TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

セイタ

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こんにちは、清田(セイタ)です

皆さんは設計製図試験の「吹抜け」の要求には様々なバリエーションがあることをご存じでしょうか

まずは「課題文の中のどこで要求されるのか」によって、過去には次の3パターンがあります。
エントランスホールの特記事項に「吹抜けを設ける」と要求(平成22・25・27・30年)
要求室表の上欄に「適切な場所に吹抜けを設ける」と要求(平成24・26年)
要求室の室名に「吹抜け」として要求(令和元年)

その他にも、次のような「吹抜けについての要求」があります。
1.3層吹抜け
建物が3階建てで、2層ではなく3層とする場合、「3層の吹抜けとする」や「1階から3階の吹抜けを設ける」と直接的な条件で要求されたり、「トップライトを設ける」という条件を付加されて、断面的な計画の制約をかけたりしてきます。
2.形状の要求
令和元年では「短辺/長辺を1/2以上の整形」といったように、形状についての要求もされてきており、近年はただ穴を開ければいいといった計画では通用しない傾向となってきています。
3.パッシブデザイン
平成28年、29年、30年で出題された「パッシブデザイン」を取り込むためのアイテムとしても「吹抜け」は有効になります。「計画の要点」の記述で問われることもあるので、記述対策も併せて行うとよいでしょう。
4.構造的な要求
平成26年、27年では、「その吹抜け部分は梁を設けない構造計画とする」といった要求があり、「構造グリッド単位で面積を確保する」か、「グリッドをまたいだ場合は大梁を設けない計画とする」といった対応が必要となります。吹抜け

以上、これから受験される方は「吹抜け」と一言で言っても、過去には様々な条件が要求されていることを知っておくべきでしょう



講師の清田ですせいた

一級建築士設計製図試験の受験された皆さま、本当にお疲れ様でした

本試験課題を私なりに解いてみたのでご紹介したいと思います。
(完璧なプランではないのでご了承ください


(1)アプローチの計画
駅や店舗付き集合住宅の並ぶ東道路をメインアプローチと考え、
①住宅、②自転車(住宅用)、③学習塾、④自転車(学習塾用)、⑤カフェの5つのアプローチを東道路から確保しました。
住宅のアプローチは、西道路にサブエントランスを設け、東西に抜けられる動線を確保しました。
駐車場は西側に計画し(一部ピロティ駐車場)、車椅子使用者用はサブエントランスに近接させました。

(2)学習塾・カフェの計画
学習塾の各室は、法的な採光が不要なので外壁に面して計画することは割り切りました
カフェは東道路に面して設け、厨房からのサービス動線も南側に確保しました。

(3)設備スペースの計画
受水槽室、消火ポンプ室、電気室などの設備スペースは北西側にまとめて計画し、屋内・屋外の両方からの動線を確保しました。
ゴミ保管庫も北西の一角にまとめ、入居者・管理人ともに使いやすい位置としました。

(4)住戸の配置
2階の南側に屋上庭園および屋根(屋上緑化)を設け、住棟を1スパンセットバックさせることで十分な南側の日照を確保しました。
住戸は南側に優先して配置し、納まらない住戸は採光に配慮して東・西の道路側へ向けました。
各住戸の要求面積は、バルコニー・共用廊下の奥行寸法による調整だけでなく、アルコーブや光庭を用いました。

2021_1級建築士設計製図本試験 オリジナル答案例


※なお1/400の手描きなので、歩行経路、延焼ライン、防火区画などの法的な内容は見た目が煩雑になるので図示を省略しています。あくまでプランだけ参考に見てください。
また、共用廊下も安全側で全て床面積に入れているので、延べ面積がデカくなっています




seita2こんにちは講師のセイタです
いよいよ今週末、二級建築士の学科本試験ですね。
試験までの残りの期間、悔いの残らないよう、有意義に過ごしてくださいね

さて、設計製図講座に関してのご案内です。
今年、設計製図受験2年目、3年目の方へ
7月中旬の講座の開講に先駆け、今から視聴できる動画を「TAC WEB SCHOOL」へアップしました
二級建築士設計製図_作図実況中継
今年の木造課題について、合格する図面はどう描くのか?どれくらいのスピードで手を動かすのか?
各図面の描き方の手順は?気になることはたくさんあると思います

この動画は、実際の合格者の作図をリアルタイムで撮影し、わたくし、セイタが作図上の注意点を実況中継したものです。
講座が始まる前の予習として「作図上の注意点」をノートにメモしておくと効果的です!

