TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

本試験情報

ほんだこんにちは、ホンダです。
 1級建築施工管理技士の二次検定の総評はTACのホームページに掲載してありますが、ここでは、経験記述について少しコメントを。

 本年の経験記述の問いを分析すると、次のとおりです。
大問1
あなたが実施した現場作業の軽減の事例を3つ上げて、以下の①、②、③、④、⑤を記述せよ。
①その工事名、②軽減のために実施した内容、③軽減が必要となった具体的な理由、④軽減によって低下が懸念された品質、⑤その品質を確保するための留意事項

 このように、本年の大問1は、問いに対して正面から全て解答しようとするとかなり難易度が高いことが分かります。

また、大問2は、建設現場での労働者の確保に関して、
①確保が困難な現場の直面した課題・問題点 ②この課題・問題点に効果があると考える取組や工夫

 要するに労働者不足の現場の問題点等を書き、そのための対策としての取組や工夫を書かなければなりません。これも難易度の高い出題です。

 ということで、本年の経験記述は、従来の出題に比べてかなり難易度が高いことが分かります。
次年度以降もこのレベルの出題になるとすると、相当の学習が必要になるでしょう。

 経験記述のテーマも、3つの繰り返しの時代は終わったと感じる本年でした。

ほんだこんにちは、ホンダです。

10月16日に、令和4年度の1級建築施工管理技士の二次検定試験が実施されました。
TACでは、翌日17日に試験の総評を、18日に速報として答案例をアップいたします。

いずれも夕方17時ごろを目途としていますが、是非ご期待ください。

【17日16:50追記】
試験の総評をアップしました。総評は下記からご確認ください(TACホームページへ)。

seita2
皆さん、こんばんは。講師の清田(せいた)です。
まずは本日、一級建築士設計製図試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした
無事に描きあげることは出来ましたでしょうか?
第一報として、試験の講評をどこよりも早くお届け致します


まず、大きな特色としては、非常に「自由度が高い課題」であったことです
建築物の「階数」も「床面積の範囲の指定」もなく、南北の道路からの道路斜線制限がかからない範囲で、かつ基準階の貸事務室A、Bの合計面積をクリアする計画が求められました。「何階建てにすればよいのか?」から考えさせる、実務に近い試験とも言えますね


今年の課題の主な特色は、次のとおりです。

1.事務所ビル
・「貸事務所ビル」として収益性が求められました。ただし、収益性に関しては、レンタブル比以外での対応が記述において求められました。
・要求室表内の貸事務室A、Bについて、床面積の「基準階の合計3,000㎡以上」は、貸事務室A、Bの合計が3,000㎡以上と読むべきか、文章通り、基準階(コアなども含む)の合計が3,000㎡以上と読むべきか、非常に解釈に迷うところで多くの方が悩んだ所でしょう。
・基準階が「2階から最上階の直下階」という条件もサプライズでした。最上階には、シェアオフィスが求められ、2つの貸事務室とは別運営の設定でした。
・天井高2.8m以上の高い天井高の要求でしたが、ダクトを通す計画でなければ、階高4mで問題なかったと思います。
・コミュニティホールは無柱空間で、設置階の指定はありませんでしたが、使用目的などから多くの方が1階に設けたようです。

2.事務所以外の用途
レストラン1室の要求でした。「建築物の外部から直接出入り」及び「屋外テラス席」の要求から、1階に計画することが順当です。課題文の要求では、異種用途区画は求められていませんでしたので、〇特の図示は必要ないと読み取ることが適切です。

3.屋外施設
(1)屋上庭園:シェアオフィスの利用者が利用し、シェアオフィスのラウンジに隣接する条件でしたので最上階への配置が適切です。
(2)駐車場:計3台の要求でした。サービス用はレストラン用なので、厨房への搬入動線などに配慮した計画が求められました。
(3)駐輪場:レストランの客用の要求なので、レストランの出入口への動線に配慮した配置が適切です。

4.地盤条件(地盤略断面図)
地盤略断面図が示され、支持層(N値=50以上の砂礫層)がGL-20mと非常に深い位置に設定されており、本課題の一番のサプライズポイントでした。課題文には、過去の課題文にはあった「杭打ちの必要なない。」の記載もなかったことから「杭基礎」の計画を要求していると読み取れます。なお、杭基礎の要求は過去の試験では一度もありませんでしたので、初出題となります。

5.設備について
・空調方式は、自分で方式を決める要求でしたが、空冷ヒートポンプパッケージ方式天井カセット型であれば天井ふところを抑えられ、階高4mで天井高2.8mが確保できました。
・給水方式は、受水槽+給水ポンプが求められましたので、ポンプ直送方式でした。
・貸事務室A、Bについての排煙方式が記述で求められました。貸事務室の開口部を利用した自然排煙を採用すればよいでしょう。

