TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

一級建築士 設計製図対策

satoお久しぶりです。サトーです。
師走も既に半ばに入り、ますます忙しい日々だと思います。

一級建築士設計製図試験日から合格発表の日まで長いな~と感じていた方も、あっという間だ!と思った方も、いよいよ来週の木曜日
受験生の皆様が全員合格していることを心から願っていますが、が、が、・・・・・
惜しくも残念な結果になってしまった方のために


設計製図試験のみを受験する方を対象に「設計早期クラス」をご用意いたしました
「設計製図本科コースが始まるまで、試験対策として何をしていれば良いですか?」
「設計製図本科コースが始まるまで、何もしないと不安です。」等、お声をいただいておりました。

「設計早期クラス」はプランニングの方法から作図まで教室で講義と実践を行います。
すべての課題に対して添削返却指導を行います。
特に・プランニングに時間がかかってしまう・問題文を読み落としてしまう等でお悩みの方や
長い間、図面を描かないでいると、作図手順を忘れてしまいそうで不安だという方にお勧めです。
講義で使う課題のほかに、自宅学習用に応用課題も配布いたします。

なお、この「早期クラス」は2018年合格目標「一級設計製図本科生」をお申し込みの方のみ、申し込みができます。ご注意ください。



かんべこんにちは、カンベです。

※第一報から、更に分析をして一部更新するとともにプランをアップしました。

設計課題「小規模なリゾートホテル」

 

 今年度の課題は、細かな条件の指定が多く、問題条件を読み取ることに苦労した方も多いと思います。結果として、難易度の高い試験であったと思います。その要因として、大きく次の2点があげられます。

 

 配置図については、平面図兼用配置図の出題でした。南傾斜の敷地で、北道路の設定は順当な出題でしたが、「車回しが12m円内接の条件」から北西部分に大きなスペースを計画しなければならず、建築物の計画が一部L型となるなど、配置計画に大きな影響を与える条件でした。

 

 次に、客室の配置計画が非常にむずかしい課題だったと思われます。「全居室を明峰(東南方向)や湖の眺望に配慮する」という条件から、北側配置は避けるべき条件でした。そのため、客室の配置については、最良景観の東側及び南側、それに準ずる西側(湖の眺望が得られる)に限定されました。客室数を確保するためには、「間口心々4m以上」の条件から、スパンを二つ割りの計画とし、8m×6mのグリッド計画とするか、又は6m×7mのグリッドとするならば、1階に一部の客室を南側に配置するなどの対応が必要です。

 

〔課題の概要〕

.建築物の規模について

 今年の延べ面積は、順当に計画すると上限2,800㎡程度の計画となり、かつ、屋内利用のピロティは面積に算入することから、面積調整に注意が必要な課題でした。一方、建ぺい率60%の条件については、車回しの計画があることから特に計画上厳しい制約にはならなかったと考えられます。

 

.アプローチ計画について

 アプローチは、北側道路であり、「車回しから西側共用駐車場へのアプローチができるようにする」との条件から、車回し、車寄せ及び駐車場の配置は、敷地の北西配置が妥当で、共用駐車場への車と人の車路及び歩行者通路の計画が求められます。サービスアプローチは、北東側又は北西側のいずれかとなります。

 

.屋外スペースの計画

 リラクセーションスペースは、湖側の地上に50㎡以上の出題でした。5m×10m程度のスペースがあれば、配置計画に影響する規模ではなかったと思います。配置については、「名峰や湖の景色を楽しむ」条件から、東南の位置が最適です。特に、浴室とトレーニングルームとの動線に配慮する条件でしたので、浴室とトレーニングルームの設置階は地下1階と考えられます。

 

【TACオリジナルプラン 6×7グリッド

本試験プランスキャン1 


.課題の特色に係る要点の整理

①バリアフリー法に規定する特別特定建築物の計画

 特に留意すべき点として、車いす使用者用客室である客室Bは、便所浴室ユニットの寸法を2m×3mとし、室内に1.5mの転回スペースを設けるほか、扉を引き戸にし、段差を設けない計画が求められます。

