TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

本試験情報(各講座カテゴリへ移動)

一級学科試験の合格推定点に関して、お問い合わせをたくさんいただいています。

TACでは、昨日、総合89点、各科目過半の得点とし、
88点以上の方は速やかに設計製図の受験対策を進めるべきと推定いたしました。

実は、今年は、推定点が読みにくい要素が二つあります。
一つはコロナウイルスです。建築士受験勉強にとって大事な時期に受験生の多くが想定どおりの学習ができなかったと思われます。そのため、受験生全体のレベルが過去と比較しづらいのです。
もう一つは、試験制度の変更です。受験申し込みが4万人の大台に乗ったとの情報もあり、
これも過去との比較を難しくしています。

製図の学習をスタートすべきか否か、という点に関しては、TACの「特別返金制度」をお知らせいたします。これは、推定点からマイナス3点以内で不合格となった場合、
3日以内にお申し出いただけば、3万円を除いた受講料を返金するという制度です。
 今年は86点までの方が対象となります。

さらに、もう一つ。
試験制度の変更により、学科試験に合格した建築士試験に引き続いて行われる4回の建築士試験のうち2回(学科試験に合格した建築士試験の設計製図試験を欠席する場合は3回)について学科試験を免除するよう見直されました。詳しくは国交省案内をご覧ください(PDF)こちら→

こうした様々な事情・制度をご考慮いただき、製図試験にチャレンジするか否か、ご判断いただきたいと思います。


【お知らせ】
★2020年一級設計製図本科生プラスについてはこちら→(定員情報も掲載しています)
★2020年一級設計製図本科生プラス 初回講義は無料体験できますこちら→
★次年度の学科対策「奨学生選抜試験」の実施についてはこちら→

井澤ですいざわ

※ 7月21日12:15に、非常用エレベーターについて追加しました。(1)の後半の赤字の部分です。
熟考を重ねた結果、この記事のコメント欄に投稿された動画、写真を見た多くの方が、非常用エレベーターと荷物用エレベーターを兼用している事例があると誤解をしたまま合格発表を迎えると、あれは違法だという声が上がったり、関係機関に抗議の電話が入ったりするおそれが高いと判断したためです。
※ 7月15日10:40に、事務所ビルの南面コアの有効性について追加しました。緑字の部分です。
※ 7
142120に、肢1の記述が正しい(適当)と考える理由として、事例を追加しました。下記の青字の部分です。

一級建築士本試験の計画No.7について、TACの見解は以下のとおりです。
TACとしては、当初の見解どおり、正答は肢4と考えます。
ただし、下記のように肢1、肢3についても疑義がないわけではありませんので、最終的には合格発表時の正答肢の公表を待たなければなりません。
なお、本試験問題自体の掲載は、著作権上控えますので、ご了承ください。

(1)肢4が最も不適当と考える理由
荷物用エレベーターは、法律で定義された用語ではなく、「昇降機技術基準の解説(監修:国土交通省 住宅局 建築指導課、編集:日本建築設備・昇降機センター、日本エレベータ協会)」で定義され、以下のように記載されています。
――――――――――――――――――――
荷物用エレベーター
荷物用エレベーターは専ら荷物を輸送することを目的とするもので、荷扱者又は運転者以外の人の利用はできない。
――――――――――――――――――――
したがって、消防隊が利用する非常用エレベーターと兼用することはできません。

なお、上記の「昇降機技術基準の解説」は、下記の平成27年の出題の出典根拠です。
――――――――――――――――――――
平成27年No.19肢2
荷物用エレベーターは荷物の輸送を目的とし、荷扱者又は運転者以外の人の利用はできないが、人荷用エレベーターは一般乗客も利用することができる。(正)
――――――――――――――――――――

この記事のコメント欄に投稿された、エレベーターホールに「荷物用」「荷物専用」などと書かれた、以下の非常用エレベーターの動画、写真について、誤解のないようにコメントします。
https://youtu.be/YGnFM4q-wnM
https://lineblog.me/cacao95/archives/2068185.html
・これらは、非常用エレベーターを「荷物用エレベーター」ではなく、「人荷用エレベーター」と兼用した事例です。
・これが、多くの誤解の原因である、注意喚起のための「荷物用」「荷物専用」などの表示と、エレベーターの分類としての「荷物用エレベーター」との違いを明確に示しています。
・動画を良く見ると、かごの中には「人荷用」と明記されており、「荷物用エレベーター」ではありません。
・また、写真のほうも最大定員が記載されていますので、それは「荷物用エレベーター」ではなく「人荷用エレベーター」です。
・「荷物用エレベーター」は、荷扱者又は運転者以外の人の利用はできないため、最大定員は記載されません。
――――――――――――――――――――

(2)肢1について
「設問の『南北面』の部分は『東西面』の誤り」という考え方も理解はできますが、設問はその比較をしているとは言えないと考えます。
設問は「窓を減らす」のと「窓を減らさない」のとの比較であり、窓を減らして壁にすれば、南北面でも熱負荷の影響を軽減できます。(PAL*が小さくなります。)


