井澤ですいざわ

■問題
鉄骨構造において、梁の継手は、せん断力をフランジ継手が負担し、曲げモーメントをウェブ継手が負担するものとして設計した。(一級構造:平成15No.16


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■解答 誤。
 せん断力はウェブ、曲げモーメントはフランジが負担する。継手もしかり。
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S造とRC造を比較整理して次表にまとめましたので、次表をじっくり見てください。

moment_shear

■曲げモーメント
曲げ応力度は、圧縮縁、引張縁が最も大きくなりますので、圧縮縁、引張縁の近くにある「RC造の主筋」、「S造のフランジ」が負担します。
■せん断力
せん断力は、正負どちらにも耐えるために、部材の軸に直角に設けた部材が負担します。また、曲げを伴うせん断応力度は次図のような分布になりますので、部材の中立軸の近くにある「RC造のせん断補強筋(梁はあばら筋、柱は帯筋)」、「S造のウェブ」が負担します。
shear

■フランジとウェブ、どっちがどっちだか間違えてしまう人へ
H形鋼の梁において、横がフランジ。縦がウェブです。
表中に書いたように、
フランジの一画目は横に書きますので、横がフランジ。
ウェブの一画目は縦に書きますので、縦がウェブ。