②パッシブデザインを積極的に取り入れた計画について

 要求にはありませんでしたが、積極的に、積極的に吹き抜けを設け、勾配屋根を活用した天井高さ、空間構成、自然採光や通風経路の確保がプラス評価につながる課題です。

③斜面地に考慮した計画について

 斜面地の高低差を活用した、地下1階の階高を4mとする計画となります。また、斜面地部分に関し、良好な地盤である北側平坦部分は出来るだけ造成を最小限にとどめて、南側の軟弱地盤を造成し、地下1階を計画するのが妥当なところです。したがって、地下1階のスパン割は、南北2~3スパンの計画が最も適切です。

④車回し、車寄せ、駐車場の計画について

 北側のエントランス部分については、車回しが12m円内接の条件であったことから、北側道路から最低14m(車回し12.5m+歩行者通路2.5m)後退させた位置としなければならない条件です。

 

.ゾーニング・動線計画について

①地下1階について

 ・地下1階の構成としては、屋外のリラクセーションスペースと関連付けて、浴室(260㎡)及びトレーニングルーム(100㎡)を配置し、その他機械室(電気室70㎡+機械室140㎡)を設けるのが妥当なところです。

 ・空調機械室は約30㎡~40㎡程度必要となりますが。地下1階に設けられない場合は、1階に計画することも考えられます。

 ・浴室については、露天風呂が要求されましたが、上部階からの傍観に配慮してピロティ形式で計画するのが適切です。その場合、「屋内用途等に供するピロティは、床面積に算入する」との課題条件ですから、床面積に算入し、かつ浴室の要求面積に含めます。

 ・地下1階は通風経路の確保や自然採光の確保が難しいことから、余裕があれば吹抜を積極的に取り入れた計画が望まれます。

②1階について

 ・1階は、エントランス、ラウンジ、地域ブランドショップ、レストラン、コンセプトルーム(ワークショップ等ができる多目的室と考えておいてよいでしょう)及び管理部門を計画しなければなりません。

 ・コンセプトルームは、設計条件から、その体験を通して「地域住民との交流」が条件ですから、なるべくアクセスしやすいエントランス近くが望ましいと思われます。

 ・北側に設けるエントランスホールは、パッシブデザインに配慮し、出来るだけ吹抜けを計画するなど明るく開放的にすることでより良い計画となります。

 ・レストラン厨房へは管理側動線の通用口からアプローチさせるか、又はそれとは別に外部から直接アプローチさせるかのいずれかとして、食材の搬入やゴミ出しに配慮しなければなりません。

 ・レストラン客席は、名峰や湖を臨む側に配置しなければなりません。

③2階について

 ・先述のように、全室眺望側に客室を配置する点が、この課題を最も難しくしている要因です。8mスパンの二つ割りとした計画として客室を2階だけで計画するか、又は6mスパンで計画する場合は、一部の客室(車いす使用者用客室B2室)を1階に配置する計画が考えられます。

 ・二つの直通階段に至る歩行距離、及び重複距離の図示が求められました。直通階段の一つに至る歩行距離は、50m(最長60m)、重複距離は25m(最長30m)です。2階の計画は、L型配置となりますので、直通階段に至る歩行距離の規定に十分注意しなければなりません。歩行距離又は重複距離に難があるようであれば、屋外階段を計画して対応することができます。

 

.パッシブデザイン及び設備計画について。

 ・計画の留意点で、太陽熱、地中熱、井水の自然エネルギー利用がうたわれています。

 ・太陽光発電だけでなく、太陽熱集熱パネルを利用した給湯設備とすることができます。

 ・空調設備は、「外気処理空調機+ファインコイルユニット方式とする」と指定されました。すなわち単一ダクト方式で給気・還気し、各客室にも冷温水を送り、パーソナル空調する方式です。空調機械室から各階へのDSの計画が必要です。空調負荷を低減するために、アースチューブを利用した地熱利用システムを採用することが有効です。

 ・給水設備への井水利用などがあげられます。

 

 

.構造計画について

 地盤条件については、片側土圧・水圧が作用し、南の一部が軟弱地盤であることから、滑動抵抗が高く、軟弱地盤の不同沈下に配慮して、根入れ2.5m(軟弱表土の深さ)程度のべた基礎とした計画が順当なところです。

