皆さんこんばんは、TAC講師の岡部です。

 

まずは、本日の二級建築士設計製図試験を受験された皆様、大変お疲れ様でした。

無事に書きあげることはできましたでしょうか?

 

どこよりも早い速報プランをお届けします!

 

まず、今年の課題の特徴をざっと見てみましょう。

 

敷地について

・横11m×縦20m、平成27年、平成30年に続いての縦長敷地でした。用途地域は近隣商

業地域で3階建てという点も同じでした。

・南北に500mmの高低差がある敷地です。さほど大きな勾配ではないのですが、今回の課

題の最大のサプライズだと思います。

 

構造について

・鉄筋コンクリートのみの指定です。今年は課題発表時に(ラーメン構造)の表記がなか

ったので、壁式が指定される可能性が0ではありませんでしたが、結果は想定どおり、

ラーメン構造で設計すればよかったことになります。

 

要求室について

・特に目新しい要求室はありませんでしたが、「書斎(A)、書斎(B)を2階又は3階のどちらに設けても良い」という条件があり、また、各室の大きさに面積指定がほとんどない点などから、プランニングの自由度が高かったと言えます。

・昨年の木造に続いて、バルコニーを設ける要求がありました。

 

防火区画について

30年の課題と同じく、住宅部分の竪穴部分及び延焼のおそれのある部分に対する防火設備の要求でした。

 

敷地内のスロープ

・「高低差が生じる場合は、屋外スロープ(勾配は1/15)を設ける」という設計条件で、例年どおりの要求ですが、敷地内に高低差があることから難しく考えて、どのように処理をすれば良いか、迷われた方が多かったかもしれません。

要求図書について

・部分詳細図で、初めて切断位置に「2階のバルコニー」が要求されました。

 

 

では、参考答案プランです。

 令和3年答案例エスキース

                                                                  無断複写・複製を禁ずる

 

 

 

縦長敷地に対応して、各階の廊下を縦軸にとり、住宅の居室は極力南面に向けたプランです。

敷地の勾配については、道路面のGL±0mmから1階のFLを+100mmとして設計し、住宅への通路はそのままフラットにGL+0mmで持っていき、玄関ポーチ部分で+100mmとしています。

敷地条件で「盛土・切土により敷地全体を平坦にしてはならない。」との設計条件ですので

住宅の通路部分は平坦にし、建物の北面や東面はもとの地盤面の傾斜をそのまま残しています。こうすることで、スロープは、敷地が平坦な場合と同じように考えることが出来ます。

 

 

今回の課題は、敷地の勾配というサプライズがあったものの、それがなければプランニングはさほど難しくなく、問題の難易度としては、標準的であったと言えるでしょう。

では、明日13時頃までに講評の第2弾を本ブログにアップいたします。