井澤です。
問題146の宇佐神宮本殿は、前回の冒頭で説明した奈良時代の神社形式の一つである八幡造りの例です。
問題149の法隆寺金堂から仏寺建築を扱います。
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宇佐神宮本殿(大分県)
■問題146-1
宇佐神宮本殿(大分県)は、独立した前殿と後殿を切妻造り・平入りとし、両殿を相の間でつないだ、八幡造りの建築物である。
(一級計画:令和5年No.2)
■問題146-2
八幡造りは、切妻造り、平入りとし、前殿と後殿とを連結し、両殿の間に生じた屋根の谷に陸樋を設けている。
(一級計画:平成18年No.25)
■リンク
http://dac.gijodai.ac.jp/db/usa/hp/hachiman/album01.html
http://blog.goo.ne.jp/inghosono/e/d1063a3826607e0298421bab30e0f421
↑問題144の春日大社のリンクと同じです。八幡造りの絵を確認してください。
■解答
問題146-1 正。
問題146-2 正。平成18年No.25の出題は、主語が「大社造り」になっている誤りの枝でした。上記の問題は、それを正しくした問題です。
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厳島神社社殿(いつくしま)(広島県)
■問題147
厳島神社社殿(広島県)は、神体山とする宮島の弥山(みやま)を祀るために島の海浜に設けられており、本殿は身舎(もや)の前後に庇を付けた両流造りの例である。
(一級計画:平成26年No.2)
■リンク
http://www.kankodori.net/japaneseculture/treasure/012/index.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Itsukushima_Honden_Haiden.jpg
↑両流造りがとてもよく表れています。両流造りは、問題145の流れ造りを両側に流したもの(両側の屋根を伸ばして庇にしたもの)です。
■解答 正。身舎(もや)とは、主要な柱に囲まれた家屋の中心部分を言います。
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日光東照宮社殿(栃木県)
■問題148
日光東照宮社殿(栃木県)は、本殿と拝殿との間を石の間でつないだ権現造りの例である。
(一級計画:平成26年No.2)
■リンク
https://kotobank.jp/image/dictionary/daijisen/media/112663.jpg
■解答 正。
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法隆寺金堂(奈良県)
■問題149
法隆寺金堂(奈良県)は、重層の入母屋造りの屋根をもち、飛鳥様式で建てられた堂であり、構造上の特徴として、天秤式に釣り合うように計画された雲形組物を有する建築物である。
(二級計画:平成20年No.1、平成24年No.1改)
■リンク
http://www.horyuji.or.jp/garan/kondo/
■解答 正。
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薬師寺東塔(奈良県)
■問題150-1
薬師寺東塔(奈良市)は、三手先の組物を用い、裳階(もこし)が付いた三重塔である。
(一級計画:平成14年No.24)
■問題150-2
薬師寺東塔は、三重塔の各層に裳階を付け、六つの屋根が交互に出入りする独特の構造を有する建築物である。
(一級計画:令和3年No.3)
■リンク
https://yakushiji.or.jp/guide/garan_toto.html
https://www.sankei.com/premium/news/191126/prm1911260001-n1.html
平成21年より解体修理が行われ、令和2年4月に落慶法要が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大により延期されています。
http://www.nihonnotoba3.sakura.ne.jp/2007to_0//yakusiji41.jpg
↑断面図で裳階(もこし)を確認してください。
■解答 正。裳階(もこし)とは、軒下に設けた庇状の部分を言います。
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