 
【TACオリジナルプラン2 8×6グリッド】
10_08


以上、平成29年 一級設計製図試験の講評です。

 

かんべこんにちは、カンベです。

 今年度の一級の設計製図課題は、「小規模なリゾートホテル」と発表されました。
 複合施設以外のホテルの出題は、平成3年の「シティホテル」、昭和63年の「リゾートホテル」以来です。昭和63年は、地上3階建て、延べ面積が約3,000㎡の計画でしたが、敷地が大きく作図が1階及び2階平面図(3階省略)だけでしたので、今年度はそれよりも小規模な2、000㎡~3、000㎡の規模と考えられます。
 また、昨年及び一昨年同様、平面図が三面出題されました。平成21年から6年間出題されていた「梁伏図」の出題がありません。答案用紙のスペースから、敷地面積は、東西45m~52m、南北35m~40m程度と考えられます。

課題の特色について、いくつかのテーマに分けて、分析してみます。
1.「リゾートホテル」とは。立地条件は。
 リゾートは行楽地全般を指し、リゾートホテルの大多数は、風光明媚で、余暇活動を楽しめる海岸・高原・山間などの景勝地に立地しています。 今年度の課題は、小規模であるが長期滞在が可能で、高齢者・障害者等の利用にも配慮した施設となることが予想されます。建築士試験では、良好な景観を活用した計画を要求するのが一般的で、今年度も、宿泊室や浴室及びレストラン・ラウンジなどの共用諸室は、できるだけ眺望に配慮した配置計画が求められます。また、環境と景観配慮の観点から、屋根は、勾配屋根となる可能性が高いと思われます。したがって、屋内又は敷地内の設備スペースの計画が限定されます。
 リゾートホテルの宿泊部門の延べ面積に対する比(収益部分の比)は、一般的に45~50%といわれており、建築士試験の限られた延べ面積の中で、どのように効率よく宿泊室を配置するかが、試験のポイントになると思われます。
 出題の背景としては、外国人旅行者の宿泊施設として、都市部でのホテル建設が進んでいますが、さらにリゾート地への観光客誘致がこれからの課題であり、「統合型リゾート施設」の法制化も検討されています。一方、日本人の国内宿泊旅行者数が低迷しており、従来からの家族旅行に加え、新たな顧客層の開拓のため、小グループ旅行や企業研修のほか、定年後のシニア世代などを対象とした長期滞在型のリゾートホテルも求められています。

2.斜面地を考慮した建築物の計画と地下1階平面図の要求から
 過去に「斜面地に建つ建築物」の出題例は平成8年の「景勝地に建つ研修所」があります。北側前面道路から10mが平坦で、敷地の中央付近が、水平距離25mで高低差4mという南下がりの傾斜地になっていました。高低差4mは、一般的な断面計画では1層分の階高に相当し、地下1 階・地上2階建ての建築物の地階部分の階高をこれに合わせるのが適切でした。つまり、地面に接地する階が2層あり、常識的な計画をすれば最下階は、天井高さの1/3以上は地面に埋まった計画となります。今年度は、建築物が何階建てなのかは明示されていませんが、要求図面が地下1階平面図、1階平面図、2階平面図となっていることから、この課題に近い敷地条件が設定されるものと思われます。
 なお、平成12年「世代間の交流ができるコミュニティ施設」では、水平距離40mで高低差1.5mという緩勾配の斜面地の条件でしたが、このような構成では、通常は地階にならないので、今年度の課題には該当しないと考えられます。
 また、建築物内部の1階の床に段差を設けて、階段やスロープで動線処理をする解答が一般的でしたが、どのような場合にも、施設内の床に段差を設けることは、バリアフリーの原則に相反するため、避けるのが賢明です。