二級建築士設計製図_伏図

既にTACの設計製図講座にお申込み済の方は「TAC WEB SCHOOL」へ今すぐアクセスして、他の受験生に差をつけましょう

お申込みをご検討の方は、お申込後、すぐに視聴することができますよ


早めのスタートを切って、確実に、二級建築士設計製図試験の合格を勝ち取りましょう




seita2
こんにちは。

TAC二級建築士の講師の清田(セイタ)です


本日、令和元年の二級建築士設計製図試験の課題が発表されました。

課題から読み取れることを、どこよりも早く速報としてお伝えします


■令和元年 二級建築士試験「設計製図の試験」の発表課題

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「夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅(木造2階建て)」

◆要求図書

1階平面図兼配置図[縮尺1/100]

2階平面図[縮尺1/100]

2階床伏図兼1階小屋伏図[縮尺1/100]

立面図[縮尺1/100]

断面図[縮尺1/100]

部分詳細図(断面)[縮尺1/20]

面積表

計画の要点等

(注)答案用紙には、1目盛が4.55ミリメートル(部分詳細図(断面)については10ミリメートル)の方眼が与えられている。

◆注意事項
試験問題を十分に読んだうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。

なお、解答内容が、設計条件を充たしていない場合や要求図書に対して不十分な場合には、「設計条件・要求図書に対する重大な不適合」と判断されます。


 

■課題の分析■
1.「木造2階建て」について

TACで想定していた通り、今年は「木造2階建て」の課題となりました。

木造についての設計製図は、今年学科から初受験する受験生も、昨年RC造課題を経験した2度目の受験生も共に始めてなのでスタートラインは一緒です

本試験までたった3ヶ月間という短期間でRC造の計画とは異なる、木造の構造や作図表現などを身に付けねばなりません。時間は限られているので、効率良く実力を付けることができ、かつ、お財布にもやさしい資格スクール選びをしましょう


2.建築設計事務所を併設

いわゆる「店舗併用住宅」の課題と言えます。木造の店舗併用住宅の課題については、これまで過去にもレストラン、喫茶店、工房のある工芸品店、英会話教室など、たくさんの用途が出題されています。今年度の類似課題としては、ずいぶん昔ですが、昭和63年度「インテリア設計事務所併用住宅」があります。今年が令和元年ですから、平成をまたいで久しぶりの設計事務所の課題です。

当時は、事務所の所長席や、所員用の製図台3台、カタログ等の収納棚、クライアントとの打合せ用の応接コーナーなどの記入が要求されましたが、今の時代、設計はPCを使ってCADで行うことが主流ですから、要求事項もおそらく変わるでしょう

また店舗併用住宅では、住宅と店舗の管理区分を考慮した、適切なゾーニングや動線計画が計画のキモとなります 


なお、文末に最も近年に出題された平成25年の木造店舗併用住宅の課題について、「TACオリジナル答案例」を掲載しましたので参考にしてください。

 


3.要求図面について

要求図面については、平面図、立面図、断面図、伏図、部分詳細図、計画の要点(文章の記述)とあり、近年の定番として出題されている図面ばかりで、特に目新しいサプライズはありません。

ただRC造課題とは異なり、木造課題は要求図面が多い(作図量が非常に多い)ことから、合格するためには、より速い作図スピード、正確かつ綺麗な作図表現、が求められるでしょう

また、受験生の多くがニガテとする「伏図(柱や梁の架構計画や断面寸法を記載する図面)」は、構造を理解しないと絶対に描けない図面なので、適切な訓練が必要となります。

また「部分詳細図(断面)」は、「部分的な矩計図(かなばかりず)」です。次の3つの部分の部分詳細図のどこが出題されるのか試験当日まで分かりませんので、全ての部分についての練習が不可欠です。

