井澤ですいざわ

■問題1
含水率が繊維飽和点以下の木材において、乾燥収縮率の大小関係は、年輪の接線方向>半径方向>繊維方向である。(一級構造:平成19No.23
■問題2
木材の繊維方向の基準強度は、一般に、引張強度より圧縮強度のほうが大きい。(一級構造:平成26No.27
■問題3
木材の繊維方向の曲げ、引張り及びせん断の基準強度並びに繊維直交方向のめり込みの基準強度の大小関係は、一般に、曲げ>引張り>せん断>めり込みである。(一級構造:平成23No.27

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■解答
 問題1 正。
 問題2 正。
 問題3 誤。せん断とめり込みの順番が逆である。せん断が一番小さい。
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木材の大小関係について2つの頻出事項をしっかり整理しておきましょう。

―――――――――ポイント―――――――――
■乾燥収縮率の大小関係
 年輪の接線方向(円周方向) > 半径方向 > 繊維方向
繊維方向の基準強度の大小関係
 曲げ > 圧縮 > 引張 > めり込み > せん断
    ※めり込みは「繊維直交方向のめり込み」
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■乾燥収縮率の大小関係について
wood expansion

繊維方向の基準強度の大小関係について
① 5つの大小関係の中でも特に注意すべき部分は次の2点である。
・圧縮>引張
・めり込み>せん断・・・せん断が最小
したがって、次のように大きく3分割して覚えると良い。
曲げ >(圧縮>引張)>(めり込み>せん断)
② 「曲げ>圧縮」について
例えば「ひのき」では、曲げの基準強度は38.4/㎟、圧縮の基準強度は30.6/㎟と定められている。
・曲げでは、断面の縁の部分に1㎟当たり38.4Nが働くと限界、
・圧縮では、全断面に均等に1㎟当たり30.6Nが働くと限界、ということ。
断面の縁の部分だけであれば、全断面に働くよりも大きな力に耐えられる。
したがって、「曲げ>圧縮」
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