井澤式実例暗記法
井澤式 建築士試験「実例」暗記法 No.44(カステルヴェッキオ美術館、ハイライン、ジェミニ・レジデンス)
井澤です。
「実例」暗記法は、今回が最終回です。
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カステルヴェッキオ美術館(イタリア)
■問題216
ヴェローナ(イタリア)のカステルヴェッキオ美術館は、歴史的建造物であった古城を市立美術館へ再生させたものである。
(一級計画:平成24年No.3改)
■リンク
http://ameblo.jp/tonton3ab/entry-12066822930.html
■解答 正。平成24年No.3は「古城」の部分が「市庁舎」となっている誤りの枝で出題されました。設問は、それを正しくした問題です。「カステルヴェッキオ」とは「古城」という意味です。改修設計はカルロ・スカルパです。
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ハイライン(アメリカ)
■問題217
ハイライン(ニューヨーク市)は、1980年に廃線となった貨物列車用の高架線路上を緑道や公園へ再生させたものである。
(一級計画:平成27年No.17)
■リンク
https://dailyportalz.jp/kiji/170526199712
■解答 正。平成27年No.17は「1980年に廃道となった高速道路を、路面上は緑道、高架下は大規模なショッピングモールへ再生させたものである。」という誤りの枝で出題されました。「高速道路」ではなく「高架線路」です。また、高架下は大規模なショッピングモールとして使われていません。
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ジェミニ・レジデンス(デンマーク)
■問題218
ジェミニ・レジデンス(コペンハーゲン市)は、港湾施設として使用されていたサイロを改修し、集合住宅へ再生させたものである。
(一級計画:平成27年No.17)
■リンク
https://www.mvrdv.nl/projects/143/fr%C3%B8silo
↑改修設計を行ったオランダの設計事務所
MVRDV(エム・ヴィ・アール・ディ・ヴィ)のホームページです。
サイロ(穀物飼料などの貯蔵庫)を集合住宅にコンバージョンするとは!
■解答 正。
MVRDVの他の作品も見てみてください。刺激的です!
↑重いですが、写真をクリックするとどんどん写真が出てきます。
MVRDVは、レム・コールハース氏(ネクサスワールド香椎レム棟・コールハース棟の設計者)の主宰する設計事務所OMAの出身者が主となって設立した設計事務所です。なお、ザハ・ハディド氏もOMAの出身です。
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はじめにお伝えしたとおり、「実例」暗記法は、今回が最終回です。
最後の問題218で、現代最高の建築家とも称されるレム・コールハース氏つながりで最終回を迎えられたことに少し喜びを感じています。
実例を過去問の字面で覚えるほど苦痛なことはありません。
その一方、実例の写真を見るほど楽しい勉強もないように思います。
百聞は一見に如かず。
好きこそ物の上手なれ。
すごいな、面白いなと興味を持てたら「実例」は「勝ち」です。
井澤式 建築士試験「実例」暗記法 No.43(アイアンブリッジ渓谷博物館、オルセー美術館、テイト・モダン、リンゴット工場再開発)
井澤です。
問題214のテイト・モダンの改修設計を行ったのは、今注目のエルプフィルハーモニーを設計したヘルツォーク&ド・ムーロンです。
http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/tabirepo/1037713.html
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アイアンブリッジ渓谷博物館(イギリス)
■問題212
近年の日本では、近代の建造物を近代化遺産として保存する動きがあるが、イギリスのアイアンブリッジ渓谷博物館(1973年一般公開)は、複数の産業・土木遺構を現地で再生して展示し、環境教育の場としている。
(一級計画:平成10年No.25)
■リンク
https://www.travelbook.co.jp/topic/69
↑アイアンブリッジ(鉄の橋)は、世界初の鉄橋です。2ページ目に渓谷博物館の写真があります。
■解答 正。
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オルセー美術館(フランス)
■問題213
パリ(フランス)のオルセー美術館は、鉄道の駅舎を印象派の作品を中心とする美術館へ再生させたものである。
(一級計画:平成24年No.3)
■リンク
https://artsandculture.google.com/exhibit/de-la-gare-au-mus%C3%A9e-d-orsay-r%C3%A9nov%C3%A9/ARK7SK5T?hl=ja
↑1900年から2013年までのオルセー駅建設からオルセー美術館への改装までの記録資料です。
これは本当に貴重です!!!!!
