出題が2肢(No.12とNo.27。どちらも正答肢です。)、低炭素化法から2肢(No.30)、建築物省エネ法から2肢(No.30)出題されています。

■構造の特徴
・過去問で十分に対応できる問題でした。
・No.25(耐震設計)は難しい問題ですが、肢1(JIS鉄筋の材料強度)、肢4(必要保有水平耐力の形状係数)の2肢までの絞り込みはできたのではないかと思います。

■施工の特徴
・近年の傾向どおり、施工はやや難しい問題でした。
・No.4(届出)、No.6(土工事・山留め工事)、No.7(地業工事)、No.11(コンクリート工事)、No.13(鉄骨工事)、No.17(左官工事等)は難しい問題ですが、ここでもやはり2肢程度までの絞り込みはできたのではないかと思います。
・No.25では近年続けて「建築設計・監理等業務委託契約約款」から2肢出題されていますが、同約款からは計画No.18でも出題されています。


一級建築士学科試験の総評は以上です。

合格見込みの方、次は設計製図試験です!
つかの間の休息をとった後、いよいよ設計製図試験に向けて頑張りましょう!