今回はバリアフリー法と耐震改修法の「認定の申請」について比較整理を行います。
[テーマ問題]
■問題1(法規H25-26)
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づき、床面積の合計が2,000㎡の図書館の建築主等は、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
■問題2(オリジナル)
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づき、特定建築物に該当しない建築物であっても、当該建築物の建築主等は、建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
■問題3(法規H22-29)
「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき、特定既存耐震不適格建築物に該当しない建築物であっても、当該建築物の耐震改修をしようとする者は、建築物の耐震改修の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
■問題4(法規R06-26)
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づき、床面積の合計が2,000㎡のホテルを新築しようとする場合において、建築主等は、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請しなければならない。
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・はじめに「認定」とは、様々な法律に定められた基準を満たすことを認められることにより、その表示や容積率の緩和等の優遇措置を受けられるものです。
・認定は自主的に申請するものであり、義務でも努力義務でもありません。
・また、バリアフリー法には「特定建築物」と「特別特定建築物」とがありますが、バリアフリー法2条十九号の「特別特定建築物」の定義が「…特定建築物であって、…政令で定めるもの」となっていることから分かるように、また、同法令4条の「特定建築物」と同法令5条の「特別特定建築物」とを比較すると分かるように(重複しているものが多いですね。)、「特別特定建築物は特定建築物でもある」という関係を理解することが大事です。
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[比較暗記法] 「認定の申請」
■バリアフリー法では、特定建築物(特別特定建築物を含む。)が認定を申請できる。(バリアフリー法17条1項)
・戸建住宅など、多数の者や高齢者等が利用しない用途は、認定を申請できず、バリアフリー化したからといって容積率等が緩和されるわけではない。
・様々な法律に認定制度があるが、このように認定を申請できる用途が限定されるのは、試験対策上はバリアフリー法だけと思ってよい。
■耐震改修法では、どんな建築物も認定を申請できる。(耐震改修法17条1項)
・倒壊するときの危険性は用途によらないため。また、どんな建築物も耐震改修を促進したいため。
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※偶然ですが、バリアフリー法の認定も、耐震改修法の認定も、どちらも17条1項に定められています。
[テーマ問題の解答]
■問題1 正。バリアフリー法2条十八号、同法令4条十三号により、図書館は、特定建築物に該当します(同法令5条十二号により特別特定建築物にも該当します)。同法17条1項により、建築主等は、特定建築物の建築等をしようとするときは、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができます。
■問題2 誤。バリアフリー法17条1項に「建築主等は、『特定建築物(特別特定建築物も含まれる)』の建築等をしようとするときは、(中略)認定を申請することができる。」とあるように、特定建築物に該当しない建築物は、認定を申請することができません。
■問題3 正。耐震改修法17条1項に「『建築物』の耐震改修をしようとする者は、(中略)認定を申請することができる。」とあるように、特定既存耐震不適格建築物に限らず、どんな建築物も認定を申請できます。
■問題4 誤。認定は自主的に申請するものであり、義務でも努力義務でもありません。「認定を申請しなければならない」という設問は誤りです。
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