http://www.mmm-ginza.org/museum/special/backnumber/0612/special01.html
↑駅舎だった頃や改修工事中の写真もあります。
■解答 正。
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テイト・モダン(イギリス)
■問題214
ロンドン(イギリス)のテイト・モダンは、第二次世界大戦後の復興時に建設された火力発電所をモダンアートの美術館へ再生させたものである。
(一級計画:平成24年No.3)
■リンク
http://gigazine.net/news/20140321-tate-modern/
↑「タービンホール」に巨大なタービンが置かれていたときのことをイメージするとワクワクしてきませんか?
https://livedoor.blogimg.jp/nappi11/imgs/e/0/e0374367.jpg
↑この写真はあくまでタービンのイメージです。テイト・モダンのものではありませんので悪しからず。
https://ohmy.s8d.jp/2018/10/24/tatemodern/
↑後半に新館「スイッチハウス」も紹介されています。
■解答 正。
「テイト(Tate)」とは、イギリスの国立美術館ネットワークのことです。
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リンゴット工場再開発(イタリア・トリノ)
■問題215
リンゴット工場再開発(トリノ)は、巨大な自動車工場を、見本市会場、音楽ホール、ホテル、会議場等からなる複合施設にしたものである。
(一級計画:平成25年No.3)
■リンク
http://www.rpbw.com/project/lingotto-factory-conversion
↑設計者であるレンゾ・ピアノ氏のホームページです。
一番上に写真が11枚あります。>で次に進みます。
http://www.shinodanozomi.com/aichigeidai/Lingotto.html
↑改修前のフィアットの自動車工場の写真もあります。屋上のテストコースが有名でした。
■解答 正。
井澤式 建築士試験「実例」暗記法 No.42(旧大社駅舎、りえんと多摩平、求道學舎、山梨市庁舎東棟、金沢市民芸術村)
井澤です。
問題206の旧大社駅舎、素敵ですね~。「大社」とはもちろん出雲大社です。
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旧大社駅舎(島根県出雲市)
■問題206
旧大社駅舎(出雲市)は、瓦屋根と漆喰(しっくい)壁による純日本風の木造平屋建ての駅舎である。
(オリジナル)
■リンク
http://www.izumo-kankou.gr.jp/4609
■解答 正。平成25年No.3では「赤レンガの外観」という誤りの枝で出題されました。旧大社駅舎は、和風駅舎の最高傑作と言われています。
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りえんと多摩平(設計:都市再生機構+ブルースタジオ)
■問題207
りえんと多摩平(東京都日野市)は、多世代の居住者が暮らす新たな街に生まれ変わらせる団地再生事業の一つとして、民間事業者が改修工事を行い、団地の一部の住棟をシェアハウスとして再生した。
(一級計画:平成26年No.12)
■リンク
http://www.share-place.com/project/tamadaira/
http://www.ur-net.go.jp/rebuild/rn2/riento/
↑都市再生機構のホームページです。
■解答 正。
「りえんと」は「ReENT」と書きます。リノベーション(改修・再生)のReでしょう。
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求道學舎(きゅうどうがくしゃ)(東京都文京区)
■問題208
求道學舎(東京都文京区)は、大正15 年に建築された学生寮を「定期借地権+コーポラティブ方式」により共同で土地を借り受け、個々に好みの注文を付加しながら造る集合住宅として改修・再生したものである。
(オリジナル)
■リンク
http://shu-koh-sha.com/works/housing/kyudogakusya.html
↑リノベーションを設計した集工舎のホームページです。15枚あります。
http://www.apartment-photo.gr.jp/text207.html
↑改修前の求道學舎の写真です。左上の「NEXT」で進むと23枚の写真が見られます。
https://www.nomu.com/iekokochi/vol16/
↑ビフォー・アフターが良く分かります。
■解答 正。
求道學舎を最初に設計したのは、「関西の近代建築の父」とも言われ、京都大学本部本館などを設計した武田五一氏です。
定期借地権で土地を所有しないので低価格、コーポラティブ方式(協同組合運営方式)なので設計段階から個々に好みの注文を加えながら設計・建設されました。
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山梨市庁舎東棟(山梨市)
■問題209
山梨市庁舎東棟(山梨市)は、1970年代に建設された工場を、プレキャスト鉄筋コンクリート部材のアウトフレームを用いて耐震改修し、庁舎へ再生させたものである。
