TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

井澤式比較暗記法

井澤ですいざわ

まずは一級建築士設計製図試験に見事合格された皆様、本当におめでとうございます。
試験勉強から解放された喜びを存分にかみしめてください!!!

残念だった方、「設計製図試験は水物」と言われることもあります。どうか自信を無くさずに、また、今までの努力を全否定することなく、今年の反省点を来年克服することに集中してほしいと願っています。


それでは問題です。


■問題
同一等級構成集成材で、ひき板の積層数が2枚又は3枚のものは、梁等の高い曲げ性能を必要とする部分に用いる場合、曲げ応力を受ける方向が積層面に平行になるように用いる。
(一級構造:平成23No.27

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■解答
 問題 正
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さっそくポイントを確認しましょう。

ポイント

異等級構成集成材

同一等級構成集成材

構成するひき板の品質が同一でない構造用集成材であって、
梁等の高い曲げ性能を必要とする部分に用いる場合、「曲げ応力を受ける方向」が積層面に直角になるように用いる。

構成するひき板の品質が同一の構造用集成材であって、
梁等の高い曲げ性能を必要とする部分に用いる場合、「曲げ応力を受ける方向」が積層面に平行になるように用いる。


ひき板とは、「のこぎり等でひいて切った板」という意味で、ラミナともいい、厚さ数cmの木材です。

表中、ひき板の品質が同一か、同一でないかは、名称に表れていますから、迷うことはありませんね。
問題は「曲げ応力を受ける方向」の部分です。これは図を見ていただくのが一目瞭然です。

glued laminated wood

梁が図の赤い円弧で描いた曲げを受ける場合、
「曲げ応力を受ける方向」は縦方向になります。ここが間違えやすいところですから、しっかり理解してください。

このとき、断面の上縁には圧縮曲げ応力度が、断面の下縁には引張曲げ応力度が生じ、中立軸では曲げ応力度は0です。
したがって、上縁付近と下縁付近に強い・硬い部材を用い、中立軸付近に弱い部材を用いるという考え方ができ、これが異等級構成集成材です。
図のとおり、「曲げ応力を受ける方向」が積層面に直角になるように用います。
図の数値は、例えば160は、ヤング係数が16/㎟(160kgf/㎠)であることを示しています。

品質が同一のひき板を使うのであれば、図の「同一等級構成集成材」のように、
「曲げ応力を受ける方向」が積層面に平行になるように用います。

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集成材に関連して、LVL・合板・CLTについても
No.305(LVL・合板・集成材・CLT)でしっかり復習しておいてください。
CLT(直交集成板)は必ずそのうち出題されますよ!!! 
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/47350354.html

井澤ですいざわ

前回に引き続き、コンクリート供試体を用いた圧縮強度試験を扱います。

■問題
圧縮強度試験用コンクリート供試体を用いた圧縮強度試験において、荷重速度が速いほど小さい強度を示す。
(一級構造:平成23No.28

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■解答
 誤。荷重速度が速いほど大きい強度を示す。

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ポイント:コンクリート圧縮強度試験の荷重速度
荷重速度が速いほど、大きい強度を示す。
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これは、短期許容応力度が長期許容応力度よりも大きいことと関連付ければ覚えられますよね。
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■短期許容応力度 → 
10 分間ならその力が働いても大丈夫という限界値
■長期許容応力度 → 
50 年間その力が働いても大丈夫という限界値
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短い時間だったら頑張って大きな力にも耐えられますが、同じ力が長い時間かかると、へたばってしまうわけです。 



 

井澤ですいざわ

■問題1
コンクリート供試体の圧縮強度は、形状が相似の場合、一般に、供試体寸法が小さいほど大きくなる。
(一級構造:平成19No.24
■問題2
同じ鋼塊から圧延された鋼材の降伏点は、一般に、「板厚の薄いもの」より「板厚の厚いもの」のほうが低くなる。
(一級構造:平成22No.29

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■解答
 問題1、2ともに正。
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コンクリート供試体の寸法は「直径
100㎜、高さ200㎜」が標準ですが、「直径150㎜、高さ300㎜」や「直径200㎜、高さ400㎜」が使われることもあります。このとき、寸法と圧縮強度の関係を知っておかないと試験結果を正しく評価できません。

コンクリート供試体と鋼材について、
寸法と強度の関係を比較・整理すると、次のとおりです。

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ポイント:コンクリート供試体の寸法と圧縮強度
■圧縮強度
供試体寸法が大きいほど、欠陥の確率が高まるため、圧縮強度は小さくなる。(①)

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ポイント:鋼材の板厚と降伏点・引張強さ
■降伏点
板厚が40mmを超えると(=板厚が厚くなると)、熱処理時の冷却にムラができやすいため、降伏点が低下する。(②)
■引張強さ
引張強さは、板厚にかかわらず同じ。(③)