6.法規について
・課題文の中に、道路斜線制限の斜線勾配の記載がありませんでした。近隣商業地域及び準防火地域でしたので、これまで通り1.5の勾配で検討すればよいでしょう。
・南北の幅員が同じ2面道路でしたので、使える道路斜線の緩和はセットバック緩和のみでした。
・要求図書内において、延焼ラインの記載要求のところで「建築物の延焼のおそれのある部分の有無にかかわらず必ず記入する」という新しい表現がありました。建物に延焼ラインがかからずとも、必ず図示しなさいと読み取ることができます。
・バリアフリー法の「建築物移動等円滑化基準」を満たす計画とともに、屋上庭園やレストランの屋内外の出入口部分に段差なしの要求がありました。また、利用者の多様性に配慮した計画とすることが求められました。

7.要求図書
細かい内容の描き込みの要求があり、漏れなく図示できたかがポイントです。
・1階平面図・配置図への「建築物からの敷地境界線までの最小後退距離」の図示
・基準階平面図への「記述(7)に記入したペリメータ―ゾーンの切断位置」、「シェアオフィスの出入口及び室内プラン」の図示
・断面図への「塔屋を除く建築物の高さ」の図示
・断面図への「南北の道路からの道路斜線、斜線勾配、最小後退距離、計算式等」の図示
・基礎の図示

8.計画の要点等について
・省エネ及び二酸化炭素排出量の削減について、問われました。対応例として以下に挙げます。
①パッシブ技術→建築的手法として、ルーバー、庇、LOW-E複層ガラスなど
②アクティブ技術→機械的手法として、ヒートポンプ式空調など
③その他(創エネ技術、材料の選定等)→太陽光発電システムなど
・貸事務室のペリメータ―ゾーンにおいての断面詳細が分かる図やイラスト(縮尺1/50程度)と大きな作図が求められました。



講評は、以上になります。
長時間にわたる試験、及び、長きにわたる受験勉強、本当にお疲れ様でした。
「果報は寝て待て」です。
皆様の努力が実り、合格されることを祈っております
しばらくはゆっくりと休んでください
本当にお疲れ様でした




★明日10/10(祝・月) には
TACホームページにて、オリジナルの答案プランを掲載します(14時予定)

以下のリンクから是非ご覧ください↓


井澤です。

一級建築士 学科試験 構造No.17の解答番号を3から1に訂正します。(7/25 15:30)

https://www.tac-school.co.jp/kaitousokuhou/downloads/140_2022_1kyu%20sokuhou2.pdf

本当に申し訳ありません。


判断根拠は下記のとおりです。
[肢1]
2020年版 建築物の構造関係技術基準解説書 p.630の16~26行目
[肢3]
2020年版 建築物の構造関係技術基準解説書 p.374の36~37行目 及び p.375の7~10行目
 
 
 
 

井澤ですいざわ

昨日、一級建築士学科試験を受験された皆様、緊張の中での長丁場、本当にお疲れ様でした。
実力は発揮できたでしょうか。

TACでは、普段の講義やテストはもちろん、公開模試直前演習で学習した内容から数多く出題され、得点UPに役立ったのではないかと思います。

TACの合格推定点は次のとおりです。
――――――――――――――――――――
■総得点
 90点
■科目基準点
 各科目過半(計画11点、環境11点、法規16点、構造16点、施工13点)
――――――――――――――――――――
計画が昨年よりもかなり易しくなり、構造がやや難しい、施工が難しいことを総合すると、全体として標準的な難易度であることから、総得点は90点をTACの合格推定点とします。

・計画 易しい
・環境・設備 例年どおり
・法規 例年どおり
・構造 やや難しい
・施工 難しい

以下、各科目の特徴などを説明します。

 ■計画 
●難しかった昨年の反動からでしょう、標準的な難易度に戻りました。
●実例建築物の出題が昨年の8問から5問に大幅に減り、その全てに過去問が含まれていたこと、新規問題もミレニアムドーム2000(No.3)、プルーイット・アイゴー(No.7)、国際子ども図書館(No.17)など著名な建築がふくまれていたことが、易しくなった理由と言えます。
環境配慮(No.1カーボンニュートラル)、木材等(No.5)、木造の屋外階段等の防腐措置(No.5)、防犯計画(No.7)、高齢者等への配慮(No.9、12、16)、住宅セーフティネット制度(No.12)など、極めて教育的、啓蒙的な出題であったと思います。この出題傾向は今後も続く重要なテーマと思われます。
●新規問題の道後温泉(No.11肢1)はTAC公開模試No.16の解答肢です!「歴史地区の保存と歩行者ネットワーク」の点で注目されているため出題が予想されたのです。

