TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

イザワ

井澤です。いざわ

今年の一級建築士学科試験「構造」で難しかった問題の一つに〔No.10〕木造軸組工法の耐震改修が挙げられます。

耐震改修の方法として、最も効果の低いものはどれかという問題です。(一部簡略化)
1. 既存の無筋コンクリート造の布基礎に接着系のあと施工アンカーによる差し筋を行い、鉄筋コンクリート造の布基礎を抱き合わせた。
2. 1階の床下地材を、挽板(ひきいた)から構造用合板に変更。
3. 1階の耐力壁が偏在していたので、2階床組の水平剛性を高めた。
4.
 屋根葺き材を、日本瓦から住宅屋根用化粧スレートに変更。

正答は2.です。
3.4.は過去問の応用で解けるとしても、枝1.2.は新テーマだったので難しかったと思います。
1.は抱き合わせ基礎と呼ばれ、効果的な耐震改修方法です。
2.について
地震力は、2階床組や小屋組等の水平構面から、柱や耐力壁等の垂直構面に伝わり、土台、基礎、地盤へと伝わります。したがって、2階床組や小屋組等の補強は有効なのですが、1階では耐力壁等から、土台、基礎、地盤へと力が伝わり、1階床組を介さないため、1階の床下地材を、幅の狭い挽板から構造用合板に変更して補強しても、耐震性の向上にはほとんど効果がありません。

実はこの問題、なんと木造建築士試験のリメイクでした。
平成24年「構造」No.18です。
http://www.jaeic.or.jp/mk-mondai-h24-gakka34.pdf

木造建築士試験の試験機関は、一級・二級建築士と同じく(公財)建築技術教育普及センターです。
受験者数の減少など課題もあると思いますが、さすが「木造建築士」という感じの出題でした。

井澤です。いざわ

毎年、設計製図試験の合格発表時に試験機関である(公財)建築技術教育普及センターから「標準解答例」が発表されていることを知らない人が意外と多いようです。
昨年の平成24年試験について、今でもセンターのホームページで閲覧、ダウンロードすることができます。

一級建築士

http://www.jaeic.or.jp/1k-mondai.htm

二級建築士

http://www.jaeic.or.jp/2k-mondai.htm

センターは、標準解答例のことを「合格水準の標準的な解答例をいう。」としています。
つまり、あくまで「標準」であり、「模範」解答例ではないということではありますが、合格答案の目安ですから、特に図面上どの程度までの表現が求められているかについて大変参考になります。

井澤です。いざわ

建築用語のうちで、一般の方には違う意味になってしまうものの代表と言えば、ラーメンとクリープが挙げられます。

クリープとは、比較的小さな力であっても、外力が長時間継続して作用したときに、時間の経過とともにひずみが増大する現象です。
クリープは木材とコンクリートで生じやすく、クリープ変形が生じた場合、その荷重を取り除いても変形は元の状態には戻りません。

クリープは
Creepと書きます。
goo辞書によれば、Creepには「乗り物がのろのろと進むこと。特に、オートマチックトランスミッション
を搭載する車両などで、エンジンがアイドリングの状態でアクセルを踏まなくても徐々に前へ進む現象のこと」という意味もあります。徐々にひずみが進行するのでクリープというわけです。

さて、「お約束」といった感
がありますが、コーヒーに入れるクリープのほうは 
Creap です。
こちらは「Creamy Powder」の略
です。

テレビで聞いた話ですが、しょうゆラーメンにクリープを入れるととんこつ味になるとか・・・。真偽のほどはいかに。

井澤です。 いざわ

下町紹介ならぬ地元紹介になりますが、私はひばりヶ丘に住んでおりまして、近くに「ひばりが丘団地」があります。
日本住宅公団(現UR都市機構)のマンモス団地の先駆けとして有名ですが、老朽化により立て替えが進み、今ではストック再生実証試験のほうでも有名になっており、1級建築士試験でも平成24年に計画No.11で次のような出題がありました。

問題 『ひばりが丘団地(東京都東久留米市)は、解体せずに再生・活用する技術的手法を検証するため、解体予定の住棟を用いてストック再生実証試験が行われた団地である。』

これは正しい記述です。
解体(スクラップ&ビルド)ではなく改修(リノベーション)というわけです。ストック対策は社会的に重要性が高まっており、建築士試験でも重要テーマとして出題が増えています。
下の写真は躯体だけを残して開口部や手すり等が撤去された状態です。

hibari
 

さて、今年の2級建築士「構造」No.19で次のような出題がありました。

問題 『建築物の最上階又は最上階から複数階を撤去する改修は、建築物の重量を低減できるので、耐震性の向上に有効である。』

これも正しい記述です。
地震力は、建築物の重量に地震層せん断力係数を乗じて求めることから分かるように、建築物の全体の軽量化は、耐震性の向上に有効なわけですが、このような「減築」の事例にどのようなものがあるかを調べてみたら、これまた「ひばりが丘団地」が先駆けでした。
下記、UR都市機構ホームページをご覧ください。

http://www.ur-net.go.jp/rd/rn1/technical/

http://www.ur-net.go.jp/rd/rn1/technical/pdf/07.pdf

 

井澤ですいざわ

昨日に引き続き・・・。
「Worst question of the year」として、まずは1級の法規で問題に疑問が生じているNo.19とNo.23が挙げられると思います。そのあたりの詳細についてはホンダさんの記事を参照してください。

それを除いて考えると、なんと言っても2級の計画No.6で出題された熱損失係数の計算問題でしょう。
熱損失係数は、省エネ法の改正で今年10月に廃止されるんですよ(経過措置1年半)
熱損失係数に代わって外皮平均熱貫流率という新しい指標が導入されます。
それなのになぜ今年出題されなければならないのでしょうか?

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