自分の家のにおいが気になることってありますよね。
我が家にも特有のにおいを感じることがあり、
芳香剤でごまかしてることがあります。
こうした芳香剤の効果をマスキングといいますね。
弱い音が強い音に打ち消される音のマスキング効果など、
環境設備の科目で学習します。
ただ、特有のにおいは、人をほっとさせる効果があります。
私にとって、浅草の地下街のにおいがこれにあたります。
ここが入り口です。レトロでしょ。
現在、東京にある最古の地下街といわれ、
それはそれはディープな様相とにおいを醸しだしています。
私が子供のころ、この地下街の入り口近くに卵屋さんがありました。
その卵屋さんは、鳥の巣のようなわら屑のなかに、
親鳥がたったいま産んだように卵を陳列して、1個単位で売っていました。
(写真を撮っておけば良かった・・・)
そのころも地下街のにおいは半端じゃなく、
たまたま当時飼っていた手乗り文鳥の鳥かごを掃除するときのにおいと似ていたので、地下街のにおいのもとは、てっきりその卵屋さんだと信じていました(卵屋さんごめんなさい)。
今は卵屋さんもなくなりましたが、
当時と全く同じにおいが地下街を包み込んでいます。
においのもとは定かではありませんが、
さすがに夏場は避けたいときがあります。
ところが近年、ここにタイ料理屋さんとベトナム料理屋さんが出店し、
なかなか美味しいとの評判で、
若い女性を中心に賑わいをみせています。
これらのお店で特筆すべきは、
空調に工業用扇風機を使っていることです。
というのも、エアコンの室外機を設置するところがないので、
店の外から強烈な風を店内に送り込んでいるのです。
当然ながら店内の調理場のにおいは地下街にあふれ、
もともとのにおいと入り混じって、うーん。。。。マスキング?!
実は、この地下街を私は毎日通って通勤しています。
臭いなぁと思う時がほとんどですが、
たまに旅行などに行って帰ってくるとき、
この地下街にたどりつくと、ホッとしていることに気がつきます。
地下街の店舗のことを建築基準法では「構え」といい、
この一つ一つの「構え」を建築物と同様に扱っていますが、
今の浅草の地下街の「構え」には、つい身構えたくなるものが(笑)
700円の床屋さん、3本980円のDVD屋さん、占い屋さんに、浅草名物焼きそば屋!
ただ、構造的にもうそんなに長くはないかと。
どうか、大改修される前に、
半世紀以上の歴史のある昭和のにおいを感じてみてほしい、
そんな浅草の名所中の名所がこの地下街です。