前回の予告どおり、今回は「その他の」を扱います。
[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(法規H16-04改)
建築材料に石綿、クロルピリホス及びホルムアルデヒドを添加してはならない。
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前回お話した「その他の」ポイントは次のとおりです。
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[比較暗記法] 「その他の」
①「A、Bその他のC」では
A、Bは、より広い概念であるCの一例という関係です。
②「A、Bその他の政令で定めるC」の場合は
A、Bは一例として挙げられていただけなので、C(政令)の中にA、Bが含まれます。
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石綿(いしわた。アスベスト)等に対する措置は、法28条の2に定められており、そこで「石綿等」が定義されています。
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■法28条の2第一号(以下「法」といいます。)
建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(次号及び第三号において「石綿等」という。)を添加しないこと。
■令20条の4(以下「令」といいます。)
法第28条の2第一号(略)の政令で定める物質は、石綿とする。
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なにかヘンな気がしませんか? どういうことか分かりますか?
「石綿等」とは(今のところ)「石綿」だけ、と言っているのです。
「法」では「著しく衛生上有害な物質」を政令で定めるとしており、その一例として「石綿」があげられています。
「石綿『その他の』政令で定める物質」ですから、政令の中に石綿が含まれ、重複して出てきます。そして今のところ他の物質は定められていないのです。
前回詳しく説明した「その他」と、今回詳しく説明した「その他の」とでは条文の見方が異なることが分かったでしょうか?
ここでせっかくですので、法28条の2について、「石綿」と「クロルピリホス・ホルムアルデヒド」を比較・整理しておきましょう。
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[比較暗記法]
「石綿」と「クロルピリホス・ホルムアルデヒド」
「石綿」と「クロルピリホス・ホルムアルデヒド」
■ 石綿等(=石綿)
「著しく衛生上有害なもの」
(法28条の2第一号、二号)
■ クロルピリホス・ホルムアルデヒド
「居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるもの」
(法28条の2第三号、令20条の5)
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石綿は「有害」確定です。一方、クロルピリホス・ホルムアルデヒドは「おそれがある」という表現にとどまります。
この違いは他の規定にも影響します。
例えば、難解な規定の筆頭とも言える「既存不適格建築物に対する制限の緩和」において、令137条の4の2は「法第28条の2(同条第一号及び第二号に掲げる基準に係る部分に限る。)」となっており、「石綿」と「クロルピリホス・ホルムアルデヒド」は規制が大きく異なります。
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[テーマ問題の解答]
■問題1 誤。
法28条の2第一号により、建築材料に石綿を添加してはいけません。また、法28条の2第三号及び令20条の6第一号により、建築材料にクロルピリホスを添加してはいけません。ただし、法28条の2第三号、令20条の7及び令20条の8により、所定の技術的基準を満たしたホルムアルデヒド発散建築材料は使用可能です。
法28条の2第一号により、建築材料に石綿を添加してはいけません。また、法28条の2第三号及び令20条の6第一号により、建築材料にクロルピリホスを添加してはいけません。ただし、法28条の2第三号、令20条の7及び令20条の8により、所定の技術的基準を満たしたホルムアルデヒド発散建築材料は使用可能です。
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