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上記③は例外として、①と②の内容を一言で言えば、寸法が大きいほど強度は小さくなる、ということです。
普通は「?」と思いますよね。だから試験で狙われるのです。そして多くの受験生が間違えるのです。
 

間違えてはいけないのは、
「寸法が大きいほど小さな力[N]で壊れる」ということではありません。
もちろん、寸法が大きいほど大きな力[N]で壊れます。
ただし、断面積1㎟当たりの力、すなわち、強度[N/㎟]で見ると、寸法が大きいほど強度[N/㎟]は小さくなるのです。
その理由は、上記のとおり、欠陥の確率が高まるためであり、また、熱処理時の冷却にムラができやすいためです。

No.355
(鋼材の板厚と降伏点・引張強さ)も復習しておいてください。
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/48182360.html





井澤ですいざわ

■問題1
上部構造に障害が生じる基礎の不同沈下を防止するため、異種の基礎の併用は、避けることが望ましい。
(一級構造:平成16No.25
■問題2
直接基礎と杭基礎を併用する場合には、それぞれの基礎の鉛直・水平方向の支持特性と変形特性を適切に評価する。
(一級構造:平成21No.23
■問題3
パイルド・ラフト基礎とは、直接基礎と杭基礎を併用した基礎形式であり、荷重に対して直接基礎と杭基礎が複合して抵抗するものである。
(一級構造:平成19No.18
■問題4
直接基礎と杭基礎を併用した基礎形式であるパイルド・ラフト基礎は、直接基礎として十分な支持力はあるが沈下が過大となる場合等に採用されることがある。
(一級構造:平成26No.23
■問題5
直接基礎と杭基礎が複合して上部構造を支えるパイルド・ラフト基礎は、基礎の平均沈下量及び不同沈下量の低減に効果がある。
(一級構造:平成27No.20

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■解答
問題1~5まで、すべて正
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建築基準法施行令
38条では、次のように規定されています。
2項 建築物には、異なる構造方法による基礎を併用してはならない。
4項 前2項の規定は、建築物の基礎について国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、適用しない。

問題1は、令
38条2項による「異種基礎の併用禁止」の原則論についての問題です。
問題2~5は、令38条4項に基づく「パイルド・ラフト基礎」についての問題です。

前回
No.406学習したように、杭基礎では、地盤沈下により基礎スラブ底面と地盤との間に隙間が生じることがあるため、杭基礎の鉛直支持力は、杭だけで負担し、「基礎スラブ底面の地盤の鉛直支持力」を加算しないのが一般的です。

これに対して「パイルド・ラフト基礎」は、直接基礎である「
べた基礎」と「摩擦杭」を併用し、「べた基礎」の底面にも鉛直支持力を負担させます。
むしろ「べた基礎」で鉛直支持力のほとんどを負担し、「摩擦杭」には沈下量を低減させる役割を担わせるのが一般的です。

問題2にあるように、それぞれの基礎の鉛直・水平方向の支持特性と変形特性を適切に評価し、建築物と地盤を一体とし解析を行う必要があります。

―――ポイント:パイルド・ラフト基礎――――
① 直接基礎(べた基礎)と杭基礎(摩擦杭)を併用した基礎形式。
② 基礎の沈下量の低減に効果がある。
③ 直接基礎(べた基礎)で鉛直支持力のほとんどを負担し、杭基礎(摩擦杭)には沈下量を低減させる役割を担わせるのが一般的。
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なお、「パイルド・ラフト」は、杭で支持された(
Piled)直接基礎(Raft)という意味です。
プロレス技は「パイル・ドライバー(Pile Driver:脳天杭打ち)」ですが、「パイル・ドラフト」ではありません。

井澤ですいざわ

■問題1
地下室を有する建築物の杭基礎において、建築物と地盤を一体とした解析等で検討した場合を除き、基礎スラブ底面における地盤の鉛直支持力と杭の鉛直支持力は加算しない。
(一級構造:平成23No.22
■問題2
地下室を有する建築物の杭基礎において、地震による水平力は、地下外壁を介して地中に伝達される水平力と杭が負担する水平力とに分けることができる。
(一級構造:平成23No.22
■問題3
地下部分がある建築物の杭の地震時設計用外力の算定において、根入れ効果による水平力の低減を行った。
(一級構造:平成27No.26


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■解答
問題1、2、3とも正。
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さっそくポイントです。

ポイント:杭基礎における地下階の根入れ効果
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■鉛直支持力
→杭だけで負担する。
→「基礎スラブ底面の地盤の鉛直支持力」を加算しない。
→地盤沈下により、基礎スラブ底面と地盤との間には隙間が生じることがあるため。

■水平力
→地下外壁と杭で負担する。
→「地下外壁を介して地中に伝達される水平力」と「杭が負担する水平力」に分けることができる。
→「地下外壁を介して地中に伝達される水平力」が負担できる分、「杭が負担する水平力」は0.7倍まで低減できる。
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basement
 


 

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