TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

井澤式比較暗記法 法規編

井澤ですいざわ

今回は建築士法と建設業法の比較・整理を行います。
井澤式比較暗記法の真骨頂です。

[テーマ問題] (建築士法・建設業法)
■問題1(H27-22)
建築士法に基づき、建築士事務所の開設者は、委託者の許諾を得た場合であっても、委託を受けた設計の業務を建築士事務所の開設者以外の個人の建築士に委託してはならない。
■問題2(H27-28)
建築士法に基づき、建築士事務所の開設者は、延べ面積1,000㎡、地上3階建ての共同住宅の新築工事に係る設計の業務については、委託者の許諾を得た場合においても、一括して他の建築士事務所の開設者に委託してはならない。
■問題3(R06-22)
建築士法に基づき、建築士事務所の開設者は、建築物の新築工事に係る工事監理の業務について、延べ面積が300㎡以下の建築物であれば、委託者の許諾を得たうえで、一括して他の建築士事務所の開設者に委託することができる。
■問題4(H27-28)
建設業法に基づき、建設工事の元請負人は、請け負った共同住宅の新築工事については、あらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合においては、一括して他人に請け負わせることができる。

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[比較暗記法]  「建築士法上の一括再委託、建設業法上の一括下請負
No.16
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・ポイントはすべて上表にまとめています。条文と上表を見比べて、比較整理してください。
・「委託・受託」と「請負」という用語の違いについて、民法上の正確な違いを知る必要はありません。
設計・工事監理では「委託・受託」建設工事では「請負」という用語を使うと考えれば良いです。
・受けたものを他人に再度任せる場合、設計・工事監理では「再委託」、建設工事では「下請負」という用語を使います。

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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。士法24条の3第1項により、一括であれ、一部であれ、建築士事務所の開設者以外の者(個人の建築士など)に再委託することはできません。
■問題2 正。設問において、設計を一括再委託してはならない理由は、延べ面積が300㎡を超える新築だからです。共同住宅は関係ありません
■問題3 正
■問題4 誤。設問において、工事を一括下請負してはならない理由は、共同住宅の新築だからです。延べ面積は関係ありませんので設問でも明記されていません。




井澤ですいざわ

今回は、建築設備士、設備設計一級建築士に関する差が付く問題をすべて比較・整理します。

[テーマ問題] (建築士法)
■問題1(オリジナル)
建築士は、延べ面積が2,000㎡を超える建築物の建築設備に係る設計又は工事監理を行う場合においては、原則として、建築設備士の意見を聴くよう努めなければならない。
■問題2(法規R05-21)
建築士は、延べ面積が2,000㎡を超える建築物の建築設備に係る設計について、建築設備士の意見を聴いたときは、設計図書においてその旨を明記するように努めなければならない。
■問題3(オリジナル)
階数が3以上で床面積の合計が5,000㎡を超える建築物の設備設計を行う場合には、設備設計一級建築士の関与が義務付けられている。
■問題4(法規H27-30)
建築主は、設備設計一級建築士の関与が義務づけられた建築物の工事をする場合においては、設備設計一級建築士である工事監理者を定めなければならない。

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[比較暗記法]  建築士法「建築設備士、設備設計一級建築士
【建築設備士】
①延べ面積が2,000㎡を超える建築物の建築設備に係る設計又は工事監理を行う場合、原則として、建築設備士の意見を聴くのは
努力義務(=努めなければならない)
(士法18条4項)
②建築設備士の意見を聴いたときに設計図書、工事監理報告書にその旨を明らかにするのは
義務(=しなければならない)
(士法20条5項)

【設備設計一級建築士】
①階数が3以上で床面積の合計が5,000㎡を超える建築物の「設備設計」についての設備設計一級建築士の関与は義務
(士法20条の3第1項、2項)
②「設備設計」について設備設計一級建築士の関与が義務付けられた建築物であっても、「工事監理」についてはその関与が義務づけられていない
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・上記の比較暗記法で建築設備士、設備設計一級建築士の問題はバッチリです!

【建築設備士】について
建築士が建築設備士の意見を聴くのは努力義務なのですが、聴いたときにその旨を明記するのは義務なのです。

【設備設計一級建築士】について
・「設備設計一級建築士の関与」とは、士法20条の3第1項に定める「設備設計一級建築士による設備設計」及び同条2項に定める「設備設計一級建築士による法適合確認」をいいます。「構造設計一級建築士の関与」と同様です。
・設備設計一級建築士の関与が義務づけられているのは「設備設計」だけで「工事監理」は義務付けられていません。前回〔No.14〕で学習した構造設計一級建築士と同様に、設備設計一級建築士が関与して適切な設備設計図書ができていれば、工事がそのとおりに実施されているかを確認する工事監理は、設備設計一級建築士ではないただの建築士でもできます

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[テーマ問題の解答]
■問題1 正
■問題2 誤。建築設備士の意見を聴いたときに設計図書、工事監理報告書にその旨を明らかにするのは努力義務ではなく義務です。「その旨を明らかにしなければならない」が正しい記述です。
■問題3 正
■問題4 誤。設備設計一級建築士が関与して適切な設備設計図書ができていれば、工事がそのとおりに実施されているかを確認する工事監理は、設備設計一級建築士ではないただの建築士でもできます。