●基礎部分

●2階床組部分

●屋根・軒先部分

TACの講座では、それぞれの部分詳細図の作図手順を分かりやすく解説しています
2019_2級設計早期②_1_断面,立面,部分詳細図の作図手順012019_2級設計早期②_1_断面,立面,部分詳細図の作図手順04

4.注意事項の記載

今回、課題発表時に「注意事項」が新たに記載されました。「問題文に忠実に従う」ということは、これまでの設計製図試験でも採点上の非常に重要なことでしたが、それをあらためて念押しした形です。なお、昨年の1級建築士の課題発表時にも、同様な注意事項が加わりました。


5.近年の出題傾向を踏まえた受験対策を

近年の試験は、見た事がないサプライズ条件は出るものの、それらは受験生の多くが対応できません。という事は、それ以外の要求について、計画・作図をきちんと行えるかどうかが合否を分けます。

試験までの限られた期間で、膨大な量の課題をこなすことは効率的とは言えません。消化しきれないほどの課題を解くことは、はっきり言って「遠回り」です。効率的な学習を行いましょう。


 

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以上、課題から読み取れることを速報としてお伝えしました。


 


■TACの二級建築士設計製図コースについて■

TACの二級建築士設計製図コースは全部でたったの「7課題」です。

厳選された課題であれば、7課題で十分合格できます。

無理なく無駄なく合格しましょう!

試験対策としては、まずは作図です。

「木造の作図スピードはどれくらい?」、「作図の注意点は?」など、合格者が実際に木造図面を描いている映像「作図の実況中継」をお申込み後(6/25~)視聴することができます

もちろん、講義の中でも作図の仕方から丁寧に指導していきますので、初受験の方も安心して下さい。


●TAC二級建築士設計製図コースのHPはこちら→


定員がありますので、お申込みはお早めにお願いします。


●課題の概要説明会を以下のスケジュールで実施します

「二級 課題の概要説明会」参加無料・予約不要
 7/10(水)19:00~ 新宿校・名古屋校
 7/13(土)11:00~ 八重洲校・横浜校
 7/14(日)11:00~ 池袋校
 7/14(日)14:00~ 渋谷校・梅田校


参加特典TACオリジナルプラン・TAC入会金(10,000円)免除券
強引な勧誘はありません、お気軽にご参加ください。
(清田は渋谷校にて講義いたします)


■参考図面■

以下は、平成25年本試験「レストラン併用住宅(木造2階階建て)」TACオリジナル答案例です。
★H25-2Q製図-本試験-答案例_2019設計早期







こんにちは清田ですせいた
先日の梅田校でのガイダンスの後、「太陽の塔」を見てきました
この太陽の塔、1970年の大阪万博のために作られた巨大な彫刻です
高さ70m、基底部の直径20m、と想像以上にデカかったです
腕の付け根に、かなりのモーメントがかかっているんだろうな・・・、なんて思いながら外観を堪能。
内部は腕の部分(半分くらいの高さ)のところまで登れました。
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2018年に耐震改修や内部の改修工事を終え、当時の展示空間がほぼ再現されて、48年ぶりに再び公開がはじまったようです。
内部は・・・下から上に向って「生命の樹」という、でかい木が生えており、そこにいろいろな生き物が載っていて、生物の進化が表現されていました。斬新すぎです・・・
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当時は下からエスカレーターで登っていったようです。ただ、現在は塔の軽量化を計るために、階段に変更されています
さらに、1回に上がれる人数は16名までと制限があり、どうやらこれも荷重の問題らしいです。
当時は、岡本太郎さんとあの丹下健三さんでいろいろと協議しながら計画を進めたようですよ。
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↑計画段階のスケッチ。建築家のスケッチみたいですね
内部の見学には事前予約が必要ですが、皆さんも機会があればぜひどうぞ

最後に新大阪駅で串揚げ食べて帰ってきました
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