課題名「集合住宅」がシンプルな分、数多くのバリエーションを想定して対策しなければなりません。

　昨年に引き続き、発表された要求図書の中で「各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定する。」とされています。

　これは、階数が試験当日にならないと分からないということです。

　近年は平面図が３面求められているため、その場合は主に次の２つが考えられます。

　　この場合は、②に比べて、各階にどの室を設けるかの判断がしにくくなります。
　　メゾネット住戸（２層など）も想定されます。

　　基準階平面図は例えば「３～５階」などです。
　　この場合、基準階に設ける室、数が確定するため、
　　各階にどの室を設けるかは判断しやすくなりますが、
　　階数が高くなる分、採光や高さの制限が厳しくなります。

　各階の住戸数、敷地条件によって、適切な住棟形式を選択できるようにする必要があります。

　　ワンルーム、１ＬＤＫ、２ＬＤＫ、３ＬＤＫ、４ＬＤＫなど

　　約30㎡、50㎡、70㎡、80㎡、120㎡など

　　間口５ｍ以上、６ｍ以上など

　課題名は「集合住宅」ですが、次のような用途との併設は十分に考えられます。

　　レストラン、喫茶室、物販店舗など

　　居住者が利用する場合と、地域住民も利用する場合とが考えられます。

　　駐車台数が多くなりますので、平面駐車だけでなく、
　　立体駐車（２段昇降式駐車装置など）、地下駐車場（自走式でスロープでアプローチ）、
　　ターンテーブルなども想定されます。

　発表内容で強調されているとおり、

「（注）建築基準法令等に適合した建築物の計画(採光、建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設　等)とする。」ことに特に注意が必要です。

　昨年の高齢者介護施設の個室、共同生活室等と同様に、住宅の居室は採光が必須です。

　階数に応じて、有効採光面積を確保するために必要な隣地境界線からのアキを十分に検討しておく必要があります。

　なお、この（注）は、昨年、一昨年のものに「採光」が先頭に追加されており、今年の採点ポイントの中でも特に重要なものとなることは間違いありません。

　「建築物の計画に当たっての留意事項」の内容は抽象的ではありますが、採点に大きく関わる非常に大事な内容です。「注意事項」にあるとおり、「十分に理解したうえで」試験に臨まなければなません。

　建築基準法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」等と判断されます。

近年は特に建築基準法令が厳しく採点されていますので、法規に違反しないことは合格への絶対条件です。

８．その他
　集合住宅への消費者ニーズとして、耐震性、セキュリティ・防犯システムの充実、省エネ・創エネ設備などが挙げられます。これらについても配慮した計画を心がけましょう。

さあ、これからが本番です！
今年、絶対合格！
頑張りましょう！