井澤ですいざわ

「その他」と「その他の」は法令用語として厳密に使い分けられています!
条文の読み方も変わります。

[テーマ問題] (消防法)
■問題1(法規R03-26改)
消防法において、ホテルは、「特定防火対象物」に該当する。
■問題2(オリジナル)
消防法において、病院は、「特定防火対象物」に該当する。

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[比較暗記法] 「その他」と「その他の」
No.3
■「A、Bその他C」では
 A、B、Cは、並列(横並び)の関係です。
■「A、Bその他のC」では
 A、Bは、より広い概念であるCの一例という関係です。
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犬、猫、鳥、動物であれば、それらの関係が最初から分かっているので「その他」と「その他の」の違いを知らなくても文章を理解できますが、難解な法令では読み間違えてしまいます。特にCが「政令で定めるC」とされた場合です。
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[比較暗記法] 「その他」と「その他の」

①「A、Bその他政令で定めるC」の場合は
 ・C(政令)の中にA、Bは含まれません。(ここがポイント!)
 ・A、B、C(政令)を全部見る必要あります。
 ・A、Bだけを見てもNGですし、C(政令)だけを見てもNGです。

②「A、Bその他の政令で定めるC」の場合は
 ・A、Bは一例として挙げられていただけなので、
  C(政令)の中にA、Bが含まれます。(ここがポイント!)
 ・C(政令)の中に重複してA、Bが出てきます。
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テーマ問題は、消防法における「特定防火対象物」の定義に関する問題です。
「特定防火対象物」を一言で説明すると、火災時に人的被害のおそれが大きい建築物です。消防法が改正されるたびに最新の消防用設備等の規定に従わなければいけません。
その定義は、消防法17条の2の5第2項四号とそれに基づく同法令34条の4第2項に定められています。

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■消防法17条の2の5第2項四号(以下「法」といいます。)
・・・百貨店、旅館、病院、地下街、複合用途防火対象物(略)その他同条第1項の防火対象物で多数の者が出入するものとして政令で定めるもの(以下「特定防火対象物」という。)・・・

■消防法施行令34条の4第2項(以下「令」といいます。)
法第17条の2の5第2項第四号の多数の者が出入するものとして政令で定める防火対象物は、別表第1(1)項から(4)項まで、(5)項イ(6)項、(9)項イ及び(16の3)項に掲げる防火対象物のうち、百貨店、旅館及び病院以外のものとする。
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■テーマ問題1について
ホテルは、消防法令別表1(5)項イに該当します。「法」にはホテルと書いていませんが、「令」に(5)項イとあり、「特定防火対象物」に該当します。
■テーマ問題2について
病院は、消防法令別表1(6)項に該当します。「令」の「…病院以外のものとする。」だけを見ると「特定防火対象物」に該当しないと勘違いしてしまいますが、「法」に「病院」とあり、「特定防火対象物」に該当します。

なぜ「令」に「…病院以外のものとする。」と書いてあるのか?
それこそ今回のテーマです。

「法」は「百貨店、旅館、病院・・・その他政令で定めるもの」となっており、「その他」ですから「令」の中に百貨店、旅館、病院は含まれません重複して出てきてはいけないのです。
重複を回避するために「百貨店、旅館及び病院以外のものとする。」と書かれているのです。

長くなりましたので、「その他の」については次回お話しましょう。

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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。
ホテルは、消防法令別表1(5)項イに該当し、同法17条の2の5第2項及び同法令34条の4第2項により「特定防火対象物」に該当します。
■問題2 正。
病院は、消防法令別表1(6)項に該当し、「特定防火対象物」に該当します。