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清田(セイタ)です

学科試験では過去問の研究が重要です
それと同様、設計製図の試験でも過去問の研究はとても大事だと思います
本試験の課題文は毎年、変化しています
今回は、その要求内容がどう変わってきたのかを見ていきましょう。

まず、ご存じの方も多いかと思いますが、平成17年に起きた構造計算書偽装問題を踏まえ、一級建築士の試験は平成21年に大きく見直しが行われました。
設計製図の試験の主な「試験制度の見直し」は、
試験制度の見直し
この見直しを受けて、平成21年以降、要求内容はどんな変遷をしてきたのでしょうか?
スライド1
(1)伏図の出題
平成21年~平成26年までは6年続けて伏図が出題されましたが、その後、平成27年~令和3年までの7年伏図の出題がパタッとなくなり、替わりに平面図3面の要求が続いています

伏図は、構造的に理解しているかを確認しやすい要求図面でしたが、一方で、伏図を要求することで、平面図が2面(または、小規模で3面)までしか答案用紙に入らないという制約がありました
平成27年以降、伏図の出題がなくなり「平面図3面」に変わったことで、自由度の高い出題が可能になった結果、3フロア分の空間構成の検討が必要となり、平面図2面の場合に比べて、計画の難易度が上がったと言えそうです。

また伏図の出題はなくなりましたが、構造の理解が問われなくなった訳ではなく、部材の断面寸法などは「計画の要点等」で確認されることになりました。その他にも、地盤略断面図が示され、「地盤条件に応じた基礎の計画」も問われるようになりました。構造に関しては、今後も引き続き幅広い知識が試されそうですね。

ちなみに、要求図面の「立面図」は平成17年以降1回も出題がなく、「矩計図(断面詳細図)」についても試験制度の見直し後、1回も出題がありません

(2)面積表
面積表については、平成27年まで「床面積」のみ記入が要求されていましたが、平成28年以降、床面積に加えて「建築面積」の記入が要求されています

(3)補足事項の明示
「各図面に計画上特に留意した事項について、簡潔な文章や矢印等により補足して明示する」という要求も、同じく平成28年からです
なお、平成27年は「補足して明示してもよい」という、任意の要求でした。


このように、試験問題は過去の出題の仕方を引きずりながら毎年変化をしているので、その傾向を分析し、対策を立てることが大切です

他にも過去問の変遷がいろいろあるので、また別の機会にご紹介したいと思います。