(一級計画:平成27年No.17)
■リンク
https://www.kensetu-bukka.or.jp/renovation/6131/
↑旧施設と新施設の配置や「プレキャスト鉄筋コンクリート部材のアウトフレーム」などが良く分かります。
■解答 正。2004年に閉鎖した電子機器工場を市庁舎へとコンバージョンを行った建物である。
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金沢市民芸術村(金沢市)
■問題210
金沢市民芸術村(金沢市)は、大正から昭和初期に建設された紡績工場の倉庫6棟を改修し、工房、レストラン、オープンスペース等から構成される芸術文化施設へ再生させたものである。
(一級計画:令和3年No.17・平成27年No.17)
■リンク
http://www.artvillage.gr.jp/
http://www.artvillage.gr.jp/facilities/
↑「マルチ工房」「ドラマ工房」など、各工房の詳細も見てみてください。
http://blog.goo.ne.jp/yamaakmyk/e/056665ec08260bffe3d77f5c3673535f
■解答 正。
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井澤式 建築士試験「実例」暗記法 No.41(倉敷アイビースクエア、今帰仁城跡・首里城跡、東京国立近代美術館工芸館、国立工芸館、アートプラザ)
井澤です。
問題201の倉敷アイビースクエアの「連続するのこぎり屋根」が素敵です。のこぎり屋根は、北側採光にすると直射日光を除いた天空光による安定した光環境が得られます。
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倉敷アイビースクエア(岡山県)
■問題201
倉敷アイビースクエア(倉敷市)は、連続するのこぎり屋根をもつ平家建ての紡績工場の棟の一部を撤去してできたオープンスペースを中心として、展示施設、ホテル等からなる複合施設にしたものである。
(一級計画:平成25年No.3)
■リンク
http://www.ivysquare.co.jp/
↑倉敷アイビースクエアの公式ホームページです。動画を見ると「連続するのこぎり屋根」などが良く分かります。
https://www.ivysquare.co.jp/history/
■解答 正。
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今帰仁城跡・首里城跡(なきじんじょう)(沖縄県)
■問題202
沖縄県にある今帰仁城跡や首里城跡等の歴史的な資産は、琉球地方独自の文化遺産として2000年にユネスコの世界遺産に登録されている。
(一級計画:平成15年No.24)
■リンク
●今帰仁城跡
琉球王国の成立前、沖縄には北山(ほくざん)、中山(ちゅうざん)、南山(なんざん)の3勢力がありました。北山王の居城が今帰仁城です。
http://www.odnsym.com/isan/nakijin.html
●首里城跡
琉球を統一した琉球王国の居城です。
http://oki-park.jp/shurijo/5520
↑2019年の火災を乗り越えて、いち早く復元されることを願っています。
■解答 正。
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旧東京国立近代美術館工芸館(東京都)
■問題203
旧東京国立近代美術館工芸館(東京都)は、明治時代に近衛師団司令部本館として建てられたレンガ造2階建の建築物を美術館の工芸館として再生したものである。
(オリジナル)
■リンク
https://bijutsutecho.com/magazine/special/promotion/21145
国立工芸館(東京国立近代美術館工芸館)は、2020年10月に石川県金沢市に移転しました。
■解答 正。近衛師団(このえしだん)とは、天皇の護衛部隊です。
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国立工芸館(石川県)
■問題204
国立工芸館(石川県)は、明治時代後期に建てられた木造の「旧陸軍第九師団司令部庁舎」と「旧陸軍金沢偕行社(かいこうしゃ)」を移築、活用し、美術館の工芸館として再生したものである。
(オリジナル問題)
■リンク
https://www.momat.go.jp/cg/visit/architecture/
■解答 正。問題203に関連して、石川県金沢市に移転した国立工芸館(東京国立近代美術館工芸館)のほうも建築的価値が高いので、オリジナル問題を作成しました。
偕行社(かいこうしゃ)とは、将校の社交場です。
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アートプラザ(大分県)
■問題205
アートプラザ(大分市)は、図書館をギャラリー等からなる芸術文化の複合施設にしたものである。
(一級計画:平成25年No.3)
■リンク
http://www.niigata-u.com/files/oita/artgal01.html
■解答 正。
磯崎新氏が設計した大分県立図書館を再生したものです。
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