井澤ですいざわ

今回も前回に引き続き「構造設計一級建築士の関与」を扱います。
前回説明したとおり、
士法20条の2第1項は、構造設計一級建築士による構造設計
士法20条の2第2項は、構造設計一級建築士による法適合確認
を定めており、これを「構造設計一級建築士の関与」といいます。
この「構造設計一級建築士の関与」は条文の中に出てくる表現ではありませんので覚えておく必要があります。
そして次のテーマ問題の結果も覚えるべき内容です。
条文には直接明記されていないからです。

[テーマ問題] (建築士法)
■問題1(法規H23-23)
既存建築物の大規模の修繕に係る構造設計については、建築物の規模や修繕の内容にかかわらず、構造設計一級建築士の関与は義務づけられていない。
■問題2(法規R04-21)
構造設計一級建築士の関与が義務付けられた建築物の工事監理については、構造設計一級建築士以外の一級建築士であっても行うことができる。
■問題3(法規H23-23)
二級建築士が設計できる用途、構造、規模の建築物については、限界耐力計算により構造設計を行う場合であっても、構造設計一級建築士の関与は義務づけられていない。

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[比較暗記法]  建築士法「構造設計一級建築士の関与
(建築士法20条の2第1項、2項)

① 大規模の修繕に係る構造設計であっても、建築物の規模や修繕の内容によっては、構造設計一級建築士の関与が義務づけられることがある。

② 構造設計一級建築士の関与が義務付けられた建築物であっても、工事監理については、構造設計一級建築士の関与が義務づけられていない

③ 二級建築士が設計できる用途、構造、規模の建築物については、構造設計一級建築士の関与が義務づけられていない
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【①について】
「大規模の修繕に係る構造設計」も「構造設計」に該当します。士法20条の2第1項及び2項には「大規模の修繕」とは直接明記されていませんので覚えるべき内容です。
・士法20条の2第1項(それを引用する2項も同様)の「第3条第1項に規定する建築物(一級建築士でなければできない設計又は工事監理)のうち、建築基準法第20条第1項第一号又は第二号に該当するもの」の大規模の修繕に係る構造設計であれば、構造設計一級建築士の関与が義務付けられます。

【②について】
・構造設計一級建築士が関与して適切な構造設計図書ができていれば、工事がそのとおりに実施されているかを確認する工事監理は、構造設計一級建築士ではないただの建築士でもできます。
・士法20条の2第1項及び2項には「構造設計」とだけ書かれ、「工事監理」とは書かれていないため「工事監理」では構造設計一級建築士の関与が義務付けられていないのです。直接明記されていませんので覚えるべき内容です。

【③について】
・士法20条の2第1項(それを引用する2項も同様)において「第3条第1項に規定する建築物(一級建築士でなければできない設計又は工事監理)のうち」と限定されているため、二級建築士が設計できる用途、構造、規模の建築物については、(任意で。自主的に)高度な構造設計を行う場合であっても、構造設計一級建築士の関与は義務づけられていません。これはこう覚えてください。
「一級建築士でなくても設計できるのに、構造設計一級建築士の関与が義務付けられるはずがない。」

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[テーマ問題の解答]
■問題1 誤
■問題2 正
■問題3 正





井澤ですいざわ

新年おめでとうございます。
今年は、皆さんの努力が一級建築士試験の合格という確かな実を結びますように!

・井澤式比較暗記法は、名前のとおり、混乱しやすい複数の論点の比較・整理・理解・暗記法です。
・そういう差が付く論点の問題を解けるようになった人は合格し、解けないまま放置した人は涙を飲むのです。
・出題者も過去の本試験の正答率を分析し、合格者と不合格者の差が付く問題を出題してきます。
・井澤式比較暗記法をフル活用して、少しでも早く、ラクに、納得しながら充実感を持って合格しましょう!

・新年最初のテーマ問題も、比較暗記が必須となる典型的な問題です。

[テーマ問題] (建築士法)
■問題1(法規R07-21)
構造設計一級建築士は、一級建築士でなければ設計できない建築物のうち、建築基準法第20条第1項第一号又は第二号に該当するものの構造設計を行って、その構造設計図書に構造設計一級建築士である旨の表示をした場合であっても、構造計算によって建築物の安全性を確かめた旨の証明書を設計の委託者に交付しなければならない。

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[比較暗記法]  建築士法「構造設計一級建築士の関与と構造安全証明書
(建築士法20条2項、20条の2第1項、2項)
■構造設計一級建築士の関与が義務付けられている建築物では、
 構造安全証明書の交付が不要
  (↑なぜなら構造設計図書に
   構造設計一級建築士である旨が表示され、
   それが安全性の証明になる。)
■構造設計一級建築士の関与が義務付けられていない建築物では、
 構造安全証明書の交付が必要
  (↑構造安全証明書は、平たく言えば
   構造設計一級建築士ではない
   ただの建築士による安全性の証明書。)

