TAC建築士講師室ブログ

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井澤式比較暗記法 法規編

井澤ですいざわ
今回は建築基準法施行令と告示、さらには環境・設備の内容を比較整理します。

[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(法規H18-06改)
非常用の照明装置の照明は、直接照明とし、床面において1ルクス以上の照度を確保することができるものとした。
■問題2(環境H30-18)
非常用の照明装置は、常温下で床面において水平面照度で1lx(蛍光灯又はLEDランプを用いる場合には2lx)以上を確保する。
■問題3(環境H25-07改)
蛍光ランプのランプ効率は、白熱電球に比べて周囲温度の影響を受けやすい。


問題1は法規で出題された正肢です。令126条の5第一号イ。
問題2は環境・設備で出題された正肢です。かっこ書の2lxの部分が問題1と異なります。これは告示の規定です。令126条の5第一号ロに基づくS45告示1830号第4第一号。
問題3は環境・設備で出題された正肢です。この2lxの規定の根拠となる現象についての出題です。蛍光ランプのランプ効率は、周囲温度の影響を受けやすく、20~25℃のときに最もランプ効率が高く、それより低温でも高温でもランプ効率が低下します。火災時などの高温状態や、冷凍室などの低温状態では、暗くなるのです。室温は20~25℃が標準的ですので、そのときに高効率になるように技術開発をしています。LEDも同様です。

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[比較暗記法]  「非常用の照明装置」
令126条の5第一号イ
「照明は、直接照明とし、床面において1ルクス以上の照度を確保することができるものとすること。」
↑この規定は、火災時においても常に1ルクス以上を求めています。

令126条の5第一号ロ
「照明器具の構造は、火災時において温度が上昇した場合であっても著しく光度が低下しないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。」
↑これに基づく告示が次です。

S45告示1830号第4第一号
「非常用の照明装置は、常温下で床面において水平面照度で1ルクス(蛍光灯又はLEDランプを用いる場合にあっては、2ルクス)以上を確保することができるものとしなければならない。」
蛍光灯又はLEDランプは火災時に暗くなるため、常温下では2ルクス以上を求めています。これにより火災時においても1ルクス以上が確保されるのです。
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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。
■問題2 正。
■問題3 正。





井澤ですいざわ

[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(法規R05-10)
排煙設備を設置しなければならない居室に設ける排煙設備の排煙口で、煙感知器と連動する自動開放装置を設けたものについては、原則として、手動開放装置を設けなくてもよい。

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[比較暗記法]  「排煙口の手動開放装置」

排煙口には、手動開放装置を設けなければならない。
 令126条の3第1項四号です。設けなくてもよい例外はありません。

■令126条の3第1項六号を見て、
「手動開放装置」「煙感知器と連動する自動開放装置」「遠隔操作方式による開放装置」のいずれかを設ければよい、と誤解している方が多いです。
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令126条の3第1項六号には、「排煙口には、
①「第四号の手動開放装置」若しくは
②「煙感知器と連動する自動開放装置」又は
③「遠隔操作方式による開放装置」により開放された場合を除き閉鎖状態を保持し、・・・」とありますが、②③を設ければ①は不要というわけではありません。
必ず設ける①の他に②、③を設けた場合に、そのいずれかにより開放された場合を除いて、閉鎖状態を保持しなければならない、という規定です。

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[テーマ問題の解答]
■問題1 誤。





井澤ですいざわ

[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(法規R03-09改)
延べ面積1,200㎡の体育館に、非常用の照明装置を設けなかった。
■問題2(法規R03-09改)
延べ面積1,200㎡の博物館の展示室に、非常用の照明装置を設けなかった。

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[比較暗記法]  「『学校等』は『法別表1(3)項 学校グループ』とは違う!」

学校等
(令126条の2第1項二号)
学校(幼保連携型認定こども園を除く。)、体育館、
ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場