 ■環境・設備 
●環境・設備は、例年どおりの難易度でした。
●次のような過去問の応用が印象的です。過去問を正しく理解することの重要性が分かります。
 ①過去の誤りの記述が正しい記述として出題された例として、日照図表(No.1)。
 ②カラレーション(No.9肢1)は過去問の「音色の変化」を「音の高さの変化」にした誤り
 ③ひっかけ問題とも言えるようなAPFの定義の分母と分子の逆転(No.19)。
かなり古い過去からの出題である立体角投射率(No.7)、床衝撃音遮断性能に関する等級・空気音遮断性能に関する等級(No.10)、クリーンルームの空気清浄度(No.13)、配線用図記号(No.16)も目立ちました。
●新規問題のブーミング現象(No.1肢3)はTAC公開模試No.9の解答肢です!
●新規問題の潜熱回収型ガス給湯機(No.15肢1)はTAC公開模試No.14ほぼそのままの出題です!
●新規問題のNearlyZEB、ZEB Ready、ZEB Oriented直前演習でも講義でも扱いましたね!

 ■法規 
●法規は、例年どおりの難易度でした。
●次のような新しい出題形式が印象的です。より実務に近い出題形式と言えます。
 ①No.23(建築士法による義務付けの対象等)・・・解答肢2について、一級・二級・木造建築士の定期講習の受講義務は、建築士事務所に属する場合に限られることを暗記で対応して欲しかったところです。
 ②No.28(窓の寸法等から法適合を判断する問題)・・・排煙上の無窓居室(床面積の1/50未満)に該当するため、ハの記述が誤りであることが分かると、解答肢が2のみに絞れました。
●No.1は、平成24年にも出題されている、面積、高さ、階数についての良問です。これも、より実務に近い出題形式と言えます。
●No.2肢4は、木造の屋外階段等の防腐措置に関連する時事的な出題と言えます。
●No.17の容積率、No.18の高さの最高限度の計算問題は標準的な難易度ですので、確実に得点したいところです。
●No.22肢4は、二級・木造建築士として3年以上の所定の業務に従事した後、管理建築士となっていれば、一級建築士を取得してすぐに一級建築士事務所の管理建築士になれるという内容です。

 ■構造 
次のような点から、やや難しい問題でした。
●力学の問題では次のように過去問を応用させた問題が出題され、過去問の正しい理解が問われています。
 ①No.1(垂直応力度分布から圧縮軸力、曲げモーメントを求める問題)は、複数出題されている過去問では切りよく(たまたま)フランジが曲げモーメント、ウェブが圧縮軸力のように分かれていたものが、今年は設問図-1の縦部材(高さ6a部分)にも一部曲げモーメント負担分が生じているという点で、難度が上がっています。
 ②No.7(ラーメンの固有周期)は、複数出題されている過去問では1スパンであったものが、今年は2スパンの建築物Bも含まれているという点で、難度が上がっています。
No.15とNo.16(ともに鉄骨構造)は、ともに解答肢は難問ですが、残り3肢は過去問です。しかも3肢とも、限界細長比、断面二次半径など「正確に覚えるのが難しい過去問」の典型例です。このNo.15とNo.16の結果を見るだけで、正解できた方は合格と言っても過言ではないと思います。このような問題が解けるようになることこそ「合格への道」と言えます。
●No.18肢4は、山形鋼筋かい材の有効断面積は、突出脚の無効部分を除くという過去問の応用問題と言えます。
●新規問題の「積雪後の降雨を考慮した積雪荷重の強化(No.8肢3)」は直前演習でも講義でも扱いましたね!

■施工 
施工は、近年、難しい出題が続いています。
●No.13(鉄骨工事)の解答肢は2で、高力ボルト用の孔あけ加工について、過去問で頻出のとおりドリルあけは正しいのですが、「工事現場」でのドリルあけは不可、という初めての論点からの誤りでした。この問題の教訓は、やはり、肢1の鉄骨製作工場のグレードの順番であるJ、R、M、H、S(特にRとM。Mは真ん中のM)、肢3の高力ボルト摩擦面のすべり係数は0.45以上(一方、溶融亜鉛めっきは0.40以上)、高力ボルトのねじ山の出は1山から6山まで(一方、ただのボルトは3山以上)を正しいと確信を持てたか、なのです。
●No.16肢1について、「防水シートは引っ張ると必ず戻るから引っ張らない(一方、カーペットのグリッパー工法は端部のグリッパーに引っ張って引っ掛ける)」これが比較整理できている必要があります。
直前演習からたくさん出題されましたね! スパイラル筋の重ね長さは50d以上(No.8図の問題)、型枠支保工の鋼材の許容曲げ応力(No.9)、湿潤養生10N/㎟以上(No.9)、塩化物イオン量0.30㎏/㎥(演歌はおっさん)、鉄骨溶接部の表面割れは50㎜以上除去、ブローホールなどは20㎜以上除去して補修溶接(No.14)、設計・監理の約款において「委託者の責めに帰することができない事由」による損害賠償は請求できない(一方、業務報酬は請求できる)(No.25)などなど、本当に数えきれないほど良く当たりました。

総評は以上です。

――――――――――――――――――――

■合格見込みの方
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