お待たせいたしました。
一級建築士「設計製図の試験」の答案プランB及び最新版の講評(10/16版)を
TACホームページに掲載いたしました。
是非、ご覧ください。
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TAC建築士講座ホームページはこちら
http://www.tac-school.co.jp/kouza_kenchiku/
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平成26年 一級設計製図試験 答案プラン及び講評を掲載!(TACホームページ)
一級建築士「設計製図の試験」、大変お疲れ様でした。
本試験当日の夜に、こちらのTAC講師室ブログにて速報(講評)を掲載いたしましたが、
本日、TACホームページに講評及び答案プランを掲載いたしました。
是非、ご覧ください。
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平成26年 一級設計製図試験 速報(講評)!
TAC受講生、全受験者のみなさん大変お疲れ様でした。
以下、早速ですが講評をしていきたいと思います。
設計課題 温浴施設のある「道の駅」
平成26年1級建築士 設計製図試験課題は、道の駅に求められる「休憩・情報発信・地域の連携機能」が備わった基本通りの出題でした。したがって、TACの講習で全8課題を通じて学習してきた設計条件でしたので、概ね想定範囲内の試験であったといえます。
目的地までの中継施設としての位置づけから、“自然景観に恵まれた立地”において、休憩施設としての十分な共用便所スペース及び周辺地域の特産情報等の発信機能を持つ『道の駅』の機能を一つの建築物に集約させた順当な出題だったわけです。
周辺の景観に配慮した勾配屋根の計画は、昨年に続いての出題でしたが、 “梁を設けない大きな吹抜け空間(80㎡以上)”と“勾配屋根”とを有効に活用した室内空間計画、自然採光・通風計画が一層明確に求められた点が最も大きな特色です。
特に意外な設計条件などはなく、シンプルであったことから、難易度は標準で、受験者の完成率は昨年同様に高くなると思われます。
1.敷地条件
①北側の18m道路に接道した駐車場、その駐車場の南東角に隣接する建設敷地、南側に6m道路を挟み、渓流を望む良好な景観が与えられ手イル敷地条件から、諸室の景観側配置が採点のポイントになります。
②建ぺい率は70%と厳しい制限ではありませんでした。
2.建築物の構造・規模等
・建築物は、構造は自由、地上2階建、延べ面積1,800㎡~2,200㎡でした。
3. 主要な部門構成及び利用者ゾーンの計画
①休憩・情報部門 便所は男性用便所が便器数15器(大5、小10)、女性用便所が便器数大13器の出題でした。その他、授乳室、キッズコーナー、自販機コーナー、公衆電話コーナー、交通情報・観光情報パネルの設置、観光案内カウンターが“休憩・情報スペース”として、ひとまとまりの空間として出題されました。共用のエントランスホールにおける24時間ゾーンの区画がポイントです。
②店舗・料飲部門 200㎡の地域特産品売場及び50㎡の冷蔵庫、食品加工所、倉庫からなる仕分け室、その他に客席50席のレストラン及び50㎡以上の屋外テラス
③温浴部門 受付のロビー、男女各定員15名の浴室、30人利用の和室
④共用部門 20人が会議、ワークショップ等に利用する多目的室
⑤管理部門 職員4人の事務室、外部から利用できる防災備蓄倉庫、維持管理・機器の更新に配慮した設備機械スペースの計画
4.屋外施設
①1階又は1階の屋上にレストランと一体利用できる屋外テラス(50㎡以上)
②地上に、屋外休憩スペース50㎡以上
③駐車スペースは、車いす使用者用2台分、サービス用2台分
駐車場からの1階のメインアプローチとサービスアプローチの分離、利用者の使いやすい共用便所の配置、また、南道路に接道する敷地であることから、南道路からのサブアプローチの計画は必要となります。主要な諸室の景観側配置が配置計画上、最も重要な条件です。
特筆すべきは、設備スペースの設備機器のうち、「浴槽ろ過機」、「非常用発電機」、「空調機」の設置場所及び維持管理、機器の更新について、また、給湯設備の熱源方式及び設置場所について配慮した点が記述で求められ、設備機械室と浴室との配置関係が、特に採点のポイントになるものと思われます。
地域特産品売場と仕分け室、防災備蓄倉庫以外の要求室の床面積が“適宜”指定でしたので、収容人数から適切な居室規模を想定しなければならない反面、比較的床面積の厳格な制約がないことから、各階、各要求室をバランスよく、整然とまとめる計画力が問われる試験になりました。