3.「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に規定する特別特定建築物の計画
 バリアフリー法により、ホテルは特別特定建築物に指定されており、床面積の合計が面積が2,000㎡以上のものは「建築物移動等円滑化基準」に適合させなければなりません。また、建築士試験では、この最低基準を順守するに留まらず、さらに上位の「建築物移動等円滑化誘導基準」をも満たす計画が望ましいと考えられており、共用スペースだけでなく、客室のプランにも十分なゆとりのある計画が求められます。さらに、バリアフリーに関するガイドラインとして、「高齢者等の円滑な移動に配慮した建築設計標準」が平成29年に改正され、東京オリンピックを契機とした国際的な取り組みとして、一層のバリアフリー化が求められ、ホテルの車いす使用者用の客室の整備促進が望まれています。したがって、車いす使用者に配慮した客室の要求は考えておくべきです。

4. パッシブデザインを積極的に取り入れた建築物の計画
 昨年度の課題発表でも同様の注記がありました。パッシブデザインとは、「地域の気候風土に合わせた建物自体のデザインで、熱や光や空気などの流れを制御して、地球環境への負荷を極力すくなくするとともに、快適な室内環境を得る設計手法」と定義され、その不足分を機械的な手法(建築設備)で補うことです。したがって、自然採光、自然通風を十分に活用し、建築物の断熱性を向上し、開口部等の日射遮蔽に留意することがテーマの1つになります。
 昨年の問題文の主文では、「環境負荷低減のため、自然エネルギーを利用し、快適な室内環境が得られるような設計手法(パッシブデザイン)を積極的に取り入れるものとする」とし、設備計画について、「太陽熱、地中熱、井水、植栽等を利用するなどし、環境負荷低減に配慮する」ことや、「自然採光及び自然換気を積極的に取り入れる計画とするとともに、日射の遮蔽にも配慮する」という要求が示され、「計画の要点等」で、具体的に行った計画内容の説明が求められました。 
 したがって、今年度も、暖房・給湯への太陽熱利用、基礎ピットを利用したヒートチューブ・クールチューブ(アースチューブ)による暖冷房、井水利用、植栽、自然採光・自然換気 、日射遮蔽について、計画や記述に必要な知識を準備しておかなければなりません。

5.車両動線(車回し、車寄せ等)を考慮した外部空間の計画
 ホテルのアプローチには、送迎車両が1方向に進行して通り抜けられる「車回し」や、屋根・庇の付いた乗降スペースである「車寄せ」を設けるのが一般的です。ただし、建築士試験では、敷地の大きさが限定されるため、アプローチ部分に余裕のあるスペースを割り当てることのむずかしい場合が多いので、歩行者の安全を確保したコンパクトな計画が求められます。

ほんだこんにちは、ホンダです。

 TACの1級設計製図講座は、土曜クラスが8/6、日曜クラスが8/7より開講します。
 
 下記の校舎は満席となりましたので、募集を締切りとさせていただきます。
 ・渋谷校
 ・新宿校

  渋谷校・新宿校をご検討されていた皆様には本当に申し訳ありません


 開講日には無料体験受講をすることができますが、現在、下記の校舎ではお申込みを数多くいただいているため、教室の座席に余裕がない状況になっています。つきましては、下記の校舎での無料体験受講は中止させていただきます。大変申し訳ありません。

 ・渋谷校
 ・新宿校
 ・池袋校日曜クラス
 ・横浜校土曜クラス
 ・梅田校 

 ※池袋校、横浜校、梅田校は、現状でお申込みは可能です。

 今後の募集状況により他の校舎でも満席となってしまった場合は、無料体験受講の中止をご連絡させていただく場合がありますので、ご容赦ください。

 皆様から講座に対する熱い御支持をいただき、心より感謝いたします。 

井澤です。いざわ

毎年、設計製図試験の合格発表時に試験機関である(公財)建築技術教育普及センターから「標準解答例」が発表されていることを知らない人が意外と多いようです。
昨年の平成24年試験について、今でもセンターのホームページで閲覧、ダウンロードすることができます。

一級建築士

http://www.jaeic.or.jp/1k-mondai.htm

二級建築士

http://www.jaeic.or.jp/2k-mondai.htm

センターは、標準解答例のことを「合格水準の標準的な解答例をいう。」としています。
つまり、あくまで「標準」であり、「模範」解答例ではないということではありますが、合格答案の目安ですから、特に図面上どの程度までの表現が求められているかについて大変参考になります。

↑このページのトップヘ