※「構造設計一級建築士の関与が義務付けられている建築物」とは、士法20条2項ただし書の「次条(士法20条の2)第1項又は第2項の規定の適用がある場合」つまり士法20条の2第1項の「第3条第1項に規定する建築物(一級建築士でなければ設計できない建築物)のうち、建築基準法第20条第1項第一号又は第二号に該当するもの」です。これは「時刻暦応答解析、限界耐力計算、保有水平耐力、許容応力度等計算が必要な建築物」です。
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・構造設計一級建築士の関与が義務付けられている建築物が「不要」で、義務付けられていない建築物が「必要」になる点がおそらく皆さんの直感とは逆でしょう。
・そのため、みんな間違えるわけです。
・そして、繰り返し狙われるのです。
・だからこそ、こういう問題を正しく答えられれば合格に大きく近づくことができるのです!

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[テーマ問題の解答]
■問題1 誤。士法20条2項により、建築士は、原則として、構造計算によって建築物の安全性を確かめた場合においては、遅滞なく、その旨の証明書(「構造安全証明書」と呼ばれます。)を設計の委託者に交付しなければなりません。
ただし、同項ただし書により、次条(士法20条の2)1項又は2項に規定する構造設計一級建築士の関与が義務付けられている場合は、構造設計図書に、構造設計一級建築士である旨が表示されるので、この限りではなく、構造安全証明書を交付する必要はありません。
・士法20条の2第1項は、構造設計一級建築士による構造設計
・士法20条の2第2項は、構造設計一級建築士による法適合確認
を定めており、これを「構造設計一級建築士の関与」といいます。この「構造設計一級建築士の関与」は条文の中に出てくる表現ではありませんので覚えておく必要があります。





井澤ですいざわ

年内最後の投稿です。
定期講習について、これも前回と同様、大きく差が付く問題です!

[テーマ問題] (建築士法)
■問題1(法規R01-23)
建築士事務所に属する一級建築士は、建築物の設計又は工事監理の業務に従事しない場合であっても、所定の一級建築士定期講習を受けなければならない。
■問題2(法規R02-21)
建築士事務所に属する構造設計一級建築士は、一級建築士定期講習と構造設計一級建築士定期講習の両方を受けなければならない。
■問題3(法規H30-29)
構造設計一級建築士は、建築士事務所に属さず、教育に関する業務を行っている場合であっても、構造設計一級建築士定期講習を受けなければならない。

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[比較暗記法]  建築士法「建築士事務所への所属の有無と定期講習の受講義務の有無」(建築士法22条の2)
一級建築士定期講習
・建築士事務所に属する一級建築士は、一級建築士定期講習を3年以内ごとに受けなければならない。
・建築士事務所に属さない一級建築士は、一級建築士定期講習を受ける必要はない。
構造設計・設備設計一級建築士定期講習
・構造設計・設備設計一級建築士は、建築士事務所に属するか否かに関わらず、構造設計・設備設計一級建築士定期講習を3年以内ごとに受けなければならない。
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・上記の根拠は、建築士法22条の2第一号から三号までの一級・二級・木造建築士には「(第23条第1項の建築士事務所に属するものに限る。)」というかっこ書があるのに対して、四号、五号の構造設計・設備設計一級建築士にはそのかっこ書がないことです。
・表としてまとめると次のようになります。
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[比較暗記法]  建築士法「建築士事務所への所属の有無と定期講習の受講義務の有無」(建築士法22条の2)
No.12
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このように定められている理由は次のとおりです。
構造設計・設備設計一級建築士定期講習
・構造設計・設備設計は技術が日進月歩で、安全性に直結するため、建築士事務所に属していない(設計・工事監理の業務を行っていない)場合であっても、称号を名乗る以上、知識及び技能の維持向上のために定期講習を受けなければなりません。3年を超えると「浦島太郎」になってしまって知識及び技能を保てないと判断されたわけです。
一級建築士定期講習
・一級建築士も構造設計・設備設計一級建築士と同様に建築士事務所に属しているか否かを問わず全員定期講習を必須とする議論は成立しうるのですが、一級建築士は、井澤のように建築士事務所に属していない(設計・工事監理の業務を行っていない)人も多く、制度上は「建築士事務所に属している建築士」に絞るのが現実的と判断されたわけです。

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[テーマ問題の解答]
■問題1 正
■問題2 正
■問題3 正
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それでは、年内の「井澤式比較暗記法 法規編」は以上です。
「事始め(ことはじめ)」という言葉をご存じですか?
1月2日に習いごとを始めると上達が早いと言われています。
1月1日は休んで良いんですよ!
1月2日から勉強を始めましょう!
この「井澤式比較暗記法 法規編」も1月2日が新年の初投稿になります。

「新年決起会(正月ボケに終止符)」と称して
1月6日(火)19:30から毎年大人気の無料セミナー
「令和8年やまかけ![計画]実例建築物・建築作品・建築史」
を行います。
新年はそこでお会いしましょう。

来年は合格する年です!
人生を大きく変える年をお迎えください!





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