井澤ですいざわ

※ 7月21日12:15に、非常用エレベーターについて追加しました。(1)の後半の赤字の部分です。
熟考を重ねた結果、この記事のコメント欄に投稿された動画、写真を見た多くの方が、非常用エレベーターと荷物用エレベーターを兼用している事例があると誤解をしたまま合格発表を迎えると、あれは違法だという声が上がったり、関係機関に抗議の電話が入ったりするおそれが高いと判断したためです。
※ 7月15日10:40に、事務所ビルの南面コアの有効性について追加しました。緑字の部分です。
※ 7
142120に、肢1の記述が正しい(適当)と考える理由として、事例を追加しました。下記の青字の部分です。

一級建築士本試験の計画No.7について、TACの見解は以下のとおりです。
TACとしては、当初の見解どおり、正答は肢4と考えます。
ただし、下記のように肢1、肢3についても疑義がないわけではありませんので、最終的には合格発表時の正答肢の公表を待たなければなりません。
なお、本試験問題自体の掲載は、著作権上控えますので、ご了承ください。

(1)肢4が最も不適当と考える理由
荷物用エレベーターは、法律で定義された用語ではなく、「昇降機技術基準の解説(監修:国土交通省 住宅局 建築指導課、編集:日本建築設備・昇降機センター、日本エレベータ協会)」で定義され、以下のように記載されています。
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荷物用エレベーター
荷物用エレベーターは専ら荷物を輸送することを目的とするもので、荷扱者又は運転者以外の人の利用はできない。
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したがって、消防隊が利用する非常用エレベーターと兼用することはできません。

なお、上記の「昇降機技術基準の解説」は、下記の平成27年の出題の出典根拠です。
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平成27年No.19肢2
荷物用エレベーターは荷物の輸送を目的とし、荷扱者又は運転者以外の人の利用はできないが、人荷用エレベーターは一般乗客も利用することができる。(正)
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この記事のコメント欄に投稿された、エレベーターホールに「荷物用」「荷物専用」などと書かれた、以下の非常用エレベーターの動画、写真について、誤解のないようにコメントします。
https://youtu.be/YGnFM4q-wnM
https://lineblog.me/cacao95/archives/2068185.html
・これらは、非常用エレベーターを「荷物用エレベーター」ではなく、「人荷用エレベーター」と兼用した事例です。
・これが、多くの誤解の原因である、注意喚起のための「荷物用」「荷物専用」などの表示と、エレベーターの分類としての「荷物用エレベーター」との違いを明確に示しています。
・動画を良く見ると、かごの中には「人荷用」と明記されており、「荷物用エレベーター」ではありません。
・また、写真のほうも最大定員が記載されていますので、それは「荷物用エレベーター」ではなく「人荷用エレベーター」です。
・「荷物用エレベーター」は、荷扱者又は運転者以外の人の利用はできないため、最大定員は記載されません。
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(2)肢1について
「設問の『南北面』の部分は『東西面』の誤り」という考え方も理解はできますが、設問はその比較をしているとは言えないと考えます。
設問は「窓を減らす」のと「窓を減らさない」のとの比較であり、窓を減らして壁にすれば、南北面でも熱負荷の影響を軽減できます。(PAL*が小さくなります。)


南面にコアを配置して窓を減らすことで、熱負荷の影響を軽減した事例が下記HPに紹介されています。CBRE様HPへの大成建設様の寄稿です。

https://www.cbre-propertysearch.jp/article/office_eco-vol7/

 「第7回 低炭素社会における最新オフィスビル事例に見る環境対策」
  2. 様々な環境技術をバランスよく導入 (仮称)神田駿河台4-6計画

東京都環境局の「東京の低炭素ビル2014」においても、事務所ビルの南面コアの低炭素化、省エネ上の有効性について紹介しており、近年の事務所ビルの計画のトレンドの一つであると言えます。

https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/policy_others/international/c40/c40_2.files/JP_TOP30_2014.pdf

①御茶ノ水ソラシティ(上記の(仮称)神田駿河台4-6計画と同じです。)
「コアを建物南面に配置し、南面からの日射熱負荷を大幅に抑制するとともに、東西面には縦型リブを設置して朝夕の熱負荷を低減しました。」
②JR神田万世橋ビル
「事務室を北側、コアを南面に配置することで日射による熱負荷を大幅に抑えることに加え」


(3)肢3について

エレベーターのコンベンショナルゾーニング方式について、30階建てで10層ごとに三つのゾーンに分割すると、「1~10階、11~20階、21~30階に分割されて乗り継ぎ階がないので誤り」という考え方も理解はできますが、設問は下記の平成24年の出題のように停止階を明確にした出題ではなく、乗り継ぎ階の有無を正誤の判断とする意図はないと考えます。
また、下記の平成18年の出題は正です。今年の出題も「10層程度ごとに」となっていれば疑義は生じないわけですが、「程度」がないから誤りという意図は考えにくいと思います。
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平成24年No.13肢4
20階建ての事務所ビルにおけるコンベンショナルゾーニング方式を採用した乗用エレベーターの計画において、1階を出発階とし、2階から10階行きと、11階から20階行きの二つにゾーニングした。(誤。乗り継ぎ階がない。)
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平成18年No.11肢5
30階建ての事務所ビルのエレベーターの計画において、コンベンショナルゾーニング方式を採用し、各ゾーンのサービスフロア数を10階程度とした。(正)
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