今年度は、常識的な構造計画及び設備計画に基づいた「設計」の完成度と、「製図」の表現力、「記述」の説明能力の質が、一層問われる試験になったといえます。
では、試験の主な採点のポイントを探ってみましょう。
敷地面積が1800㎡に対して、建築面積の最大限度は1,260㎡となり、標準的な経済グリッドでいえば、図のように7m×6mグリッドで約30コマ分、7m×7mグリッドで約25コマ分が限度の目安になります。通常の配置計画がされていればこれに抵触することはないと思いますが、バルコニーや軒の出が1mを超える場合は、その部分も算入されますし、ピロティなどの計画により、建築面積の限度に万一違反すると失格又は採点上大きなマイナスとなります。
2.アプローチ計画
①メインアプローチ、サブアプローチ、サービスアプローチの計画
“利用者及び車いす使用者用駐車スペース”と“職員及びサービス用駐車スペース”の駐車場からのアプローチは分離しなければなりません。アプローチを機能的に2箇所に分けて計画します。また、エントランスホールは、南側道路からもアプローチできるように、通り抜けの計画としておけば問題ないでしょう。
②共用便所のアプローチ計画
外部から利用でき、エントランスホールからも利用できるように計画するのがベストです。その場合、洗面所の部分で“内外部から利用できるようにする”計画が最も望ましいといえます。
内部から利用できない場合でも、エントランスへのアプローチは、ピロティ状の通路などにより短い動線で計画することが必要です。
3.ゾーニング・動線計画
大きくは、管理部門を除く利用者ゾーンである各部門と管理部門のゾーニングととらえて計画することができますが、その内容をもう少し、整理してみます。
①24時間ゾーンの管理上の区画
24時間供用される休憩・情報部門は、共用のエントランスホールで、店舗・料飲部門や1階の階段・EVホールと管理上の区画ができるように、まとまったスペースの計画が必要となります。試験では、区画を破線表示で示すように指定されました。
②管理部門のゾーニングと動線計画、2階の避難計画
ゾーニングとしては、まず、利用者が使用するゾーンと管理部門が明確に区分され、かつ、管理部門内のサービス廊下(動線)が、利用者ゾーンの共用廊下と連絡する動線計画でなければなりません。特に2階の避難計画上、居室は、浴室のような利用形態上やむを得ない場合を除き、共用の廊下やホールから2方向避難を計画しなければなりませんから、この廊下の計画は非常に重要です。2階に公衆浴場や飲食店がある場合は、その階すべてがこれらの用途として基準が適用されますので、内装の制限による緩和を適用しても直通階段の一つに至る歩行距離が40m、複数の全ての直通階段との重複距離は、20m以下としなければなりません。
③要求室の階の振り分け
地域振興策の中心となる特産品売場と管理部門の主な室を1階に、共用部門の多目的室や温浴施設及びレストランなどを2階に計画するのが最も基本的なゾーニングです。特にメンテナンスを考慮し、設備機械室の1階配置は採点上大きなポイントとなります。レストラン及び屋外テラスは、2階及び1階屋上に計画するのが妥当ですが、「屋外テラスは、地上又は1階の屋上・・」とありますので、店舗・料飲部門であるレストランを1階に、屋外テラスを地上に計画することも可能であったものと思われます。ただ、その場合、1階の計画が厳しくなりますが、設備機械室を安易に2階に配置する計画としないことが、維持管理上も重要です。
④事務室の配置と管理部門の配置
事務室には、案内窓口は要求されなかったことから、必ずしもエントランスに面した配置としなくても問題ありません。ただし、管理上できるだけアクセスしやすい位置でなければなりません。また、事務室は、立地条件から考えて、自然採光や換気を取り入れた計画とし、無窓居室として計画することは望ましくありません。通用口からエントランスホールにつながる管理部門内の廊下の計画が1階の動線計画のポイントです。
4.平面計画
①眺望に対する配慮
「眺望に配慮する」という条件は、レストラン及び休憩室(和室)でしたので、南側配置が適切です。またその他の室についても、なるべく次の優先順を目安に、景観側配置としておくことがプラス評価につながります。
優先順位〔レストラン>休憩室・浴室>売場、多目的室〕
②吹抜けの計画