南面にコアを配置して窓を減らすことで、熱負荷の影響を軽減した事例が下記HPに紹介されています。CBRE様HPへの大成建設様の寄稿です。

https://www.cbre-propertysearch.jp/article/office_eco-vol7/

 「第7回 低炭素社会における最新オフィスビル事例に見る環境対策」
  2. 様々な環境技術をバランスよく導入 (仮称)神田駿河台4-6計画

東京都環境局の「東京の低炭素ビル2014」においても、事務所ビルの南面コアの低炭素化、省エネ上の有効性について紹介しており、近年の事務所ビルの計画のトレンドの一つであると言えます。

https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/policy_others/international/c40/c40_2.files/JP_TOP30_2014.pdf

①御茶ノ水ソラシティ(上記の(仮称)神田駿河台4-6計画と同じです。)
「コアを建物南面に配置し、南面からの日射熱負荷を大幅に抑制するとともに、東西面には縦型リブを設置して朝夕の熱負荷を低減しました。」
②JR神田万世橋ビル
「事務室を北側、コアを南面に配置することで日射による熱負荷を大幅に抑えることに加え」


(3)肢3について

エレベーターのコンベンショナルゾーニング方式について、30階建てで10層ごとに三つのゾーンに分割すると、「1~10階、11~20階、21~30階に分割されて乗り継ぎ階がないので誤り」という考え方も理解はできますが、設問は下記の平成24年の出題のように停止階を明確にした出題ではなく、乗り継ぎ階の有無を正誤の判断とする意図はないと考えます。
また、下記の平成18年の出題は正です。今年の出題も「10層程度ごとに」となっていれば疑義は生じないわけですが、「程度」がないから誤りという意図は考えにくいと思います。
――――――――――――――――――――
平成24年No.13肢4
20階建ての事務所ビルにおけるコンベンショナルゾーニング方式を採用した乗用エレベーターの計画において、1階を出発階とし、2階から10階行きと、11階から20階行きの二つにゾーニングした。(誤。乗り継ぎ階がない。)
――――――――――――――――――――
平成18年No.11肢5
30階建ての事務所ビルのエレベーターの計画において、コンベンショナルゾーニング方式を採用し、各ゾーンのサービスフロア数を10階程度とした。(正)
――――――――――――――――――――





一級学科試験、お疲れ様でした!

お待たせしました!全問を公開します!※22:00更新
sokuhou1q20202200

合格推定点を明日13時公開する予定です。
以下より是非、ご覧ください。




予 告
きたる7/25(土)正午に7/22発表の課題について佐藤講師sato2がオンラインで解説!もちろん参加無料・予約不要です。
ZOOMのID等は後日発表します

【お知らせ】
1)「一級設計製図本科生」説明会 開催!
 TACの戦略的カリキュラムや安心して学習を始めるための返金制度について説明します!
 終了後は個別相談にも応じます
 
 ●実施概要 予約不要・参加無料
 池袋校 7/15(水)19:00~20:00
 新宿校 7/14(火)19:00~20:00
 名古屋校 7/14(火)19:00~20:00
 梅田校 7/15(水)19:00~20:00

2)一級設計製図本科生「無料体験入学実施」
 初回講義を無料で体験可能!製図用具をご持参ください。
 ★イベントの詳細はこちら→

3)学科奨学生選抜試験 7/26(日)開催
 対象コースの受講料が最大80%OFF&参加特典あります。
 今年はオンライン受験でのみ実施します!申し込み締め切りは7/21(火)です。
 ※お申込みはインターネット上に限ります。
 ★詳細はこちら→

講師の清田ですseita2

令和2年 二級建築士学科試験の講評を公開いたします。
昨日、二級建築士学科試験を受験された皆様、本当にお疲れ様でした。

■TAC合格推定点■
TAC合格推定点  60点以上
TAC各科目基準点 計画13点以上、法規13点以上、構造13点以上、施工13点以上

午前の計画の難易度が比較的高かったものの、法規、構造、施工とおおむね標準的な難易度だったことから、総合推定点は60点以上と考えられます。
なお、この推定点はTACが独自に算出したものです。
実際の合格点と異なる場合がありますことをあらかじめご了承ください。
試験実施機関による正式な合格発表は8月25日(火)が予定されています。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

それでは続いて総評です。

 ■計画■
やや難易度の高い問題でした。目新しい新規問題が多く出題され、受験生は難しく感じたことでしょう。1級建築士の問題から下りてきていた傾向がありました。ただし、過去問の知識を理解し、記憶していれば消去法で解ける問題も多く、過去問の知識で基準点は確保できたことでしょう。