法別表1(3)項 学校グループ
(法別表1(3)項、令115条の3第二号)
学校、体育館、博物館美術館図書館
ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場
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上記のとおり、「学校等」は「法別表1(3)項 学校グループ」から
・博物館
・美術館
・図書館
・幼保連携型認定こども園
の4つを除いたものです。
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「学校等」が出てくるのは次の3つの規定で、学校等は設置が免除されます。
①令126条の2第1項二号(排煙設備
②令126条の4第三号(非常用の照明装置
③令128条の4第2項・3項、令128条の5第4項(内装制限
したがって、
「学校等」は上記3規定が免除されますが、
「博物館」「美術館」「図書館」「幼保連携型認定こども園」は免除されません。各規定に定められた規模に該当すれば、設置が必要になります。
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[テーマ問題]
■問題1 正。令126条の4第1項三号により「学校等」には非常用の照明装置を設ける必要はありません。令126条の2第1項二号により、体育館は「学校等」に該当するため、体育館には非常用の照明装置が不要です。
■問題2 誤。令126条の2第1項二号により、博物館は「学校等」に該当しません。令126条の4第1項本文により、延べ面積が1,000㎡を超える博物館の展示室(居室)には非常用の照明装置が必要です。





井澤ですいざわ
「2以上の直通階段」は合否が分かれる典型です。
落とし穴がいっぱいあって、きちんと理解していないと間違えてしまいます。

[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(法規H29-08肢3)
主要構造部を準耐火構造とした、延べ面積1,000㎡、地上2階建ての物品販売業を営む店舗で、2階における売場の床面積の合計が500㎡のものは、2以上の直通階段を設けなければならない。
■問題2(法規H29-08肢2)
主要構造部が不燃材料で造られた地上2階建ての寄宿舎で、2階における寝室の床面積の合計が150㎡、2階における寝室以外の居室の床面積の合計が150㎡のものは、2以上の直通階段を設けなければならない。

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[比較暗記法]  建築基準法「2以上の直通階段」
① ポイント=落とし穴
No.58-1

② 2以上の直通階段の要否のフロー
No.58-2

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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。令121条1項二号かっこ書により、物品販売業を営む店舗で床面積が1,500㎡を超えていませんが、同項六号ロ(5階以下の階)により、避難階の直上階(2階)で400㎡(2項の読み替え)を超えているので、2以上の直通階段が必要です。
■問題2 誤。令121条1項五号により、寄宿舎の用途に供する階で、2階の寝室の床面積が150㎡で、200㎡(2項の読み替え)を超えず、また、六号ロにより、2階における居室の床面積の合計が300㎡(150㎡+150㎡)で、5階以下の階で、避難階の直上階で400㎡(2項の読み替え)を超えていないため、2以上の直通階段は不要です。
五号では「寝室」の床面積が対象で、六号ロでは「居室」の床面積が対象であることに要注意です!





井澤ですいざわ
タイトルが「直通階段の一に至る歩行距離」だと「ありきたり」ですが、井澤式比較暗記法では「14階以下と15階以上」を比較整理します。

[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(法規R02-07改)
主要構造部を準耐火構造とした地上11階建ての共同住宅において、11階の居室及びこれから地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でした場合、当該居室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離は、60m以下としなければならない。
■問題2(法規R02-07改)
主要構造部を耐火構造とした地上15階建ての共同住宅において、15階の居室及びこれから地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でした場合、当該居室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離は、50m以下としなければならない。

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[比較暗記法]  「直通階段の一に至る歩行距離:14階以下と15階以上」

14階以下は令120条2項の規制緩和を見る
→本文(準耐火構造、準不燃材料)に
 該当して「+10」
→本文に該当しないで「±0」

15階以上は令120条3項の規制強化を見る
→2項本文(準耐火構造、準不燃材料)に
 該当して「±0」
→2項本文に該当しないで「-10」
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次図のように
① 令120条2項本文の枠囲み部分が1項の中央列の数値の緩和であること
② 令120条3項の「前項本文の規定に該当するもの」が2項本文の枠囲み部分であること
がポイントです。
No.57
1項の表中の30、50の数値の左上の「」は2項の見落としを防ぐサインです。
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[テーマ問題]
■問題1 正。
令120条1項の表により、主要構造部を準耐火構造とした共同住宅(法別表1(2)項)のベースとなる数値は50mです。設問は14階以下なので令120条2項の規制緩和を見ると、本文(上図の枠囲み部分の準耐火構造、準不燃材料)に該当して「+10」できますので「60m以下」です。
■問題2 正。
・問題1からの変更箇所の1点目として「準耐火構造」を「耐火構造」に変えましたが、影響はありませんね。「性能上位の原則」により耐火構造は準耐火構造に含まれます。
・変更箇所の2点目として「11階建て」を「15階建て」に変えました。令120条3項の規制強化を見ると、「前項(2項)本文(上図の枠囲み部分の準耐火構造、準不燃材料)」に該当して「±0」ですので「50m以下」です。
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