特に位置は指定されず、まとまった80㎡以上の吹抜けが要求されましたが、24時間ゾーンの区画をすることから、休憩・情報部門や共用のエントランスホールよりも特産品売場部分の設ける方が無難です。また、レストランを2階に設けた場合は、この吹抜けにより1・2階の空間のつながりが計画できればベストです。また、梁を設けない計画とすることが求められましたので、グリッド単位での空間計画が望ましいことがわかります。
③レストランと屋外テラスの計画
店舗・料飲部門として要求されたレストランと一体利用の屋外テラスについては、共用部からの連絡は必要なく、レストラン専用のテラスと考えることができます。
④要求室の規模等(家具等の配置については、後日公表する本試験答案プランを参照ください)
床面積が適宜の要求室は、次の標準面積が目安になります。
ただし、下記の床面積に固執するよりも、所定の居室面積が確保できなくても、廊下の計画(まっすぐ見通しの良い計画)を優先し、「平面計画全体のバランス」と「間仕切壁が柱割りと一致した整然とした計画」が優先すると考える方が適切です。
5.勾配屋根に関する設計上のポイント
①勾配屋根の構造計画
勾配屋根をRCスラブで剛床として設計した場合、勾配屋根によるスラスト(柱を押し広げる水平力)に配慮して、2階柱の断面を1階柱同寸とすること、大スパン梁や小梁を、勾配と直行するけた行方向に水平に設けることなどがポイントとなります。また、鉄骨造とした場合は、屋根の剛性をどのように配慮したかがポイントとなるでしょう。
②各階における設備スペースの計画
勾配屋根のため、屋上に設備スペースを設けることが難しいことから、1階の設備機械室、又は地上、もしくは1階屋上に適切な広さの設備スペースを設けなければなりませんが、いずれの場合も保守点検やメンテナンスに十分配慮した計画でなければなりません。
③屋根勾配を活かした空間計画
勾配屋根を利用した、天井高さの計画や天窓(トップライト)や頂側窓などによる自然採光及び通風を取り入れた計画が必要となります。
6.設備計画に関する設計上のポイント
①設備機器のメンテナンス
維持メンテナンスに配慮し、出来るだけ1階の管理部門内にまとめ、外部からの機器の搬出入などに配慮した開口部の計画が望まれました。
②設備機械室のスペース(計約130㎡)
受変電設備室(電気室):約30㎡
空調機械室(単一ダクト用):約20㎡
受水槽・ポンプ室及び給湯設備室:約80㎡
③給湯設備計画・ろ過設備機器の設置位置
循環型中央給湯方式とし、設備機械室は、2階浴室の直下に計画し、配管に配慮した計画とします。男女浴室用にそれぞれ必要となるガスボイラー(2m×2m程度)、貯湯槽(φ2m程度)、ろ過装置(φ1m程度)などの設備機器について、一定の知識が問われました。答案図中に機器を示しておくこともプラス評価のポイントになったかもしれません。受水槽室と併せて約80㎡程度の床面積と、その他、循環ポンプ、膨張タンク(密閉式)などの配置を想定した機械室の形状が採点上問われます。
以上、平成26年 一級設計製図試験の講評です。
なお、TACオリジナル答案例を、10月15日(水)TACホームページに掲載する予定です。
今しばらくお待ちください。
10/12の建築士設計製図の試験について(10月12日7時現在)
沖縄県の沖縄職業能力開発大学校における一級建築士及び木造建築士の設計製図の試験が、台風19号による交通機関等への影響により、中止になりました。
詳細は、下記のホームページをご確認ください。
建築技術教育普及センターのホームページ
平成26年 二級建築士設計製図試験 答案例 その2
こんばんは、講師の清田です
2014年の2級建築士製図試験も終わり、皆さんも少し落ち着いた頃でしょうか
今日は、速報で当日の夜に皆さんにお伝えしたプランと
もうひとつ別のプランをご紹介しましょう
(もちろん登録なしで無料で公開しちゃいます)
・このように夫婦寝室を南面させない場合は、東または西方向に隣地あきを広めに確保することが大切です
・1階のLDKの上部に吹抜を設け、2階の面積調整(この方法は講義の中でも学習しましたね!)をしただけでなく、1・2階で交流のできる魅力的な多目的室を計画しています
TACの講義の中で学習したプランニングの考え方に沿って、水廻りを北側に平家で張り出したこのようなプランのパターンもアリですね
今年も、ふたを開けてみれば、階段に取り付けて昇降する「階段昇降機」やら、
「2階へのエレベーター設置」などなど、特殊な課題条件はやはり、TACの予想通り、出題されませんでした!
課題に対して、シンプルかつスタンダードな考え方を、TACの講座では一貫して行ってきたので
やはりその考え方は、間違っていなかったと我ながら自負しております