・[№1]建築史の問題は新規の内容ばかりでしたが、過去によく出題されている「伊勢神宮内宮正殿」のキーワード「平入りの神明造り」、「掘立柱」、「2本の棟持柱」などを記憶していれば解けました。丸暗記ではなく、理解して覚えることが大切です。

・[№4]解答肢の2.「空気齢」の用語は、2級では新規で目新しいですが、1級では平成22年、24年、令和元年に出題されており、1級の問題が2級に下りてきている傾向を示しています。この問題は難問なので、捨て問でしょう。

・[№16・17]建築計画の問題では、高齢者や車椅子使用者に配慮した出題があり、「鉛直型段差解消機」、「便所のブースの出入り口有効幅」、「エレベーターに関する問題」などは、今年の計製図試験(高齢者の住まい)を意識した出題とも考えられます。

■法規■
やや易しい~標準的な問題でした。建築基準法20問、関係法令5問は例年通りでした。法規で高得点を確保し、総合点の点数を伸ばしたいところです。

・[№5]採光の計算問題、[№16]特定道路の容積率の計算問題などは、直前演習ゼミの講義でも今年出題の可能性の高い問題で優先して学習すべき!と案内した通り、出題されましたね!

・[№11]内装制限の問題は「学校は内装制限を受けない」ということを覚えておけば、法令集を調べるまでもなく解けました。このように、覚えられることは覚えておく!ことが法規で効率よく短時間で解くポイントです。

・[№18]斜線制限の問題は例年難しく、受験生の多くが得点しにくい問題ですが、今年は比較的簡単な問題でした。A点の高さは、道路斜線制限のみから決まり、緩和は「2以上の前面道路」と「セットバック緩和」の2つを使うだけでした。
・[№23~25]建築士法以外の関係法令では融合問題が2問、都計法が1問出題されましたが、難易度は標準的なものでした。

■構造■
標準的~やや難しい問題でした。№1~6の力学の問題の難易度が比較的高く、出鼻を挫かれた受験生もいたのではないでしょうか。ただ、後半の文章問題では、目新しい問題もあったものの、過去問の知識と各構造の原理・原則を理解ができていれば基準点は得点できたことでしょう。

・ [No.2]応力度の問題では、例年「単純梁」の応力度を求める問題でしたが、今年は「片持ち梁」で驚いた受験生もいたのではないでしょうか。ただ解法の仕方は同じです。

・[No.3]単純梁の荷重の種類を変えた場合の記述の正誤を問う問題ですが、難問でした。肢3、5と迷うところですが、肢3たわみについては、公式の係数まで正確に覚えていないと正誤を判断できません。これは捨て問でしょう。

・[No.4]この類の曲げモーメント図が示された問題は、近年よく出題されています。ただし、この問題も難問でしょう。


■施工■
標準的な問題でした。見た事がない新規の問題も見受けられましたが、過去問の正確な知識があれば惑わされずに得点できたでしょう。

・[№6]木造住宅の基礎の問題は、解答を見つけにくい難問でした。

・[№8]コンクリート工事では、打継ぎ面は湿潤にすること、[№12]鉄骨工事では、建入れ直しは本設の構造である筋かいを用いないこと、などその他の問題でも、基本事項を問う問題が多かったことが、標準的な難易度と感じた要因と言えるでしょう。

・[№23]測量の問題は、捨て問と言えるでしょう。受験生を惑わせるためのトラップのような問題です。このような問題には時間をかけず、他の問題で確実に得点することが合格の秘訣です。



二級建築士学科試験の総評は以上です。

――――――――――――――――――――

合格見込みの方、次は設計製図試験です

TACでは課題説明会が7/8(水)から始まります!

二級製図の「課題説明会」については、
こちらをご確認ください。

つかの間の休息をとった後、いよいよ設計製図試験に向けて頑張りましょう!







二級学科試験、お疲れ様でした!
全科目の解答番号を公開します!

20202qzenmon





【お知らせ】
1)二級課題「シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい」説明会 開催!
 今年の課題について講師が解説します!
 終了後は個別相談にも応じます!できたて!TACオリジナルプランを進呈します
 
 ●実施概要 予約不要・参加無料
  新宿校 7/8(水) 19:00~20:00 
  渋谷校・梅田校 7/12(日) 11:00~12:00

2)二級設計製図本科生「無料体験入学実施」
 初回講義を無料で体験可能!製図用具をご持参ください。

 ●実施概要 
予約不要・参加無料
 7/18(土)9:30~18:00/新宿校・八重洲校・横浜校・名古屋校
 7/19(日)9:30~18:00/池袋校・渋谷校・横浜校・梅田校
 7/22(水)9:30~18:00/新宿校

★イベントの詳細はこちら→

3)一級・二級 奨学生選抜試験 7/26(日)開催
 対象コースの受講料が最大80%OFF&参加特典あります。
 今年はオンライン受験でのみ実施します!申し込み締め切りは7/21(火)です。
 ※お申込みはインターネット上に限ります。
 ★詳細はこちら→

↑このページのトップヘ